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ガイノイド”イブ”と彩華

マキという女

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 私はクラスの中では孤立していた。こんな場合、無視されるイジメといえるだろうけど、私は我慢していた。そんな辛い時は私は”イヴ”機械娘なんだと。そんなふうにしゃべらないでいると、全く相手にされなくなっていた。なのにアキのように絡んで来られるのは正直戸惑ってしまった。本当は行きたくなかったけど、学校に黙って機械として働いているのがバレるのも嫌なのでマキに従う事にした。

 その時まで、興味がなかったのでアキという女の正体はしらなかった。でも、放課後にその一端を知ることになった。彼女に下駄箱で待つように言われていた私はボーと立っていると視線を感じた。それはガードマンのような屈強な男だった。そしてマキはその男に声をかけた。すると私の方に近づいてくるじゃないか!

 「彩華さま。夕方の六時までにはお送りいたしますので、お嬢様と一緒に来てください」

 その日は時間まで店の二階でゆっくり休みたかったが、しかたなかった。するとアキがこういってきた。

 「あなた心配しているのでしょ? 大丈夫よお店には連絡しているから」

 お店? いったい何を? そう思ったけど下駄箱ではそれ以上聞くのも憚れるので黙ってついていく事にした。

 私が通っている学校は、有産階級の子女が通うところでなかったが、そこそこ偏差値がないと合格できない進学校だった。両親が健在だった時に入学したけど、いまはお店で機械にならないと通えなくなっていたが。玄関を出て教職員専用の駐車場までいくと、大きく真っ黒なワンボックスカーが止まっていた。これっていったい?

 「さあ、うちに来るのよ湯浅さん! 心配しないで、私はあなたの事をしりたいだけだから」

 マキって何者なの? そう思って中に入ると内装が豪華な車内だった。そのなかに入ると彼女の表情が変わってしまった。学校では取り巻きがいるようで、その中ではにこりともしない雰囲気だったのに、なぜか人懐こく幼い雰囲気の少女になった。

 「あなたねえ、うちの会社のガイノイドスーツを着ているのよね? 本当に同級生にいるとは思わなかったのよ、しかも近くに! でも、聞けないじゃないのよ学校じゃね。ほら、私って幕芝重工業のオーナー会長の孫というのを隠して通っているのよ。知らなかったでしょ!」

 マキの豹変ぶりにびっくりしたけど、思い出した! 私をイブに改造するマシーンの製造元が幕芝重工業でたしか両親がそこの下請けをしていたのを!

 「し、知らなかったわよ! ところであなたって、どうして私の秘密を?」

 私は取り乱したかのような感じで答えた。マキの性格よりも機械娘の事をしっていたかを。

 「それはねえ、私も興味があったのよ。ガイノイドとして接客することに。それで、手ごろな場所を探していたら、いるじゃないのよ、目の前に! それで近づいたわけなのよ。いろいろ教えてね先輩!」

 これって、まさか自分を私と同じような事をしたいというわけなの?
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