妖精の人形といた最期の一週間のあとは

第一話

　私は楽観的に考えていた。まだ高校生だった時の事だ。幼馴染で同級生の真人が入院した。先生も深刻な病状ではないし、そのうち戻ってくるはずだといっていたから。そんな真人を見舞った時の事だ。

　「ねえ、真人。ずっと病室にいたら暇でしょ！　誰か会いたい人でもいるの？」

　私はそんなことを聞いた。なぜ聞いたのかは覚えていないが無意識に口にしていた。

　「そうなあ、以前お前と見たことがあるだろ、ほら魔法少女なんとかの着ぐるみショーの、あの」

　「なんだったかしら、たしかなんとかレディーだったかな？」

　私も良く覚えていなかった。小学校の時の事だ。あんまり気にしていなかったから。別にファンでもなかったから。

　「その、青いドレスを着た・・・着ぐるみに会いたいな。出来ればな」

　「はあ？」

　私は意味が分からなかった。そのとき、少女の姿をした着ぐるみなんて良く知らなかったから。でも、それが私があんな姿になる切っ掛けだったとは思っていなかった。