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第一章・異世界にやって来た高校生
15.天空から・1
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三人の運命を別つ時は突然やってきた。砂丘の上空は雲一つなく真っ青な空が広がり、海岸線からは紺碧の海が水平線の先まで広がっていた。だからお日様の遮るものはなかった。しかし小屋の目の前に大きな影を落とし始めた。その影は巨大な鳥のようだった。
「なに、これ?」
アオイは戸惑っていたが、外にいる四人にははっきりわかっていたようだ。それはやっぱり大きな鷹のようなもので、背中に人を乗せていた。そして四人と小屋の二人の間を割り込むように着陸した。
その大きな鷹のようなもののうえにいたのは魔法使いのような格好をした中年の女だった!
「おやおやシャミー! もう勇者の卵を確保したのかい? でも、そこの小屋にいる女の子は我が国が引き取りますわ」
引き取る? いったいなによそれ? ネコの子でも分けるかのような言い方をして! 私たちはモノでないのに! そんなことを三人とも思ったが、もう手遅れだった。
三人が閉じこもっていた小屋は実は国境の関所だったのだ。ただ関所といっても有名無実化したものであったが、そこが運命の分かれ目だったのだ。その小屋の前の石杭はブルガルス公爵国と隣のアンヴァリック共和国との境目だった。実はこの世界では異世界からの転移者は保護された国が生活を保障しなければならないという掟があった。つまりエリザベートとアオイほかは別れることが確定したのだ。
「なに、これ?」
アオイは戸惑っていたが、外にいる四人にははっきりわかっていたようだ。それはやっぱり大きな鷹のようなもので、背中に人を乗せていた。そして四人と小屋の二人の間を割り込むように着陸した。
その大きな鷹のようなもののうえにいたのは魔法使いのような格好をした中年の女だった!
「おやおやシャミー! もう勇者の卵を確保したのかい? でも、そこの小屋にいる女の子は我が国が引き取りますわ」
引き取る? いったいなによそれ? ネコの子でも分けるかのような言い方をして! 私たちはモノでないのに! そんなことを三人とも思ったが、もう手遅れだった。
三人が閉じこもっていた小屋は実は国境の関所だったのだ。ただ関所といっても有名無実化したものであったが、そこが運命の分かれ目だったのだ。その小屋の前の石杭はブルガルス公爵国と隣のアンヴァリック共和国との境目だった。実はこの世界では異世界からの転移者は保護された国が生活を保障しなければならないという掟があった。つまりエリザベートとアオイほかは別れることが確定したのだ。
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