異世界甲冑女子戦記アオイとエリザベート・そのほかの者たち

第一章・異世界にやって来た高校生

08.砂丘の騎士・1

　三人は大きな音のする方向に視線をやると、それは砂丘の上の方から聞こえてきた。ただ最初のうちは音だけしたので不気味であったが、さらに大きくなった瞬間砂丘の上に三つの影が見えてきた。今いる場所から砂丘の上までは一キロぐらいはなれていたが、その距離はみるみると縮んでくるにしたがい影ははっきりとした姿として視認できるようになった。

　その姿は巨大なダチョウのような二本足の獣の上に跨る甲冑の騎士だった。悠亮はそれを見て少し嬉しかった。ようやく冒険の世界に入ったような気がしたからだ。

　甲冑の騎士は一体は華奢な体形で他の二体はふっくらとした体形だったが、華奢な方が先頭にいたのでリーダーのようにも見えた。また三体ともメタリックな甲冑だったので見ようによってはロボットのようにも見えた。

　一方、アオイとエリザベートは竹刀を持って身構えていたが、もう勝負はついたようにも見えた。体格差もあるし相手は槍を持っていたからだ。馬上いや鳥上から突けばあっというまにやられるからだ。しかし二人は素早い動きを見せた。

　先に出てきた騎士二体が乗って来たダチョウみたいなやつの足の関節に面を打つ要領で竹刀でたたいた。するとダチョウみたいなやつは態勢を崩したので騎士は降りてしまった。