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1.出会いそして

07.告白.4

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 「わ、私は・・・」

 そう言いだしたところで口ごもってしまったからだ。いま彰が言っていた一度体験してほしいという言葉の意味に。着るのは分かったけど、それでなにをやるのかという事が・・・何も想像できなかったのだ! でもこうなったら清水の舞台から飛び降りるという言葉もあることだしやってやろうという気になった!

 「私、彰さんが体験させてあげるということをいっぺんやってみたいわ。あなたのような方がはまっている事知りたいから・・・」

 わたしはそう告白した。もし、そういわなければ別れを切り出されると思ったからだ。しかし何をするっていうのだろうこれから?

 彰は少し安堵した表情をしていたけど、すぐに引き締まった顔をした。実は私が彼に惹かれたのはそんなキリッとした顔だったけど、真面目な顔をしていったい何が始まるのか、少し不安になった。

 「実は君にその全身タイツを着てもらうのが一番なんだけど、あいにく君に合うサイズのがないんだよ。それに着てもらうなら良い品質のゼンタイを着てもらいたいし・・・だから、着るのは次にしてもらえないかな? それまで安物を下手に着ようと思わないでもらえないかな?」

 彰はそういったが、彼が言うにはゼンタイはパーティーグッズを扱うお店、ドンキーのような量販店でも売っているという事だったけど納得のいくものを着てほしいという事だった。しかし、まだ疑問が残っていた。ゼンタイを着て何をするんかということだった。なんとなく想像できたけど・・・

 この部屋に来た時、わたしは心のどこかで本当の男と女の関係になることを期待していた。そんな都合の良いような事はないのが分かっていたのにである。
 なぜなら彰は紳士的というか奥手というか、あまり誘ったりしてこなかったからだ。デートでもまるで高校生みたいな(もっとも、私はそれすら未経験だったけど)事をしていた。映画に見に行ったり美術館に行ったり・・・どっちかといえば私の趣味だったのかもしれないけど。
 だから彰がしたかったことに付き合っても良いとも思っていたけど、まさかそれが目の前にあるゼンタイでなにかをするというけど、一体なにするのか不安しかなかった。

 「彰さん分かったわ、あなたに任せるわよ。でも正直なところゼンタイで何をやるのか不安よ」
 すると、彰はそっと近づいてきた。

 「嘉奈さん、それは普段とは違う自分に出会えるってことさ!」
 
 それを聞いた私は表情に出すまいと我慢したけど心の中で叫んでいた。だから、それはなんなんですか!
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