【完結】纏い女!

ジャン・幸田

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ゼンタイ病

06 とある閉鎖都市

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 ゼンタイ病が発生したのは北半球の各地で同時であったようだ。その事が分かったのは各国政府がパンデミック対策で人や物の流れを遮断され経済的打撃を受けるのを恐れたためだ。しかし、それは有効な対策を取るのを遅くしただけだった。

 そんな後手の対応でも世界危機に至らなかったのは、ゼンタイ病の感染地域がそんなに広がっていなかったためだ。それに感染が発生しするのがどこも人口規模の小さい地方都市ばかりで、大都市には何故か無縁だった。その原因は研究者によって調査中であった。

 ゼンタイ病の原因は一種の寄生中が引き起こすものだと判明したので、可能な限り接触しないようにと、感染者およびキャリア(保有者)は閉鎖都市に封じ込められることになった。そのとき、男も発症はしないが保有者になると判明したので、男女とも幽閉されて行った。

 そんなゼンタイ病閉鎖都市が日本各地に7カ所設置されたが、そのうち唯一島にあったのが愛媛県にあった碧島町だった。ここは最初に患者が確認されたこともあるが、極度の過疎化で使われていない家屋があったこともあり、選ばれていた。

 その島には元々700人しかいなかったが、人口が急激に増えて9800人にまで増えていた。こんな島に設置されたのは患者の脱出を防ぐためと、警備費用の軽減策の一環であった。この島には主に女性ばかりが収容されていた。

 この閉鎖都市の特徴は必要なものは可能な限り自給自足することであった。海水に入っての採集行為は禁止されていたが、食料の生産はゼンタイ女の仕事であった。いわば一種の収容所であった。
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