【完結】纏い女!

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
5 / 10
ゼンタイ病

05 ゼンタイ病

しおりを挟む
 パンデミックスが始まった当時、何が起きているのか分からなかった当局は、全身が異様に溶けて皮膚が一色に変化し、顔が無くなった患者たちを隔離した。とにかく、感染していくのだけは確かだった。しかし、全国各地に同様な患者が増えていくにつれて、とりあえず感染者が多い地域を閉鎖することにした。そして閉鎖することである程度の事が分かった。

 患者はほぼ女性であること、そして生殖可能年齢の者だと判明した。だから初潮に至ってない女児や閉経した高齢女性は問題なかった。また、感染して人間の姿でなくなっても健康に問題はなく、そのままで生活できるようであった。しかも、性格が社交的になるので、容姿が変化しても引きこもりにならないという特徴があった。そして、誰となく患者たちの病気をゼンタイ病と呼ぶようになった。

 そう言うようになったのは、感染し発症した彼女らの姿が全身タイツすなわちゼンタイを着たかのような感じだったからだ。彼女らの姿は新たな皮膚に覆われた感じがしたからだ。

 彼女らの特徴は食事するときは真っ黒い口があるチューブのようなものが現れるという、そして普通に咀嚼しているようであるが、構造は分からない。視覚や聴覚、嗅覚は体表で認知しているようだ。だから後ろの様子も振り返らずに分かるようだ。また排泄はフツーに出来るようで、リポートによれば性交渉も出来るようだった。とにかく見た目をのぞけば今までと同じ生活は送れるようだった。

 政府は、そのため対応に苦慮したが、感染者と思われる女性を都市ごとに隔離する政策をとった。移動を制限したわけだ。そして隔離された地域の住民も男と一緒であった。そして研究対象にされたわけだ。ゼンタイ病の。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

スレイブZ!

ジャン・幸田
ホラー
 「今日からお前らの姿だ!」  ある日、地球上に出現した異世界人は地球人たちの姿を奪った!   「スレイブスーツ」と呼ばれる全身タイツのようなのを着せ洗脳するのであった。

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと

ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した! それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。 それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する! なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?  

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

ゼンタイフェチ女ですが受け入れてくれといいませんけど

ジャン・幸田
キャラ文芸
 私はミチル。どこにでもいるような女の子だけど、家族に絶対言えない秘密があるの。ゼンタイフェチなのよ! 毎晩、家族が寝静まった後はゼンタイに着替えてお楽しみしているのフェチに目覚めたのよ。しかもフェチ友達がいっぱいいるのよ。変態? そんなことお構いなしよ! 今日も楽しんじゃうわ、ゼンタイでいろんなことを! *いわゆるゼンタイ(全身タイツ)好きな主人公とその仲間との物語です。そのようなものが嗜好に合わない方は閲覧をお控えください。なお、特定のモデルはいない空想の物語ですので、どこかの誰かに似ていても気のせいです。

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

【完結】ゼンタイレスラーとしてデビューしたけど、それで?

ジャン・幸田
青春
 プロレスというスポーツはレオタードかタイツのような水着を着用するはずなのに!  門を叩いた団体のユニフォームですって、これが? マスクだけでなく全身に着るのですか? それって変態じゃん! そう思ったけど後の祭りだった!  これは、全身を特殊スーツで覆い戦う、特殊コスチューム系団体に入ってしまった少女の戦いの記録である。

笛智荘の仲間たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
 田舎から都会に出てきた美優が不動産屋に紹介されてやってきたのは、通称「日本の九竜城」と呼ばれる怪しい雰囲気が漂うアパート笛智荘(ふえちそう)だった。そんな変なアパートに住む住民もまた不思議な人たちばかりだった。おかしな住民による非日常的な日常が今始まる!

処理中です...