AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田

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スカウト編!

舞台裏

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 めぐみは二人に挟まれているのに気づいていたけど、ろぼぎゃるずの公演を見るのが優先するのよ、終わったら出ればいいと思っていた。そのため一時間半もずっとすわっていた。

 「それでは皆さん! 今日は終わります! グッズブースではほかのチームのメンバーのものもありますから、見てくださいね!」

 シホはちゃっかり宣伝してから舞台を降りたかと思ったら、ほかのメンバーと一緒に観客席の方に向かっていた。それには多くのファンが殺到していた。めぐみはどうしようかと思っているとさっき両隣にいた女の方に呼び止められた。

 「栗林めぐみさん、はじめまして」

 「へ? なんの御用ですか?」

 思わずめぐみは振り返ってしまった。

 「わたくしはハイペリオン・プロモートの纐纈はなぶさ佳織と申します。今日ここに招待したものです。そちらは弊社事業部長の西岡翔太です。さっそくで悪いのですが一緒にきていただけませんでしょうか」

 めぐみは何の事かよくわからなかったが、この公演に招待してくれたということなのでついていくことにした。すると、スタッフオンリーとかかれた通用門を通された。そこには先ほどまで舞台にいたロボットたちがいた。

 「これはろぼぎゃるずですよね」

 「そうよ! 今日あなたを招待したのは彼女らを観て欲しかったからよ」

 「そうですか」

 めぐみには意味が分からなかった。ハイペリオンといえば最初は介護用スーツメーカーから始まり、今ではネット金融なども手掛ける一大企業群であったが、そこが新規に芸能事務所を立ち上げたと認識していたけど、彼女らはロボットではないか。現在のように人間と見間違うぐらい精巧な人間型看護師ロボットは普及しているのに、レトロな感じがした。

 佳織に案内されたのは先ほどのシホだった。彼女はメンテナンスのようで頭部や腹部のハッチが明けられメカが丸見えだった。

 「さっきまで見ていたシホよ。彼女は超高性能自立型AIが搭載されていて、学習能力が強化されたタイプなの。でも、欠点があって公演のたびにメンテナンスが必要なのよ。まだAIに激しい公演をこなせるようにするにはランニングコストがかかりすぎるのよ。それに、ろぼぎゃるずはチームが5つあって、それぞれ12ずつ集めて、さらに拡張する計画があるのよ。でも、問題なのは・・・間に合わないのよね製造が。そこでおねがいがあるのよ」

 そういって連れられたのはさっきめぐみが夢中になって観ていたピンクのボディを持つロボットだった。どこかしらめぐみの体形に似ていた。

 「この子はねカンナよ。シホと同じように完全にロボットなんだけど、新しくチーム・シグマを結成するんだけど、彼女に搭載されたAIに問題があってね、あなたになってもらいたいのよ、彼女のように!」

 そのとき、めぐみは何をいわれたのか訳が分からなかった。
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