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エキストラの衣装に着替えたら

前編・ゴムのかおり

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 闇バイトといえば犯罪行為なのが半ば常識である。しかし、これから彼女たちが向かうのは闇落ちするバイトだった・・・

 その日、求人バイトに集まったのは求職サイトで募集されていたエキストラだった。時間は長くなく交通費支給で通常のバイトより少し高いぐらいだった。条件といえば特撮作品が好きな男女という程度だった。

 とある山奥にマイクロバスで連れて来られたのは選考に通過した者たちだった。男女二人ずつの四人だった。そこは石切り場跡で、昔の特撮作品で見たことのような場所だった。その現場には怪人や戦闘員にヒーローやヒロインの姿があった。作品の撮影は始まっているようだった。

 四人が案内されたのはトレーナーのコンテナだった。そこには役になりきったかのような奇抜な服装をした者たちがいた。まるで悪の秘密結社の研究員みたいな・・・そのとき、男女別々に案内された。そこに通された彼女は驚いた。服を全部脱ぐようにと!

 服を脱ぐと目の前に用意されたのはコールタールのような液体に入った全身タイツのようなラバースーツのような衣装だった。衣装からはゴムのかおりもした。

 「これを着るのですか?」

 二人とも不安になり、出来ればここで帰るつもりになっていた。そのとき、二人の手足を先ほどの戦闘員が拘束していた。

 「やめてよ! エッチ!」

 そう暴れようとしたが、戦闘員の・・・体型からすれば女がこうささやいだ。

 「そんな風に暴れるのもいまのうちよ! あたいも最初は不安だったけど気持ちよくなるわよ!」

 そういいながら、二人はコールタールのようなものが入った水槽に入れられ、あのゴムのかおりがする衣装を強制的に着せられ始めた。

 「やめて! やめて!! やめて!!! とにかくやめて!!!・・・・」

 二人は絶叫したが、コールタールのようなものまみれの衣装の背中の部分から足を通され、次いで腕を通された。そして背中の開口部が閉められるとマスクをかぶせられた。二人は真っ黒いゴムのようなものに包まれてしまった。

 「とりあえず、床に転がしておけ!」

 誰かの声で二人は転がされた。二人とも脱ごうと思って背中に腕を回したが、上げたはずのファスナーが消失したばかりか、筋目すらなくなっていた。全く何も見えなくなった彼女たちの感覚器に激しい熱と拘束感、そしてゴムのにおいを感じていた。二人が抵抗すれば抵抗するほど洗脳されていることにきづかないままであった。

 「あー、あー、あー」

 二人は官能的なあえぎ声を上げていた。二人の精神も身体もゴムのようなものによって洗脳されていた。戦闘員として相応しい心身へと・・・
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