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(0)引きこもり少女

003.連れていかれた!

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 その時やってきた大きな人形は、幼い頃に母に連れられて見た着ぐるみショーに出ていた女性キャラによく似ていた。でも、なんとなく違っているようにも見えた。それにしても、彼女らって人形なのかしらそれともロボット?

 ともかく、わたしは何処かに連れていかれることになったようだった。その人形 -あとで人形娘と呼ばれることを知ったのであるけどー はさっき登ってきた階段で一緒に降りるのかと思ったら違っていた。

 ガレージの扉が閉められてしまった。それにしても覗けるように扉を開けっ放しにしている方が悪いんじゃないかと言いたかったが、たしかに運転手が驚くのも仕方なかった。わたしの家の周囲は昔っから高いフェンスに囲われているので、外から誰かが入ってくるはずはなかった。

 そこまでしているのは、わたしはてっきり治安が悪化したので父が心配しすぎて囲ったのばかりと思っていたけど、本当の理由は後で知ることになった。

 そのガレージにはポンコツの古い両親の乗用車とガラクタしかないはずだったけど、そのガラクタの前のスペースにトラックが停まっていた。
 そのトラックの周囲に扉のようなものが床から現れ、そのまま降下しはじめた。しばらくすると地下空間に降りて扉が開くと、目の前に異様な人たちが待っていた。

 その人たちは人間、のはずなのに奇抜な格好をしていた。全身が真っ青だった! そいつらはマネキンのようにもみえた。

 そこにいたのは”二人”で、胸に膨らみがあってウエストがくびれているので女性のようだった。しかし全身タイツを着用し、胸と腰にビキニの形をしたプロテクターを装着し、青いウィッグを被り左腕にはモニター付きのプロテクターをはめていた。しかも”彼女”らは銃を持っていた!

 「不審者というのはこの娘か? よく敷地に侵入出来たな”」その”全身タイツ”のようなもので覆われた”女”は尋問を始めた。それにしても、見えているんかしら、わたしが?

 「わたしは、この上の住宅に住んでいるのですよ、ずっと! そうだ、大桃秀夫を呼んでください! それがわたしの父ですから!」その名前を出した途端、周囲の空気が一変した。

 それから私は、なぜかトラックが降りたところにある部屋の一角に閉じ込められてしまった。そこは周囲が真っ白な壁で囲われた殺風景なところだった。わたしは、これからどうなるのか不安になっていた。

 それにしても父の研究所ってどうなっているのだろうか? 運転手と言い私を連れてきたのといい、変な人形のような人たち・・・いやロボットかもしれないけど、なんで変な格好なのかしら? もしかして変態趣味爆発なのか、父の? なんて思っていた。このとき父の研究所が恐怖の技術開発をしているとは、わたしは知らなかった。
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