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香奈との出会い
おはよう、これから何しよう?
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香奈の今の姿にはホントーに色んな事がわからなかったが、とりあえず知りたい事があった。いま起きているのか寝ているのかである。表情は固定化されているので、さっぱりわからないししゃべってくれないからだ。後で香奈に聞いたら本人もそのあたりは困っていたようだった。
朝陽が指しこみ出した頃になってようやく彼女は動き始めた。俺は「おはよう」というと手を振って筆談用のノートとペンを持ってきた。
”おはよう智ちゃん。今日はこれからどうするの?”
実はこの日計画していたのは最後の東京ということで、行った事なかったスカイツリーか東京タワーもしくはお台場にでも遊びに行こうと思っていたが、人形娘の香奈と一緒に行動するのはリスクが高かった。彼女を人形娘に改造した組織の人間が追っかけて来ているかもしれなかったし。
「そうだね、今晩夜行バスで帰郷するつもりだけど、君も行くだろう? とりあえず予約が取れるか聞いてみるけどいいかな?」
”そうしてね” と彼女の返事を貰ったので、バス会社に電話してみた。幸いバスの空席があったので予約できたけど、春休みシーズンで予約多数により増便した二号車のほうになった。こっちの方が若干出発が遅いとのことだった。
また予約の際に”沢村香奈”ではなく俺の従姉妹の”西岡雅花”の名前で入れた。もしかすると香奈を探している組織に見つかるかもしれないと思ったからだ。それにしても香奈をどうやってここから連れ出せばいいのだろうか? それにしても人形娘の姿でよく此処まで逃げて来れたものだと思った。
「香奈ちゃん、この部屋を出ないといけないけど何か着替えたらいいと思うけどどうすればいいかな? さすがにそのメイドの衣装でバスターミナルのある新宿までもいけないよ」
”そうだね。私に考えがあるわ。悪いけどこれから書くものを買ってきてください”と書いて香奈は買い物リストを書き始めた。
そして俺は朝十時の開店とともに近くの量販婦人服店へと入っていった。そこで香奈のメモにあったものを次々と購入していった。お金は香奈に出してもらった。
「お客様。このメモのようにして構わないのですね? なんか仮装みたいですわ。これから春が来て暑くなっていくというのに」と中年のオバサン店員に疑問をもたれてしまったので、「風邪をこじらせた妹に頼まれた買い物です!」といって逃げた。
大きな買い物袋を提げて俺の部屋に戻ってきたが、まさか香奈の姿が消えていたりという事はないだろうけどと思っていたが、思ってもいないことが俺の部屋で起きていた。香奈の姿を見た中年に限りなく近い男があわくって横になっていたのだ。その男の顔を見て俺は思わず叫んでいた。
「田河先輩! 大丈夫ですか? 一体何しにきたのですか?」
朝陽が指しこみ出した頃になってようやく彼女は動き始めた。俺は「おはよう」というと手を振って筆談用のノートとペンを持ってきた。
”おはよう智ちゃん。今日はこれからどうするの?”
実はこの日計画していたのは最後の東京ということで、行った事なかったスカイツリーか東京タワーもしくはお台場にでも遊びに行こうと思っていたが、人形娘の香奈と一緒に行動するのはリスクが高かった。彼女を人形娘に改造した組織の人間が追っかけて来ているかもしれなかったし。
「そうだね、今晩夜行バスで帰郷するつもりだけど、君も行くだろう? とりあえず予約が取れるか聞いてみるけどいいかな?」
”そうしてね” と彼女の返事を貰ったので、バス会社に電話してみた。幸いバスの空席があったので予約できたけど、春休みシーズンで予約多数により増便した二号車のほうになった。こっちの方が若干出発が遅いとのことだった。
また予約の際に”沢村香奈”ではなく俺の従姉妹の”西岡雅花”の名前で入れた。もしかすると香奈を探している組織に見つかるかもしれないと思ったからだ。それにしても香奈をどうやってここから連れ出せばいいのだろうか? それにしても人形娘の姿でよく此処まで逃げて来れたものだと思った。
「香奈ちゃん、この部屋を出ないといけないけど何か着替えたらいいと思うけどどうすればいいかな? さすがにそのメイドの衣装でバスターミナルのある新宿までもいけないよ」
”そうだね。私に考えがあるわ。悪いけどこれから書くものを買ってきてください”と書いて香奈は買い物リストを書き始めた。
そして俺は朝十時の開店とともに近くの量販婦人服店へと入っていった。そこで香奈のメモにあったものを次々と購入していった。お金は香奈に出してもらった。
「お客様。このメモのようにして構わないのですね? なんか仮装みたいですわ。これから春が来て暑くなっていくというのに」と中年のオバサン店員に疑問をもたれてしまったので、「風邪をこじらせた妹に頼まれた買い物です!」といって逃げた。
大きな買い物袋を提げて俺の部屋に戻ってきたが、まさか香奈の姿が消えていたりという事はないだろうけどと思っていたが、思ってもいないことが俺の部屋で起きていた。香奈の姿を見た中年に限りなく近い男があわくって横になっていたのだ。その男の顔を見て俺は思わず叫んでいた。
「田河先輩! 大丈夫ですか? 一体何しにきたのですか?」
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