3 / 26
香奈との出会い
人形娘とのコミュニケーション(前編)
しおりを挟む
香奈とは幼馴染でよく祖父の食堂「一文字食堂」に遊びに来ていた。香奈の両親は食堂に野菜を納めにくる納入業者で、祖父と香奈の両親とは仲が良かったからだ。それで自然と遊ぶようになったが、思春期が来ても互いに異性とは思わず兄妹のように思っていた。そうそう香奈のほうが誕生日が半年遅いので俺の方が少し年長だったので、男兄弟の末っ子の俺からすれば妹みたいな存在だった。
そのため、家族ぐるみの付き合いをずっと続けていて、祖父は香奈の両親を自分の子供のように可愛がっていて、一緒に色んなところへと出かけているぐらい良好な関係だった。だから香奈の両親が事故で亡くなった時も祖父は酷く嘆き悲しんでいた事を昨日の事のように覚えている。その祖父も何ヶ月もしないうちに急な病で直後に香奈の両親と同じところに逝ってしまったが・・・
彼女は俺からすれば本当の妹のように愛しかったが、最近は連絡を取っていなかった。しかし、再会した彼女は想像もしない姿に変わっていた。彼女が言うには人形娘ということであるが、見た目は美少女着ぐるみが脱げなくなったような姿だった。
彼女は「中の人」状態でしゃべる事が出来ないので、とりあえず近所のコンビニでノートとサインペン、飲みたいと”要求”された牛乳を買ってきた。それにしても彼女は食事をするのか、トイレに行くのか、”着ぐるみ”のような人形娘の姿で身体は大丈夫なのか、そう彼女の今のことを知りたくてしかたなかった。
買ってきた牛乳を香奈に渡すと、彼女はおもむろに紙パックを空け、唇からストロー状のものを伸ばして飲み始めた。まるでそれは蜜を吸う蝶のようだった。俺は香奈に色んな事を聞きたかったが、あまりにも知りたい事が多すぎるので、少しずつ質問する事にした。
「香奈ちゃん、本当に香奈ちゃんなの? 怒るかもしれないけど今でも信じられないのよ。本当ならマスクを取って確認したいし、声も聞きたいよ。でも出来ないようだからいいかな? 俺の祖父の名前と君の両親の名前を書いてくれないかな」
俺は香奈と一緒に学校に行っていたときの口調で話してしまった。同級生には高校にもなって幼馴染にちゃんつけするなんてと、ひやかされたものであったが。
彼女は少し悲しそうな素振りをしたかと思うと、ノートに筆談を始めた。”あなたのお爺さんは西岡恭二、私の両親は沢村明和と妙子”
そう俺と一緒に暮らしていた祖父はお袋の父で、ずっとうちは”マスオさん”状態だった。だから姓が違っていたし、名前も合っていた。
「それじゃあ、君は食べなくてもいいの?」
”食べたいけど食べれないわ。さるぐつわされたようになっているから。さっきのように吸うことは出来るよ”
「でも牛乳だけでは身体は持たないよ。本当はどんなものを摂取すればいいの?」
”ベビーフードのようなものを調合したもの。レシピは自分で作れるから材料だけ用意して。でもしばらくは牛乳で我慢するわ”
「トイレに行かなくてもいいかな? ここは共有だから心配なんだ」そういうと、彼女は恥ずかしいと思ったのか照れ隠しのように俺の腕を引っ張ってしまった。
”行くわよ。でも体内も改造されているみたいで必要以上に行く必要ないみたい。だから一日行かなくても平気みたい。でも後で行かせてもらうよ”
「その人形娘の着ぐるみってどんな構造なの?」
”話が長くなるから後で書くわね。簡単に言えば改造人間の身体になっているのよ。サイボーグって言ったほうが正しいかな。でも身体は生身のままのようよ。だって心臓の鼓動も感じるしね。それに奴らは元の人間に戻せるかもしれないといっていたけど、当てはないわね”
そのため、家族ぐるみの付き合いをずっと続けていて、祖父は香奈の両親を自分の子供のように可愛がっていて、一緒に色んなところへと出かけているぐらい良好な関係だった。だから香奈の両親が事故で亡くなった時も祖父は酷く嘆き悲しんでいた事を昨日の事のように覚えている。その祖父も何ヶ月もしないうちに急な病で直後に香奈の両親と同じところに逝ってしまったが・・・
彼女は俺からすれば本当の妹のように愛しかったが、最近は連絡を取っていなかった。しかし、再会した彼女は想像もしない姿に変わっていた。彼女が言うには人形娘ということであるが、見た目は美少女着ぐるみが脱げなくなったような姿だった。
彼女は「中の人」状態でしゃべる事が出来ないので、とりあえず近所のコンビニでノートとサインペン、飲みたいと”要求”された牛乳を買ってきた。それにしても彼女は食事をするのか、トイレに行くのか、”着ぐるみ”のような人形娘の姿で身体は大丈夫なのか、そう彼女の今のことを知りたくてしかたなかった。
買ってきた牛乳を香奈に渡すと、彼女はおもむろに紙パックを空け、唇からストロー状のものを伸ばして飲み始めた。まるでそれは蜜を吸う蝶のようだった。俺は香奈に色んな事を聞きたかったが、あまりにも知りたい事が多すぎるので、少しずつ質問する事にした。
「香奈ちゃん、本当に香奈ちゃんなの? 怒るかもしれないけど今でも信じられないのよ。本当ならマスクを取って確認したいし、声も聞きたいよ。でも出来ないようだからいいかな? 俺の祖父の名前と君の両親の名前を書いてくれないかな」
俺は香奈と一緒に学校に行っていたときの口調で話してしまった。同級生には高校にもなって幼馴染にちゃんつけするなんてと、ひやかされたものであったが。
彼女は少し悲しそうな素振りをしたかと思うと、ノートに筆談を始めた。”あなたのお爺さんは西岡恭二、私の両親は沢村明和と妙子”
そう俺と一緒に暮らしていた祖父はお袋の父で、ずっとうちは”マスオさん”状態だった。だから姓が違っていたし、名前も合っていた。
「それじゃあ、君は食べなくてもいいの?」
”食べたいけど食べれないわ。さるぐつわされたようになっているから。さっきのように吸うことは出来るよ”
「でも牛乳だけでは身体は持たないよ。本当はどんなものを摂取すればいいの?」
”ベビーフードのようなものを調合したもの。レシピは自分で作れるから材料だけ用意して。でもしばらくは牛乳で我慢するわ”
「トイレに行かなくてもいいかな? ここは共有だから心配なんだ」そういうと、彼女は恥ずかしいと思ったのか照れ隠しのように俺の腕を引っ張ってしまった。
”行くわよ。でも体内も改造されているみたいで必要以上に行く必要ないみたい。だから一日行かなくても平気みたい。でも後で行かせてもらうよ”
「その人形娘の着ぐるみってどんな構造なの?」
”話が長くなるから後で書くわね。簡単に言えば改造人間の身体になっているのよ。サイボーグって言ったほうが正しいかな。でも身体は生身のままのようよ。だって心臓の鼓動も感じるしね。それに奴らは元の人間に戻せるかもしれないといっていたけど、当てはないわね”
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる