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(壱)お隣さんは何者ですか?
出会いはサクラの下で(2)
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サクラの木があんなに美しい花を咲かせるのは根っこに死体が埋まっているから! なんて話を聞いたことがあったけど、それは文学的な比喩であろう。そのあと僕が見る事になったのはサクラの木の下でトンデモナイものだったけど。
その日の午後、大学の授業選択のガイダンスが終わり、下宿先に選んだ一戸建てに帰ろうとしていた。一戸建て、といえば聞こえはいいが、要は長屋であった。そんな半世紀以上前の物件が残存しているのは奇跡といえそうであった。それを選んだのは駅からは遠いが、比較的都心に近く家賃も極度に安かったからだ。それもこれも風呂・トイレ共用、築年数八十年以上という酷い条件だった。しかも地形が悪くゼネコンもマンション用地にならないと判断した物件という事だった。
僕は、その日は春の陽気に浮かれていた。サクラは散り始めていて桜吹雪のように舞っていた。長屋があるのはサクラが植えられている公園の脇の斜面下で、否応なく吹雪いていた。その時、向こうから歩いて来たのが彼女だった。それが最初の出会いだった。
その日の午後、大学の授業選択のガイダンスが終わり、下宿先に選んだ一戸建てに帰ろうとしていた。一戸建て、といえば聞こえはいいが、要は長屋であった。そんな半世紀以上前の物件が残存しているのは奇跡といえそうであった。それを選んだのは駅からは遠いが、比較的都心に近く家賃も極度に安かったからだ。それもこれも風呂・トイレ共用、築年数八十年以上という酷い条件だった。しかも地形が悪くゼネコンもマンション用地にならないと判断した物件という事だった。
僕は、その日は春の陽気に浮かれていた。サクラは散り始めていて桜吹雪のように舞っていた。長屋があるのはサクラが植えられている公園の脇の斜面下で、否応なく吹雪いていた。その時、向こうから歩いて来たのが彼女だった。それが最初の出会いだった。
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