ロボットウーマン改造刑を受けた少女

弐：ロボットウーマン希美はメイド少女

２－７ 希美のお仕事は

　希美のメイドとしての仕事はヘルムートの看病であった。ヘルムートは膠原病の一種を患っており、症状が時々悪化することはあり、誰かが寝ずに看病しておかないといけなかった。専門的な治療の指示を受けて場合によっては医療行為をしなければいけなかった。もっとも、ヘルムートぐらいの資力があれば、人間の介護士や看護師に医師などを常駐させることが可能であるし、そちらのほうが効率が良いのにもかかわらず、身の回りの世話は全てガイノイド任せだった。しかもガイノイドも全てステレオタイプ的なメタリックボディがお好みであった。

　だから、ガイノイド達・・・その中には希美のように中身が人間の場合があるが、彼女たちの間では主人のヘルムートはガイノイドフェチだという風に認識していた。ある意味変態なんだと


　ヘルムートがガイノイドフェチなのかは分からないが、彼がすごいのは、知力と想像力が人類史上最高とまで称賛されていたことだ、そんな病弱な体でありながら、義体とよばれる延命措置改造されなかったのは、異能すぎる才能が改造によって失われるのではないかと恐れて、体制が強制改造措置を回避したからだ。そのかわり、十分すぎる富と支援をあたえていた。

　彼の IQ は200を優に超え、最先端の量子コンピューターですら凌駕するほどだ。しかも彼の脳組織の働きが不明なので、下手に電脳化することも不可能だった。

　その才能は物理や化学など自然科学もずば抜けており、12歳で大学を卒業できたほどだ。また芸術も優れており、音楽は楽器の演奏を見ただけで奏でる事ができるようになるし、作曲もこなすほどであった。また絵画も 一流の腕を持っていたし、機械翻訳に頼らずに何ヶ国語もしゃべれるようになっていた。彼は万能コンピューターにすらない独創的な想像力が備わっていた、

　その一方で 彼の性格は異常なところがあった。生身の人間がどうも苦手だということだった。だから使用人をロボットばっかりということになったわけだ。また完全に人間嫌いというわけで、彼の心の中は不思議な闇に包まれていた。