上 下
25 / 29
リアル・ラブドール・カップル試験

3‐9・男装衣

しおりを挟む
 早紀が目覚めた時、全身に強い拘束感を感じた。眠っている間にドール化されたようだ。事前に読まされた説明書によれば、一度ドール化されたら自分の手で脱ぐことは出来ないし、そのまま数か月脱がなくても大丈夫なように改造されているという。そういうことは、逃げ出すことは出来ないし、逃げてもAI搭載の人形としか見られないということだ。

 それにしてもどんなドールにされたのだろうとベットから立ち上がったとき、違和感があった。特に下半身が!

 それで股間をみると、見るのが嫌だったものがあった。オチンチンだ! そう思った。そしてそれなりに自慢だった胸の膨らみはなく、分厚い胸板へと変化していた! 

 どうなっているのよとパニックになっていたら、目線の先に大きな鏡が置かれているのが分かったので自分の姿を映すと、そこには男のドールが立っていた。

 身長はあまり変わらなかったが、筋肉質な身体をした結構イケメンと思える男のドールが映っていた。そのドールの下腹部には男のシンボルもあった。それには忌々しい思いでしかなかった。

 なんでこんなものがついているのよ! そう思って先が触ると感覚がフィードバックしてきた。触られると感覚があるのだ。しかも、なぜかエッチな気持ちになって、モノが大きくなってしまった。なんてはしたないんだと思っていると、振り返るとベットの上にはもう一体のドールがいた。そのドールは可愛らしい女の子の姿をしていた。そのドールを見ているとなんだかエッチな気分になって来た。同じ女の子に欲情するなんて、どうしたんだろう私はと思った。

 このとき、股間に取り付けられたのは、男根で受けた刺激を本来の先の性器に刺激を変換して伝える装置で、早紀の尿管に挿入されたカテーテルの出口になっていた。疑似的に男性の感覚を感じるようになっていた。得能ら研究チームが開発したもので、性転換手術を受けることなく異性が感じる感覚を体験するシステムだった。そのため、マスクに埋め込まれた催眠装置で感覚が男性化するようになっていた。そのため、今の早紀は若い男が感じる感覚になっていた。

 「なんてことなんだあ! 俺は・・・」

 早紀の意識に反応してドールから発せられた人工音声は、男の声であった。そのとき、早紀は男にしか見えないドールにされてしまった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー

ジャン・幸田
キャラ文芸
 いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?  徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと

ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した! それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。 それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する! なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?  

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

処理中です...