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マリアンヌの派遣

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 とにかくマリアンヌの内臓は大変な状態だった。細胞補正により人形の殻の中で圧縮されているというのに、性的かつ強い物理的刺激を外からくわえられるからだ。おまけに口内は器具に占領されているので、余計に苦しい気がするのだ。

 人形の殻から受ける刺激は生身の時のセックス時よりも過激なものであった。だから気が狂いそうなものなのに人形の殻による制御により抑制されたものになる。だから、まるで袋の中に閉じ込められて弄ばれているようなものであった。

 「ショーン、ショーン、いいわよ!」

 マリアンヌはそう言ったが、実際は手加減してもらいたかった。特にアソコは人形の殻に覆われて狭くなっているというのに、相手の太いアレが入ってくるからはち切れそうな気がするのだ。いくら、赤ちゃんを産み落とすために構造的に大きくなるといっても、手加減してもらいたいと思っていた。ああ、痛い!

 マリアンヌの内臓はごく普通の女で、普段は目立たないので男から誘われる事もないし、ましては自分から誘う事なんてことはなかった。しかし今は人形の殻を纏う事で別人格になって外観も変わりこうして男と逢瀬をしていた。それが変態的な事と指弾されかねないとしても、構わなかった。

 内臓にされた女は性刺激が増幅され、発熱量も増大し、内部環境制御システムの能力を超えて発汗していて、不快感が増大しても、苦しい感覚すら快感になっていた。まるで毛布でくるまれて攻められているような状態だね、と感じていた。

 「本当に妻とやっているようだよ、人形みたいだけど中身は本物以上だ!」

 男の行為は激しさを増していた。その時極度の刺激に耐えきれなくなってしまい、絶頂を迎え逝ってしまっていたが気を失う事は許されず、そのまま受け入れていなければならなかった。この時は、性刺激の地獄のようだった。止める事が許されない無限のループに入ったようになっていた。

 「いい、いいですよ、いい!」

 マリアンヌは表情は変えないが激しい喘ぎ声をあげていた。人形の表面から粘質上の潤滑油のような物質が出ていたが、それは内臓の汗だった。内部処理の能力を超えたため緊急的に滲みでてきたのだ。そして下腹部からも同じように出ていた。その反応は人形が人間の女と一体化したといえるものであった。

 「さあ、次も行くぞ!」

 「はい・・・」

 この男、絶倫だとマリアンヌは判断したが、要求を拒むことは出来なかった。内臓の生命維持に危険があると判断しない限り中断は許されなかった。そのため、二度目の逢瀬は内臓の意識はほぼない状態で行われた。その代り、制御用補助電脳がマリアンヌの疑似意識を構築して相手をしはじめた。この時からマリアンヌの内臓はただの肉人形の詰め物にすぎなくなった。

 こうして、マリアンヌは夜明け近くまで幾度もなく逢瀬を重ね契りを結んだが、身体は疲労困憊し終わった後も続いているような幻覚に襲われていた。そして意識は完全に無くなっていった・・・

 マリアンヌが気付いたのは昼前だった。その時ショーンは満足な笑みを湛え眠っていた。朝起きたらまたエッチな事をする! というオプションはないので、人形の殻の表面を持参していたバスタオルで拭いてから元のメイド服に着替え、乱れたマスクの髪の毛を直した。内臓はもし自分の顔のままだったら自分でも嫌な顔をしていることだろうなと考えていた。そして、オプションにあった朝食は自動的にキャンセルになったので、昼食を作り始めた。それにしても、料理が下手な内臓からすれば、このように上手く作れるようになったら良いのにと羨んでいた。

 男も起きてきたので、子供のように服を着せると彼はマリアンヌにキスをしてきた。あれだけ楽しんだ男であったが、その行為は紳士的だといえた。まさに昼は紳士、夜は性獣であった。

 それから午後は恋人のようないちゃついたことをして過ごすと終了時間の六時が来たけど、延長になったので夕食も作ることになった。まさか、今夜も? と思ったけど男は翌日大事な商談があるという事で再延長はなかった。結局、マリアンヌは26時間も男と付き合った。そしてキジネコ・サービスが彼女を引き取りに来た。

 キジネコ・サービスの係員が差し出したアンケートに男が答えている間、マリアンヌの外観チェックが行われた。そして最後に男はこういった。

 「また、時間の都合がついたら来てもらいたい」 そういって笑顔を見せていた。

 キジネコ・サービスに戻ると、すぐ人形の殻からマリアンヌの内臓は取り出された。彼女はげっそりとしていた。

 「どお? よかった?」

 ジャンヌは内臓をいたわるように触ってきた。

 「ええ、良かったわ! でも、アソコがまだ疼きますよ! 本当に絶倫だったわ、あのお客様は!」

 マリアンヌから普段の地味な女に戻って、さっきまで自分を覆っていたものを見つめていた。本音を言うと、あのショーンとまた逢瀬を重ねたいと思っていた。でも、彼が求めているのはマリアンヌであって自分ではないと思うと切なくなった。

 「そおなんだあ? たしかに記録上すごいわね、こんなにやるだなんて。まさに金メダルものよね、また依頼が来たら出来る、あなた?」

 ジャンヌの質問に彼女は小さく首を縦に振った。その夜、自分の部屋に戻った彼女はマリアンヌのつもりになってショーンとの契りを夢想して濡れていた・・・
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