上 下
15 / 29
マリアンヌの派遣

2‐4

しおりを挟む
 マリアンヌの内臓は自分は目の前の男の妻の、夜の夫婦生活の代用物とされているんだと感じた。もし、これが生身の状態なら思わず拒絶反応を示すだろうし嫌悪感を顔に出すはずだとも思っていた。しかし今はリアルラブドールの内臓で、それらは許されなかった。許されているとすれば快楽を受け入れ相手が性的欲求を満足させることだった。もちろんそれは、自分も快楽を貪れるから利益があることであった。

 実際、生身の場合は正直なところ女性として魅力はないと思っていた。奥手だし自分からどこかのレディコミの主人公のようにパートナーの男性にセックスしようと明るくねだることなど出来るはずなかった。こうしてリアルラブドールにでもなっていなければ男性経験なんて出来なかったと思っているぐらいだ。

 「ご主人様、いいですわ・・・」

 マリアンヌは甘い吐息を出していた。その声は人工発声器によるものであったが相手の男は注文を付けた。

 「行為の間はご主人様といわなくてもいいぞ、あいつのようにショーンといえばいい。少々手荒なことをするが感じてくれい」

 マリアンヌを統括する補助電脳のシステムは相手をショーンと呼ぶようにセットした。一方のマリアンヌの内臓は否応なく性的興奮が増していた。全身を人形の殻に覆われた彼女の役割は生身の女性と同じように対応する事であり、高性能AI搭載のラブドールには出来ない事をすることであった。要はハプニング的要素をすることだ。

 「わかりましたショーン、では・・・」

 そういって体位を変えようとしたらつまずいてしまい足がショーンの股間に当たってしまった。思っていたよりもイチモツは伸びていたようだ。

 「ご、ごめんなさい!」

 高性能AIと違いこういった過ちは起こり得るものだった。人形の殻を操作するのは内臓の意志だから。

 「いいんだよ、でもお仕置きしてやる!」

 そういってショーンはマリアンヌの両足を大きく開くとそのまま所ぶりつくように抱きついて来た。そしてマリアンヌの胸を揉み始めた。この胸は人形の表面で吸収された酸素をマリアンヌの内臓に酸素を供給する特殊な液体に送り込む器官が入っているので、あまり揉まれると息苦しく感じるのだ。それに細胞補正で本来の胸は圧縮気味になっているのでがん検診のマンモグラフィ検査のように痛く感じるのだ。だから・・・

 「ああん、たまんないわ!」

 その声は嬉しそうに聞こえるが、内臓は本当は苦しくってしかたないという叫びであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー

ジャン・幸田
キャラ文芸
 いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?  徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと

ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した! それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。 それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する! なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?  

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

処理中です...