2 / 19
(1)拉致編!
1-2
しおりを挟む
素体に選ばれた私はそれからあれよあれよのうちに・・・という話は置いといてとりあえず思い当たる事をいわなくては。
私は瀧本久美で16歳になったばっかりだった。ちなみに部活は帰宅部! 要はなんにもしていなかった。だって通学距離が長いので部活なんかしている間はなかった。だけど長い通学時間で暇にする事があった。電車を降りてバスを待つ時間だ。乗り継ぎが悪くていつも三十分ぐらい暇をしていた。駅前に商店はまばらであったけど目立つのがあった。それはゲームセンター「キャラメル・ママ」だった。
「キャラメル・ママ」の意味は・・・ここでは特に関係ないけど、とにかく古い時代のゲームばっかり置かれていて、人によっては「昭和の博物館」なんて馬鹿にするのもいた。しかし一時期であるが最新ゲーム機が置かれたことがあった。それはVR(バーシャル・リアリティ)戦闘マシン・鋼夜叉だった。
鋼夜叉はパワードスーツを装着して戦うという設定で、立体ゴーグルとグローブとブーツを装着して仮想現実の中でプレイするものだった。そのゲームは何故かワンプレイ20円という信じられない価格設定だったので、何度かしたことがあったけど結構ポイントは高かったと思うけど、私よりもうまいのはいた、いたはずだった、なのになぜ私だけが? 私は自分がハダカにされているのも忘れてその声の主に怒鳴った!
「スカウトマシーンってあの鋼夜叉のことなの?私よりも上手い人なんていっぱいいたんじゃないのよ!」
すると奥の方から声の主の影が近づいてきた。私は典型的な宇宙人、たとえば全身タイツを着たモジモジ君みたいなやつとか、目だけ異常に大きいグレイのような奴が出てくるかと思い身構えたけど、ハダカなのでアソコとオッパイだけは急いで手で隠した。すると目の前に現れたのは中年のおっさんだった。てっぺん近くまで禿げ頭を隠すように無理矢理くっつけたバーコード・ヘア。お腹がポッコリした太鼓腹でさえない容姿、あれは・・・キャラメル・ママの主人だった!
「それはなあ、君がピッタリという事なんだよ! 憧れたことは無いか? レオタードのようにぴったりとしたスーツを纏ってヒロインのように活躍するのを! その願望を叶えてやろうという訳なのさ、君!」
願望を叶えさせるといったって、だからといってハダカで拉致するのを正当化できるものじゃないじゃないのよ! だいたいあんたは何者よ! と怒鳴りたかったが、私の身体に何やらドキドキするものが芽生えていた。ピッタリとしたスーツを着たい! ではなく、恥ずかしいから何か着せてちょうだいよ!
「その前に何か着せてちょうだい! 本当に変態なんだからあんたら!」
「変態? まあ何とでもいいたまえ。どっちにしても君が地球人類の姿をしていられるのももうちょっとだけだからな。それまで自分の身体を見ておくんだな、実験体なんだから君は!」
「じ、実験体ってなんなのよ? あたいを解剖でもするというのよ? それだけはやめて殺さないで!」
「何も泣くことは無いさ。君はもうすぐ戦士に生まれ変わるんだから。そうしたら地球人類なんてつまらないものとおもうはずさ! そうだ、君が生まれ変わる姿を見たまえ!」
そういうとキャラメル・ママの親父の後ろから影が近づいてきた。それはトカゲともワニとも修羅ともつかない異形の存在だった。それは・・・鋼武者の敵役たちに酷似していた!
「な、なんなのよ、それって、化物!」
「化物とは失礼な、彼女らはさっき生まれ変わったばっかりの地球人類を素体にした女戦士なんだぞ! 君にもその姿になるんだからな!」
「なによ、それ、なんなのよ、それって、化物になれというの? それって?」
「まあ、おいおいわかることだから言うが、彼女らは戦士に生まれ変わるために生体装甲に包まれているんだよ!」
それが生体装甲というものを知ることになるきっかけであった。そしてそれが地球人女性として過ごした最後の時間であった。
私は瀧本久美で16歳になったばっかりだった。ちなみに部活は帰宅部! 要はなんにもしていなかった。だって通学距離が長いので部活なんかしている間はなかった。だけど長い通学時間で暇にする事があった。電車を降りてバスを待つ時間だ。乗り継ぎが悪くていつも三十分ぐらい暇をしていた。駅前に商店はまばらであったけど目立つのがあった。それはゲームセンター「キャラメル・ママ」だった。
「キャラメル・ママ」の意味は・・・ここでは特に関係ないけど、とにかく古い時代のゲームばっかり置かれていて、人によっては「昭和の博物館」なんて馬鹿にするのもいた。しかし一時期であるが最新ゲーム機が置かれたことがあった。それはVR(バーシャル・リアリティ)戦闘マシン・鋼夜叉だった。
鋼夜叉はパワードスーツを装着して戦うという設定で、立体ゴーグルとグローブとブーツを装着して仮想現実の中でプレイするものだった。そのゲームは何故かワンプレイ20円という信じられない価格設定だったので、何度かしたことがあったけど結構ポイントは高かったと思うけど、私よりもうまいのはいた、いたはずだった、なのになぜ私だけが? 私は自分がハダカにされているのも忘れてその声の主に怒鳴った!
「スカウトマシーンってあの鋼夜叉のことなの?私よりも上手い人なんていっぱいいたんじゃないのよ!」
すると奥の方から声の主の影が近づいてきた。私は典型的な宇宙人、たとえば全身タイツを着たモジモジ君みたいなやつとか、目だけ異常に大きいグレイのような奴が出てくるかと思い身構えたけど、ハダカなのでアソコとオッパイだけは急いで手で隠した。すると目の前に現れたのは中年のおっさんだった。てっぺん近くまで禿げ頭を隠すように無理矢理くっつけたバーコード・ヘア。お腹がポッコリした太鼓腹でさえない容姿、あれは・・・キャラメル・ママの主人だった!
「それはなあ、君がピッタリという事なんだよ! 憧れたことは無いか? レオタードのようにぴったりとしたスーツを纏ってヒロインのように活躍するのを! その願望を叶えてやろうという訳なのさ、君!」
願望を叶えさせるといったって、だからといってハダカで拉致するのを正当化できるものじゃないじゃないのよ! だいたいあんたは何者よ! と怒鳴りたかったが、私の身体に何やらドキドキするものが芽生えていた。ピッタリとしたスーツを着たい! ではなく、恥ずかしいから何か着せてちょうだいよ!
「その前に何か着せてちょうだい! 本当に変態なんだからあんたら!」
「変態? まあ何とでもいいたまえ。どっちにしても君が地球人類の姿をしていられるのももうちょっとだけだからな。それまで自分の身体を見ておくんだな、実験体なんだから君は!」
「じ、実験体ってなんなのよ? あたいを解剖でもするというのよ? それだけはやめて殺さないで!」
「何も泣くことは無いさ。君はもうすぐ戦士に生まれ変わるんだから。そうしたら地球人類なんてつまらないものとおもうはずさ! そうだ、君が生まれ変わる姿を見たまえ!」
そういうとキャラメル・ママの親父の後ろから影が近づいてきた。それはトカゲともワニとも修羅ともつかない異形の存在だった。それは・・・鋼武者の敵役たちに酷似していた!
「な、なんなのよ、それって、化物!」
「化物とは失礼な、彼女らはさっき生まれ変わったばっかりの地球人類を素体にした女戦士なんだぞ! 君にもその姿になるんだからな!」
「なによ、それ、なんなのよ、それって、化物になれというの? それって?」
「まあ、おいおいわかることだから言うが、彼女らは戦士に生まれ変わるために生体装甲に包まれているんだよ!」
それが生体装甲というものを知ることになるきっかけであった。そしてそれが地球人女性として過ごした最後の時間であった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー
ジャン・幸田
キャラ文芸
いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?
徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!
[R18] 父にだまされ人形娘にされた娘! 奈緒美からナオミに
ジャン・幸田
SF
引きこもりの娘だった大桃奈緒美は、父と二人だけの生活に厭き厭きしていた。そんな時、父に頼まれ肉体を人形化する人体実験の被験者になることに同意してしまった!
目的もよくわからないまま人形になった彼女に起こる度重なる事とはいったいなに?
また父が次々と女達を人形や機械などに改造する目的はなに?
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる