拉致されて生体装甲を纏わされた少女！

（４）演習編！

４－２

　宇宙船が何処かに向っているようだった。あっという間に太陽系が小さくなり中心にある太陽も無数にある恒星と同じようにしか見えなくなった。たぶん光の速さ以上の移動スピードを出しているようだった。そんなワープかリープかわからないけど超光速航法を実現した知的生命体がやっているのは、女の子を拉致して改造する事なんて、理解を超えた事だった。


　それから何時間経過した事だろうか。ある一点が大きくなってきてどこかの巨大なガス惑星が見えてきた。これは、自由浮遊惑星と呼ばれる恒星の公転軌道ではなく、宇宙を放浪している天体だった。そしてガス惑星を公転している全面が金属に覆われた、なんかの映画に出てきたような人工天体に着陸した。そして宇宙船から降ろされると、エレベーターに乗せられた。そして扉が開くと、あのアーケードゲームと同じ光景が見えてきた。

　そこは鋼夜叉のスタートステージの要塞で、主人公が人間だったと思い出して自由を求めて出発するというところだ。


　「諸君、ようこそ！　ここは君たちの惑星で鋼夜叉と呼んでいる空間を再現した惑星だ。ここではいくつかの星系文明が協力して建造したもので、君たちがいうところの闘技場みたいなものだ。ここで勝ち抜いたら元の姿に戻して返してやろう。そうそう、ある程度の損傷だったら修復可能だけど、あんまりひどいとダメだからね。幸運を祈る！」

　私達を連れてきた声はそういうと沈黙してしまった。ちょっと説明不足じゃないのよ！　そう憤っていたけど、どうする事もできなかった。とりあえずワンキューレの私は周囲を見回していた。それは他の二人も同じだった。