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第306話 機動戦士ガンダムSEED その6 イーゲルシュテルン、撃てぇ!編
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『SEED』語りも6回目、今回は脇役女性陣について語りたいと思います。今回のサブタイトルは、その中でも一番目立つマリュー・ラミアス艦長のセリフからいただきました。「イーゲルシュテルン」というのは、母艦アークエンジェルの近接対空兵装である七十五ミリバルカン砲の名前です。要するに、これ「弾幕薄いぞ、何やってんの!」に相当するセリフだという(笑)。
艦長が女性になるあたり、『SEED』ってのはやっぱり二十一世紀の作品なんですよね。ちなみに『スター・トレック』シリーズで女性艦長キャサリン・ジェインウェイが主役になった『ヴォイジャー』は1995年のスタートです。同年の『エヴァンゲリオン』では女性は戦術指揮官止まりでした。なお、『スター・トレック』シリーズでは1987年の『新スタートレック』(TNG)初期で既にレギュラーメンバーに女性戦術士官(保安主任)ターシャ・ヤーが存在しています。まあ、すぐ戦死しちゃうんですけど。このあたりの日米の年代の違いが面白いなあとか思ったり。
さて、その『エヴァ』で戦術指揮官葛城ミサトを演じた三石琴乃がマリューの中の人です(笑)。このあたり起用の意図は結構明白かなと(笑)。
ポジションとしては、初代『ガンダム』のブライト相当なんですが、マリューの場合はむしろミライさんのポジションも兼ねてるんですね。それで、憎まれ役の方は副長であるナタル・バジルールが担当することになります。ブライトさんの役割を分業してるんですね。
さて、アークエンジェル艦長になったマリューですが、実は元々は技術将校です。ガンダム開発に関係していた技術者だったんですよ。要するにテム・レイのお父ちゃんと同じポジションだったという……って、今確認のためにWiki見たら「アークエンジェル副長だった」って書いてったけど、そんな描写あったっけ!?
艦長以下の要員が戦死したので技術士官なのに艦長任されちゃったのかと思ってたんですが、元々からして副長だったんなら艦長戦死に伴って艦長代理を務めるのはむしろ当然のことです。その割には自信無さげな印象が強いんですが。
冷徹な軍人というよりは情に厚いタイプで、戦術指揮能力よりは人格的統率力で部下を率いていく系の艦長ですね。
性格的にはあまり戦闘向きでないキラを姉的な立場で励ましたり発破をかけたりしていましたが、同時に彼を戦わせることに対して葛藤も抱いていました。
最初は戦術指揮力は高くなかったものの、実戦を通じて揉まれるうちに能力が向上し、結局は最後までアークエンジェルを沈めずに生き残ったのですから、やはり有能な艦長と言えるでしょう。
なお、ものすごい巨乳なので、ネットでは名前のマリューとひっかけて「魔乳」なんて呼ばれてたりもします(笑)。
頼りになるプロ軍人でナチュラルのくせに優秀なパイロットであるムウ・ラ・フラガと恋仲になりますが、最終決戦で彼がアークエンジェルの盾になって戦死するという悲劇を味わうことになります……が、これが続編『DESTINY』でひっくり返っちゃうんですよねえ……。
さて、そのマリューの戦術指揮能力の低さを補っていたのが、副長のナタルです。彼女も元は一介の少尉だったのですが、上級士官戦死に伴って副長に昇格したという。
若い割に戦術指揮能力は非常に的確で、マリューが不慣れな部分を見事に補っていました。また、常に冷静冷徹な軍人気質で上層部からの命令には忠実なタイプです。そのため情に流されやすいマリューと対立しがちでしたし、キラたちにも高圧的な感じでしたが、これはむしろマリューの足りない部分を補っていたというべきでしょう。
そして、ナタルは途中でアークエンジェルから転任することになります。転任した先が、何とアークエンジェルの二番艦であるドミニオンの艦長という。そして与えられた任務が地球連合軍から離反したアークエンジェルの追撃だったんですね。
ここで自分も艦長になったナタルは見事な指揮でアークエンジェルを追い詰めるのですが、すぐ隣に余計な口出しをする無能な上司ムルタ・アズラエルが同乗してる上に、部下のパイロットは狂化人間ばかり(笑)という有様で、本人的には真面目に戦ってるのに結果には恵まれませんでした。
※うっかりムルタをムスタと書いていました。どっかでムスカとハイブリッドしてしまったようです(爆)。狼煙様、ご指摘ありがとうございました。
ただ、この頃には既にアークエンジェルで一緒に戦った仲間たちとの間に情が生まれていたので、任務とはいえアークエンジェルと戦うことに忸怩たる思いがあったことは作中で描写されていました。
最後はバカ上司ムルタこそ諸悪の根源だと確信し、その命令に反して部下に戦闘放棄と退艦命令を出します。それでムルタに銃で撃たれるんですが、最後はそのムルタを道連れにしてアークエンジェルの主砲ローエングリンで撃たれて爆沈するドミニオンと運命を共にしました。
キャラ的には初代ガンダムの頃のブライトと同じで視聴者のヘイトを買う嫌われ役なんですが、むしろそこから敵に回ったことで、かえって有能さと、本当は情もあるけどそれ以上に真面目だった性格が浮き彫りになり、非常に味のあるキャラになったんですね。本作登場の女性キャラの中で一番マトモな性格なんじゃないかという説には頷けるものがあります。
なお、中の人は桑島法子で、あの『ナデシコ』のキャピルン艦長ミスマル・ユリカと同一人物とは思えない演技を披露しています(笑)。ちなみに、前話で紹介したフレイ・アルスターと二役で、全然違う上に両方とも視聴者からヘイトを買う役柄の難しいキャラをしっかりと演じ分けてるあたり、最初はアイドル的な人気を得たものの、本質的には実力派なんですよね。
今回の最後に紹介するのは、アークエンジェルの管制官ミリアリア・ハウです。元はキラたちと同じ学生でしたが、志願してブリッジクルーになりました。
キャラ的には、本作に登場する女性キャラの中で「一番普通の少女」です。元々から同級生のトール・ケーニヒと恋仲だったのですが、そのトールがスカイグラスパーのパイロットになって、アスランに撃たれて戦死してしまいます。そのときには錯乱してしまい、アークエンジェルの捕虜になったザフト士官ディアッカ・エルスマンを殺そうとするのですが、同じことをフレイがしようとしたのを見て正気に返り、かえって止める立場に回ります。
そのせいでディアッカの方から意識されて、彼がザフトを抜けてアークエンジェルと行動を共にするようになるとアプローチを受けるようになります。最初は受け入れなかったものの、しばらくするとまんざらでもなさそうな様子も垣間見えたのですが、結局続編『DESTINY』では振っていたようです(笑)。
色々な意味で非常にバランスが良いタイプで、見ていて一番「ああ、普通だなあ」と思える子でした。ぶっちゃけ、本作登場女性キャラの中で、恋人とか嫁にするならこの子が一番安心できるだろうと(笑)。
とまあ、このように見てくると、やっぱりアクの強いヒロインズに比べて、今回紹介した脇を締める女性陣の方が魅力的なんですよねえ(笑)。
次回は男性陣について語りたいと思います。
艦長が女性になるあたり、『SEED』ってのはやっぱり二十一世紀の作品なんですよね。ちなみに『スター・トレック』シリーズで女性艦長キャサリン・ジェインウェイが主役になった『ヴォイジャー』は1995年のスタートです。同年の『エヴァンゲリオン』では女性は戦術指揮官止まりでした。なお、『スター・トレック』シリーズでは1987年の『新スタートレック』(TNG)初期で既にレギュラーメンバーに女性戦術士官(保安主任)ターシャ・ヤーが存在しています。まあ、すぐ戦死しちゃうんですけど。このあたりの日米の年代の違いが面白いなあとか思ったり。
さて、その『エヴァ』で戦術指揮官葛城ミサトを演じた三石琴乃がマリューの中の人です(笑)。このあたり起用の意図は結構明白かなと(笑)。
ポジションとしては、初代『ガンダム』のブライト相当なんですが、マリューの場合はむしろミライさんのポジションも兼ねてるんですね。それで、憎まれ役の方は副長であるナタル・バジルールが担当することになります。ブライトさんの役割を分業してるんですね。
さて、アークエンジェル艦長になったマリューですが、実は元々は技術将校です。ガンダム開発に関係していた技術者だったんですよ。要するにテム・レイのお父ちゃんと同じポジションだったという……って、今確認のためにWiki見たら「アークエンジェル副長だった」って書いてったけど、そんな描写あったっけ!?
艦長以下の要員が戦死したので技術士官なのに艦長任されちゃったのかと思ってたんですが、元々からして副長だったんなら艦長戦死に伴って艦長代理を務めるのはむしろ当然のことです。その割には自信無さげな印象が強いんですが。
冷徹な軍人というよりは情に厚いタイプで、戦術指揮能力よりは人格的統率力で部下を率いていく系の艦長ですね。
性格的にはあまり戦闘向きでないキラを姉的な立場で励ましたり発破をかけたりしていましたが、同時に彼を戦わせることに対して葛藤も抱いていました。
最初は戦術指揮力は高くなかったものの、実戦を通じて揉まれるうちに能力が向上し、結局は最後までアークエンジェルを沈めずに生き残ったのですから、やはり有能な艦長と言えるでしょう。
なお、ものすごい巨乳なので、ネットでは名前のマリューとひっかけて「魔乳」なんて呼ばれてたりもします(笑)。
頼りになるプロ軍人でナチュラルのくせに優秀なパイロットであるムウ・ラ・フラガと恋仲になりますが、最終決戦で彼がアークエンジェルの盾になって戦死するという悲劇を味わうことになります……が、これが続編『DESTINY』でひっくり返っちゃうんですよねえ……。
さて、そのマリューの戦術指揮能力の低さを補っていたのが、副長のナタルです。彼女も元は一介の少尉だったのですが、上級士官戦死に伴って副長に昇格したという。
若い割に戦術指揮能力は非常に的確で、マリューが不慣れな部分を見事に補っていました。また、常に冷静冷徹な軍人気質で上層部からの命令には忠実なタイプです。そのため情に流されやすいマリューと対立しがちでしたし、キラたちにも高圧的な感じでしたが、これはむしろマリューの足りない部分を補っていたというべきでしょう。
そして、ナタルは途中でアークエンジェルから転任することになります。転任した先が、何とアークエンジェルの二番艦であるドミニオンの艦長という。そして与えられた任務が地球連合軍から離反したアークエンジェルの追撃だったんですね。
ここで自分も艦長になったナタルは見事な指揮でアークエンジェルを追い詰めるのですが、すぐ隣に余計な口出しをする無能な上司ムルタ・アズラエルが同乗してる上に、部下のパイロットは狂化人間ばかり(笑)という有様で、本人的には真面目に戦ってるのに結果には恵まれませんでした。
※うっかりムルタをムスタと書いていました。どっかでムスカとハイブリッドしてしまったようです(爆)。狼煙様、ご指摘ありがとうございました。
ただ、この頃には既にアークエンジェルで一緒に戦った仲間たちとの間に情が生まれていたので、任務とはいえアークエンジェルと戦うことに忸怩たる思いがあったことは作中で描写されていました。
最後はバカ上司ムルタこそ諸悪の根源だと確信し、その命令に反して部下に戦闘放棄と退艦命令を出します。それでムルタに銃で撃たれるんですが、最後はそのムルタを道連れにしてアークエンジェルの主砲ローエングリンで撃たれて爆沈するドミニオンと運命を共にしました。
キャラ的には初代ガンダムの頃のブライトと同じで視聴者のヘイトを買う嫌われ役なんですが、むしろそこから敵に回ったことで、かえって有能さと、本当は情もあるけどそれ以上に真面目だった性格が浮き彫りになり、非常に味のあるキャラになったんですね。本作登場の女性キャラの中で一番マトモな性格なんじゃないかという説には頷けるものがあります。
なお、中の人は桑島法子で、あの『ナデシコ』のキャピルン艦長ミスマル・ユリカと同一人物とは思えない演技を披露しています(笑)。ちなみに、前話で紹介したフレイ・アルスターと二役で、全然違う上に両方とも視聴者からヘイトを買う役柄の難しいキャラをしっかりと演じ分けてるあたり、最初はアイドル的な人気を得たものの、本質的には実力派なんですよね。
今回の最後に紹介するのは、アークエンジェルの管制官ミリアリア・ハウです。元はキラたちと同じ学生でしたが、志願してブリッジクルーになりました。
キャラ的には、本作に登場する女性キャラの中で「一番普通の少女」です。元々から同級生のトール・ケーニヒと恋仲だったのですが、そのトールがスカイグラスパーのパイロットになって、アスランに撃たれて戦死してしまいます。そのときには錯乱してしまい、アークエンジェルの捕虜になったザフト士官ディアッカ・エルスマンを殺そうとするのですが、同じことをフレイがしようとしたのを見て正気に返り、かえって止める立場に回ります。
そのせいでディアッカの方から意識されて、彼がザフトを抜けてアークエンジェルと行動を共にするようになるとアプローチを受けるようになります。最初は受け入れなかったものの、しばらくするとまんざらでもなさそうな様子も垣間見えたのですが、結局続編『DESTINY』では振っていたようです(笑)。
色々な意味で非常にバランスが良いタイプで、見ていて一番「ああ、普通だなあ」と思える子でした。ぶっちゃけ、本作登場女性キャラの中で、恋人とか嫁にするならこの子が一番安心できるだろうと(笑)。
とまあ、このように見てくると、やっぱりアクの強いヒロインズに比べて、今回紹介した脇を締める女性陣の方が魅力的なんですよねえ(笑)。
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