燃えよ、ロボ魂!!

結城藍人

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第270話 ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー その3 悪者は意味もなく笑いながら登場するものだ!編

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 ビーストウォーズ語りも3回目、デストロン側メンバーについて語りたいと思います。なので、サブタイトルはデストロン総帥メガトロンの初登場時の台詞からいただきました。

 そのメガトロンですが、初代メガトロン様を「ご先祖様」と読んでいたことは先に書きました。肩書きも初代と同じ「破壊大帝」です。しかし、性格の方は大違いだったり(笑)。

 サブタイにいただいた初登場時のセリフだけで、どんな性格か分かろうというものです(笑)。「ヌワーッハッハッハハッハ、悪者は意味も無く笑いながら登場するものだ! 俺様がデストロンの破壊大帝メガトロン様だ!!」と自己紹介しながら現れるんですね。これ聞いただけで『ビーストウォーズ』がどんな展開になるのか理解できてしまうという(笑)。

 声優は「アドリブの帝王」千葉繁です。ロボ的には『ダグラム』のジョルジュや『ボトムズ』のバニラ、それに何と言っても本人がモデルになった『パトレイバー』のシバシゲオですが、一般的には『北斗の拳』の雑魚とかナレーションで有名かなと。元来アドリブの多い人なのですが、本作では大爆発を起こしております(笑)。

 もともと声が甲高い上にアドリブでギャグを入れまくるので、威厳なんてものは欠片も無いあたりは初代メガトロン様と大違いなのですが、何気に狡猾残忍冷酷と悪ボスに必要な属性はコンプリートしていたりします。おバカなことをやってるように見えて、実は結構頭が良かったりするんですね。

 ティラノサウルスに変身します。戦闘能力も高いんですね。

 ただ、やっぱり作中ではアドリブギャグが一番印象に残るという。フリーダムなアドリブが多い本作でも、一番フリーダムだったのは、やっぱりこの人でしたねえ。

 そのメガトロンの下で副司令官をやっているのがサソリに変身する「スコルポス」です……が、こいつ印象が薄いんですよ。オラオラ言ってる印象しか残ってないという。

 声優は遠藤雅で、アニメ声優ではなく俳優ですね。Wiki見ても、アニメ声優としての出演はこのスコルポスと、あと別のトランスフォーマーに一作出ているだけみたいです。

 デストロンの副司令官というと、スタースクリームの伝統からか下克上を狙うタイプが想像されるのですが、こいつはむしろサイクロナス系の忠実な副司令官でしたね。

 スタースクリームの伝統に忠実だったのは、むしろプテラノドンに変身する「テラザウラー」の方でした。一度はメガトロンを倒してデストロンの総帥になります。ただ、やっぱり最後はメガトロンに逆襲されて元の黙阿弥になるという(笑)。ダイノボットみたいにサイバトロンに寝返る根性は無かったようです。

 声優は飛田展男で、言わずと知れたカミーユ・ビダンです。本作では、ほかにサイバトロンのコンピューターの声も演じています。この人も結構アドリブをやっていたのですが、一番凄いのは実は『メタルス』でやっているので、それについては『メタルス』のときに書きます。

 こいつ、プテラノドンのくせに「カアー」とかカラスみたいな鳴き声を出すんですね(笑)。本作のデストロンは空を飛べるメンバーが少ないので、貴重な航空戦力ではありました。

 空を飛べるもうひとりのキャラが蜂に変身する「ワスピータ」です。こいつは口癖が「ブーン」でした。

 声優は加藤賢崇ですが、この人も本業は俳優やミュージシャンで、声優としての仕事は少ないようです。

 こいつは、やられキャラだった印象があります。しょっちゅう撃墜されては逃げ帰っていたような。ただ、しぶとさも人一倍あったという印象ですね。

 それから、露骨に反逆はしないけど腹に一物ありそうだったのが、クモに変身する「タランス」です。悪の博士系のキャラでしたね。

 声優は、リアルタイム当時は長島雄一と名乗っていた現チョーさんです。さまざまな作品に出ているのですが、ロボ系だと脇役が多くてレギュラーで印象に残るキャラは思い出せません。NHKの子供番組『いないいないばあっ!』の「ワンワン」の中の人として有名ですが、これ声優だけじゃなくて着ぐるみも着ているんですよね。

 サイバトロンのプロトフォームを改造してデストロン側の追加戦士に仕立て上げていました。女戦士「ブラックウィドー」をジョロウグモに変身するようにしたのは、こいつの趣味でしょう。

 そのブラックウィドーは、よく「シャー」とか威嚇する強気系の女戦士でした。

 声優はリアルタイム当時は女優兼グラドルだった永椎あゆ美で、本作が声優デビュー作だったのですが、のちに柚木涼香に芸名を変えて声優として大活躍しています。ブラックウィドーの前から「ナビ子ちゃん」というデストロン側コンピューターの声を演じていました。声優デビュー作で二役とか難しいことやってる上に、周囲はベテランばかりでアドリブ連発とか、もの凄い作品でデビューしてるんですねえ。もっとも、この現場で鍛えられたら、そりゃ後に声優として活躍できるようになるだろうって気はしますが(笑)。

 元サイバトロンだったせいか、続編の『メタルス』では、かなり複雑な動きをすることになりますが、本作ではデストロン追加戦士として戦っています。

 最後の追加戦士がアリに変身する「インフェルノ」です。こいつもサイバトロンのプロトフォームからの改造組です。口癖はアリさんらしく「ごっつんこー!」でした(笑)。

 声優は三木眞一郎で、ロボ的には『エスカフローネ』や『超者ライディーン』に出ているみたいなんですが、どちらも未見なんですよね。のちには『地球防衛企業ダイ・ガード』とか『銀装騎攻オーディアン』とかにも出ています。それから『ガンダムOO』のロックオン・ストラトスも演じています。

 アリだったせいか命令に忠実なヤツという印象が強く残っています。あと、今回ググってみたら、初代『トランスフォーマー』で消防車に変形するサイバトロン戦士の画像も一緒に出てきたので、初めてこいつは初代に同じ名前のキャラが居るということに気付きました(笑)。全然印象が違うキャラなんで気付きませんでしたよ。

 といったところで、デストロン組は総ざらえしました。次回は、強烈な印象を残したゲストキャラと、主題歌などについて語ってから総評をして締めたいと思います。
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