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第257話 勇者王ガオガイガー その8 その名は撃龍神編
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「君たちに最新情報を公開しよう!」
ガガガ語りも8回目、味方ロボだけでこんなに語るのは珍しいのですが、それだけ個性的なロボが多いということかなと思います。今回は「風龍」「雷龍」「撃龍神」について語りたいので、サブタイトルは第36話のサブタイをいただきました。これ、超竜神登場回である第6話のサブタイと対になっているんですね。
さて、この風龍や雷龍は、氷竜や炎竜の準同型機になります。ボディ部分の基本的な形や変形パターンは同じです。左右合体のシンメトリカルドッキングをして撃龍神になることも共通しています。ただ、装備とカラーリングが異なっており、風龍はコンクリートミキサー車に変形する関係でミキサー型の攻撃ポッド「攪転槽」を装備していて、緑色です。その攪転槽から圧縮空気弾を発射する「風導弾」が得意技を持ちます。雷龍はダンプトラックに変形するので荷台状の「電磁架台」という電磁シールド兼飛行ボードを装備していて、黄色です。腕先から電撃を放って攻撃します。
こいつらは、風龍が氷竜をモデルに、雷龍が炎竜をモデルにしてAIが作成されています。なお、炎竜がモデルのせいか、雷龍も着地失敗バンクシーンがあります(笑)。ただ、こいつらの場合、性格はモデルより攻撃的で、かつ上官の命令には忠実になっています。
これは、開発が中国GGG支部によるものだからです。今から二十一年前の1997年当時、中国は改革開放路線を成功させ、まさに新興工業国として世界の檜舞台に躍り出た頃でした。その一方で、89年の天安門事件からは八年しか経っておらず、91年のソ連崩壊以降、ほぼ唯一残った共産主義の大国として、その強権イメージはぬぐわれていませんでした。それらが組み合わさっての、中国製勇者ロボという描写になったのかと思われます。名前の漢字が「竜」ではなく「龍」なのも中国を意識してのネーミングでしょう。技名なども基本的に中国語になっています。
このため、最初は「人々を救う」ことよりも「敵を殲滅する」ことが上位命令とされており、氷竜や炎竜と対立することがありました。しかし、敵ゾンダーとの戦いの中で、氷竜や炎竜が人々を救おうとする姿や、自分たちをかばって傷つく姿を見るうちに感化され、自分たちの考え方を変えていき、のちには「人命尊重が最優先」「敵の殲滅より人命尊重」などと言うようになります。
合体後の撃龍神は「双頭龍」という必殺技を持っています。両腕から龍の形の風と雷のエネルギーを放って攻撃する技なのですが、これは何と敵ゾンダーロボを破壊して、ゾンダー核を抜き出すことが可能という。それまでGGG所属ロボの中ではガオガイガーしかできなかったことができるんですね。
性格的な面などは感化されて変わりましたが、基本的な設計思想からして戦闘用の装備が多く、サポートタイプだった超竜神とは、準同型機ではあっても用途が違う感じになります。
そして、準同型機で基本設計が同じであることから、何と風龍が炎竜と、雷龍が氷竜とシンメトリカルドッキングできるんですね。
これ、プログラムはされていなかったはずなのですが、例によって「それが勇者だからだ」と勇気で何とかしてしまったという(笑)。もっとも、例の木星謎パワー「ザ・パワー」の影響があったという理由付けはされているほか、後付で「秘匿プログラムがあった」という設定も追加されたようなのですが。
雷龍と氷竜が合体したのが「幻竜神」で冷気と雷を合体させた「サンダーブリザード」という必殺技を持ちます。風龍と炎竜が合体したのが「強龍神」で龍の姿をした炎と風のエネルギーによる必殺技「バーニングハリケーン」を放つことができます。
このように、準同型機であるため入れ替え合体ができるんですね。
さて、この準同型機という設定は「勇者シリーズ」では珍しいのですが、実のところ「トランスフォーマー」どころか「ダイアクロン」までさかのぼると、全然珍しくないんですね。同型のボディをベースに、色違いだったり、微妙に翼の形が違っていたり、変形後がパトカーや救急車仕様のロボが別物として多数存在しているという。
玩具的に言えば、同じ金型で作る部品パーツを流用して違う商品を作ることができるわけで、なかなか「美味しい」ロボになるわけです。
そうした「大人の事情」的な要素を作品の中に取り込むというのは、こうした巨大ロボットアニメでは当然求められる配慮であるわけなのですが、それを熱い物語に仕立て上げてしまうところが、本作の優れたところではないかと思えるわけです。
なお、前に書いた超竜神の特攻ですが、この撃龍神が登場してから二話後の話なんですね。結構露骨な「大人の事情による商品入れ替えのためのロボ交代」パターンに当てはまってしまうという(笑)。それが逆に、リアルタイムで見てたら「これ本当に死んだかも」と思わせていたんじゃないかと思ったりして、「上手いなあ」と思うんですよね(笑)。まあ、実際はすぐに戻ってきてしまうわけですが(笑)。
さて、次回は残った最後の「味方ロボ」である「キングジェイダー」について語りたいと思います。ということで……。
「次回も、このサイトでファイナルフュージョン承認!」
「これが勝利の鍵だ!」 → キングジェイダー
ガガガ語りも8回目、味方ロボだけでこんなに語るのは珍しいのですが、それだけ個性的なロボが多いということかなと思います。今回は「風龍」「雷龍」「撃龍神」について語りたいので、サブタイトルは第36話のサブタイをいただきました。これ、超竜神登場回である第6話のサブタイと対になっているんですね。
さて、この風龍や雷龍は、氷竜や炎竜の準同型機になります。ボディ部分の基本的な形や変形パターンは同じです。左右合体のシンメトリカルドッキングをして撃龍神になることも共通しています。ただ、装備とカラーリングが異なっており、風龍はコンクリートミキサー車に変形する関係でミキサー型の攻撃ポッド「攪転槽」を装備していて、緑色です。その攪転槽から圧縮空気弾を発射する「風導弾」が得意技を持ちます。雷龍はダンプトラックに変形するので荷台状の「電磁架台」という電磁シールド兼飛行ボードを装備していて、黄色です。腕先から電撃を放って攻撃します。
こいつらは、風龍が氷竜をモデルに、雷龍が炎竜をモデルにしてAIが作成されています。なお、炎竜がモデルのせいか、雷龍も着地失敗バンクシーンがあります(笑)。ただ、こいつらの場合、性格はモデルより攻撃的で、かつ上官の命令には忠実になっています。
これは、開発が中国GGG支部によるものだからです。今から二十一年前の1997年当時、中国は改革開放路線を成功させ、まさに新興工業国として世界の檜舞台に躍り出た頃でした。その一方で、89年の天安門事件からは八年しか経っておらず、91年のソ連崩壊以降、ほぼ唯一残った共産主義の大国として、その強権イメージはぬぐわれていませんでした。それらが組み合わさっての、中国製勇者ロボという描写になったのかと思われます。名前の漢字が「竜」ではなく「龍」なのも中国を意識してのネーミングでしょう。技名なども基本的に中国語になっています。
このため、最初は「人々を救う」ことよりも「敵を殲滅する」ことが上位命令とされており、氷竜や炎竜と対立することがありました。しかし、敵ゾンダーとの戦いの中で、氷竜や炎竜が人々を救おうとする姿や、自分たちをかばって傷つく姿を見るうちに感化され、自分たちの考え方を変えていき、のちには「人命尊重が最優先」「敵の殲滅より人命尊重」などと言うようになります。
合体後の撃龍神は「双頭龍」という必殺技を持っています。両腕から龍の形の風と雷のエネルギーを放って攻撃する技なのですが、これは何と敵ゾンダーロボを破壊して、ゾンダー核を抜き出すことが可能という。それまでGGG所属ロボの中ではガオガイガーしかできなかったことができるんですね。
性格的な面などは感化されて変わりましたが、基本的な設計思想からして戦闘用の装備が多く、サポートタイプだった超竜神とは、準同型機ではあっても用途が違う感じになります。
そして、準同型機で基本設計が同じであることから、何と風龍が炎竜と、雷龍が氷竜とシンメトリカルドッキングできるんですね。
これ、プログラムはされていなかったはずなのですが、例によって「それが勇者だからだ」と勇気で何とかしてしまったという(笑)。もっとも、例の木星謎パワー「ザ・パワー」の影響があったという理由付けはされているほか、後付で「秘匿プログラムがあった」という設定も追加されたようなのですが。
雷龍と氷竜が合体したのが「幻竜神」で冷気と雷を合体させた「サンダーブリザード」という必殺技を持ちます。風龍と炎竜が合体したのが「強龍神」で龍の姿をした炎と風のエネルギーによる必殺技「バーニングハリケーン」を放つことができます。
このように、準同型機であるため入れ替え合体ができるんですね。
さて、この準同型機という設定は「勇者シリーズ」では珍しいのですが、実のところ「トランスフォーマー」どころか「ダイアクロン」までさかのぼると、全然珍しくないんですね。同型のボディをベースに、色違いだったり、微妙に翼の形が違っていたり、変形後がパトカーや救急車仕様のロボが別物として多数存在しているという。
玩具的に言えば、同じ金型で作る部品パーツを流用して違う商品を作ることができるわけで、なかなか「美味しい」ロボになるわけです。
そうした「大人の事情」的な要素を作品の中に取り込むというのは、こうした巨大ロボットアニメでは当然求められる配慮であるわけなのですが、それを熱い物語に仕立て上げてしまうところが、本作の優れたところではないかと思えるわけです。
なお、前に書いた超竜神の特攻ですが、この撃龍神が登場してから二話後の話なんですね。結構露骨な「大人の事情による商品入れ替えのためのロボ交代」パターンに当てはまってしまうという(笑)。それが逆に、リアルタイムで見てたら「これ本当に死んだかも」と思わせていたんじゃないかと思ったりして、「上手いなあ」と思うんですよね(笑)。まあ、実際はすぐに戻ってきてしまうわけですが(笑)。
さて、次回は残った最後の「味方ロボ」である「キングジェイダー」について語りたいと思います。ということで……。
「次回も、このサイトでファイナルフュージョン承認!」
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