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第81話 巨神ゴーグ(1984年)
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さて、「問題作」サザンクロスの次は、「名作」の呼び声も高い『巨神ゴーグ』です。ただ、こいつ視聴率的にも関連商品売り上げ的にも高かったと聞いたことはございません。にも関わらず「名作」と呼ばれるのは、ひとえにそのクオリティが異常に高かったからだという。
こいつについては、リアルタイムで途中から見ました。再放送などで見たことは無く、私がやっていた当時のスパロボにも出ていません。こいつもタカラ系ですから。もっとも、こいつは携帯機のスパロボに登場しているようです。
本当は、本作の方がサザンクロスよりも、わずかながら先に放送を開始しています。にもかかわらず、こいつを後にしたのは、見始めたのが明確にあとだからです。
私がこいつを見始めたのは、アニメ誌でそのクオリティが高く評価されていたからなんです。正直、安彦良和のキャラデザはともかく、ロボについて言えば全然魅力的に見えなかったんで最初はパスしていました。しかし「凄い」「面白い」という評価だったので、見始めたのです。
見てみて驚愕しました。何しろ、巨大ロボットアニメとしての「お約束」を何ひとつとして行ってないんです。
ゴーグは古代に地球に飛来した異星人が作った巨大ロボです。そして、自分の意志があります。それだけならゴールドライタンだって大巨人だって居ました。でも、意志を疎通できるのは主人公である田神悠于に対してだけ。大鉄人17かい!?
そしてこいつ、武器がありません。ときどき、味方に手持ちの大砲を作ってもらったり、敵からビーム銃を奪ったりしますが、すぐに使い捨てにします。鉄人28号やゴールドライタン並みに素手格闘派です。ただし、必殺技なんて持ってません。得意技は「岩石を投げる」(笑)。後年のスパロボでも、これが攻撃武器のひとつとしてメニューに入っていましたね。
さらに恐ろしいことに、変形や合体をしないどころか、空まで飛べません。後年の『OUT』で「鉄人28号以来の最無装備ロボ」となったことを「偉業」と評されていました(笑)。
何で「偉業」なのか。前にも書きましたが、「変形合体シーン」や「必殺技」というのは、使い回しができるバンクシーンなんです。作画の手間が不要。その分数だけ尺を稼げるんです。それをまったくやっていない。
そう、こいつは「手抜き」をしてないんです。
しかも、それを非常に高い作画レベルでやっているという。なぜか。
監督の安彦良和が全二十六話中二十三話の作画監督を務めてるんです。残り三話も実力者の土器手司がやってる。これ、「ニコニコ大百科」だと二十四話って書いてありましたが、Wikiによると二十三話ですね。
そして、ストーリーもしっかり作り込まれていて、まったく無理がない。納得のいく展開なんです。そして、面白かった。
脚本家見て納得しました。大ベテランで、のちに小説家に転向する(というか、この頃すでにコバルト文庫とかソノラマ文庫でノベライズを手がけている)辻真先と、その弟子筋の塚本裕美子じゃないですか。塚本は本作のノベライズも手がけているみたいですね。読んでませんけど(爆)。
こいつは、さまざまな事情があって、放送開始時にすでにほぼ全話ができあがっていた(最終回を作っていた)という制作スケジュールのため、無理や破綻がまったく無いのですよ。
だから、放送開始と同時にビデオが発売されています。当時は前代未聞どころか、今でもほかにそんな話は聞いたことがありません。
これ、本当に作られたことが何かの奇跡としか思えない作品なんですよ。
んで、Wikiでは「売れるコンセプトが見つからないから時間が欲しい、とスポンサーに言われた」とか書いてあり、ニコニコ大百科では「玩具を売るためのロボットアニメ的要素がまったく無い」とまで書かれている作品だったりするんですが、その割には関連玩具が結構出てたことが記憶にあったり。
まず、主人公ロボのゴーグですが、プラ製で関節だけ金属化してる玩具が出てまして、弟が買って持ってました。全身バラバラ状態で箱に入っていて、それ関節ジョイントで結合して作るという感じの半完成品みたいなのでしたね。大きなサイズの完成品も出てたみたいですが、そっちは印象に残っていません。
あと、「チョロQゴーグ」ってのが出てました。タカラの人気商品チョロQの関連ですね。ロボから走行形態に変形するという。これは印象には残ってるんですが、持ってなかったなあ。書き忘れてましたがダグラムやボトムズでも出ていて、ダグラムじゃ『チョロQダグラム』なんて映画にもなっていましたが、未見です(笑)。
ほかに、悠于たちが乗る装甲車の玩具も出てましたね。買いませんでしたけど。
そして、プラモも出ていました。買いました。ゴーグを買って作って、ちゃんと色塗ったおぼえがあります。面相筆とか使えないんで、たぶん細いマジックで筋部分とか目とか細かい部分を塗ったんじゃないかと。できはかなり良くて、全身可動して壊れにくかった記憶があります。もっとも、こいつには壊れやすそうな細いパーツとかありませんが(笑)。
さらに、ライバルキャラの「マノンタイプ」も買ったおぼえがあります。こっちは色塗らないで素組みだけだったような記憶があります。箱に「ドークスガーディアン レベル23」って書いてあったのが記憶にあるなあ。敵として出てくるロボって、こいつと、こいつをヘボくしたような量産型ロボしかないです。それ以外は戦闘ヘリとか戦車とかの現用兵器っぽいのしか敵として出てこないという。
こいつ、スペックといい、容姿といい、明らかにスーパーロボなんですけど、戦闘描写のリアルさで言うとリアルロボに分類したかったり(笑)。
いろいろ面白かったという記憶はあるのですが、何しろリアルタイムで見てただけなので、記憶からは相当に抜け落ちてます。基本はアウストラル島という謎の島で古代に作られた異星人の遺跡の秘密を探るって話で、そこにライバル格で出てくるのが巨大企業の御曹司ロッドです。いろいろあって冷凍睡眠から目覚めた異星人の代表マノンを怒らせてしまったため、最終的には敵味方ともども「異星人の遺跡なんてヤバいもんは消す」という世界各国の思惑によって核ミサイルで島ごと吹き飛ばされそうになるという。その世界各国の首脳にテレビ電話をかけるシーンで、一瞬だけ放送当時の首相だった中曽根康弘氏っぽい顔が出てくるというギャグが妙に印象に残っていたり(笑)。
※ここ、投稿時に誤って中曽根康弘氏を故人扱いにしておりました。大変失礼いたしました。ご指摘いただいたワンナイト様、ありがとうございました。
結局、異星人の技術で核ミサイルからは守られ、悠于が異星人の血を引いているということがわかったマノンは、人類への報復をやめて島を海中に没させて再び歴史の闇に消えていきます……ゴーグと共に。
オープニング主題歌は、英語が多くて歌いにくいという難点はこの時代の流行に乗っているのですが、歌っている内容はまさに作品のテーマそのものであり名曲です。また、エンディングテーマも非常に名曲です。どっちもカセットやCDは持ってませんでしたが、テレビからライン入力で父親のステレオカセットレコーダーに録音したカセットを何度も繰り返し聞いてたなあ(笑)。
確かに、ゴーグが巨大ロボとして戦闘するような活躍シーンは少ないのですが、断じて「ロボいらね」な話ではないところが『巨神ゴーグ』の優れたところです。何より、それだけ「地味」な話なのに、全然つまらないと思わなかったストーリーや演出はさすが安彦良和と言えるでしょう。やはり、名作と呼ばれるのにふさわしい作品ではないかと思います。
こいつについては、リアルタイムで途中から見ました。再放送などで見たことは無く、私がやっていた当時のスパロボにも出ていません。こいつもタカラ系ですから。もっとも、こいつは携帯機のスパロボに登場しているようです。
本当は、本作の方がサザンクロスよりも、わずかながら先に放送を開始しています。にもかかわらず、こいつを後にしたのは、見始めたのが明確にあとだからです。
私がこいつを見始めたのは、アニメ誌でそのクオリティが高く評価されていたからなんです。正直、安彦良和のキャラデザはともかく、ロボについて言えば全然魅力的に見えなかったんで最初はパスしていました。しかし「凄い」「面白い」という評価だったので、見始めたのです。
見てみて驚愕しました。何しろ、巨大ロボットアニメとしての「お約束」を何ひとつとして行ってないんです。
ゴーグは古代に地球に飛来した異星人が作った巨大ロボです。そして、自分の意志があります。それだけならゴールドライタンだって大巨人だって居ました。でも、意志を疎通できるのは主人公である田神悠于に対してだけ。大鉄人17かい!?
そしてこいつ、武器がありません。ときどき、味方に手持ちの大砲を作ってもらったり、敵からビーム銃を奪ったりしますが、すぐに使い捨てにします。鉄人28号やゴールドライタン並みに素手格闘派です。ただし、必殺技なんて持ってません。得意技は「岩石を投げる」(笑)。後年のスパロボでも、これが攻撃武器のひとつとしてメニューに入っていましたね。
さらに恐ろしいことに、変形や合体をしないどころか、空まで飛べません。後年の『OUT』で「鉄人28号以来の最無装備ロボ」となったことを「偉業」と評されていました(笑)。
何で「偉業」なのか。前にも書きましたが、「変形合体シーン」や「必殺技」というのは、使い回しができるバンクシーンなんです。作画の手間が不要。その分数だけ尺を稼げるんです。それをまったくやっていない。
そう、こいつは「手抜き」をしてないんです。
しかも、それを非常に高い作画レベルでやっているという。なぜか。
監督の安彦良和が全二十六話中二十三話の作画監督を務めてるんです。残り三話も実力者の土器手司がやってる。これ、「ニコニコ大百科」だと二十四話って書いてありましたが、Wikiによると二十三話ですね。
そして、ストーリーもしっかり作り込まれていて、まったく無理がない。納得のいく展開なんです。そして、面白かった。
脚本家見て納得しました。大ベテランで、のちに小説家に転向する(というか、この頃すでにコバルト文庫とかソノラマ文庫でノベライズを手がけている)辻真先と、その弟子筋の塚本裕美子じゃないですか。塚本は本作のノベライズも手がけているみたいですね。読んでませんけど(爆)。
こいつは、さまざまな事情があって、放送開始時にすでにほぼ全話ができあがっていた(最終回を作っていた)という制作スケジュールのため、無理や破綻がまったく無いのですよ。
だから、放送開始と同時にビデオが発売されています。当時は前代未聞どころか、今でもほかにそんな話は聞いたことがありません。
これ、本当に作られたことが何かの奇跡としか思えない作品なんですよ。
んで、Wikiでは「売れるコンセプトが見つからないから時間が欲しい、とスポンサーに言われた」とか書いてあり、ニコニコ大百科では「玩具を売るためのロボットアニメ的要素がまったく無い」とまで書かれている作品だったりするんですが、その割には関連玩具が結構出てたことが記憶にあったり。
まず、主人公ロボのゴーグですが、プラ製で関節だけ金属化してる玩具が出てまして、弟が買って持ってました。全身バラバラ状態で箱に入っていて、それ関節ジョイントで結合して作るという感じの半完成品みたいなのでしたね。大きなサイズの完成品も出てたみたいですが、そっちは印象に残っていません。
あと、「チョロQゴーグ」ってのが出てました。タカラの人気商品チョロQの関連ですね。ロボから走行形態に変形するという。これは印象には残ってるんですが、持ってなかったなあ。書き忘れてましたがダグラムやボトムズでも出ていて、ダグラムじゃ『チョロQダグラム』なんて映画にもなっていましたが、未見です(笑)。
ほかに、悠于たちが乗る装甲車の玩具も出てましたね。買いませんでしたけど。
そして、プラモも出ていました。買いました。ゴーグを買って作って、ちゃんと色塗ったおぼえがあります。面相筆とか使えないんで、たぶん細いマジックで筋部分とか目とか細かい部分を塗ったんじゃないかと。できはかなり良くて、全身可動して壊れにくかった記憶があります。もっとも、こいつには壊れやすそうな細いパーツとかありませんが(笑)。
さらに、ライバルキャラの「マノンタイプ」も買ったおぼえがあります。こっちは色塗らないで素組みだけだったような記憶があります。箱に「ドークスガーディアン レベル23」って書いてあったのが記憶にあるなあ。敵として出てくるロボって、こいつと、こいつをヘボくしたような量産型ロボしかないです。それ以外は戦闘ヘリとか戦車とかの現用兵器っぽいのしか敵として出てこないという。
こいつ、スペックといい、容姿といい、明らかにスーパーロボなんですけど、戦闘描写のリアルさで言うとリアルロボに分類したかったり(笑)。
いろいろ面白かったという記憶はあるのですが、何しろリアルタイムで見てただけなので、記憶からは相当に抜け落ちてます。基本はアウストラル島という謎の島で古代に作られた異星人の遺跡の秘密を探るって話で、そこにライバル格で出てくるのが巨大企業の御曹司ロッドです。いろいろあって冷凍睡眠から目覚めた異星人の代表マノンを怒らせてしまったため、最終的には敵味方ともども「異星人の遺跡なんてヤバいもんは消す」という世界各国の思惑によって核ミサイルで島ごと吹き飛ばされそうになるという。その世界各国の首脳にテレビ電話をかけるシーンで、一瞬だけ放送当時の首相だった中曽根康弘氏っぽい顔が出てくるというギャグが妙に印象に残っていたり(笑)。
※ここ、投稿時に誤って中曽根康弘氏を故人扱いにしておりました。大変失礼いたしました。ご指摘いただいたワンナイト様、ありがとうございました。
結局、異星人の技術で核ミサイルからは守られ、悠于が異星人の血を引いているということがわかったマノンは、人類への報復をやめて島を海中に没させて再び歴史の闇に消えていきます……ゴーグと共に。
オープニング主題歌は、英語が多くて歌いにくいという難点はこの時代の流行に乗っているのですが、歌っている内容はまさに作品のテーマそのものであり名曲です。また、エンディングテーマも非常に名曲です。どっちもカセットやCDは持ってませんでしたが、テレビからライン入力で父親のステレオカセットレコーダーに録音したカセットを何度も繰り返し聞いてたなあ(笑)。
確かに、ゴーグが巨大ロボとして戦闘するような活躍シーンは少ないのですが、断じて「ロボいらね」な話ではないところが『巨神ゴーグ』の優れたところです。何より、それだけ「地味」な話なのに、全然つまらないと思わなかったストーリーや演出はさすが安彦良和と言えるでしょう。やはり、名作と呼ばれるのにふさわしい作品ではないかと思います。
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