燃えよ、ロボ魂!!

結城藍人

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第78話 重戦機エルガイム(1984-85年)

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 さて、いよいよ84年に突入です。この年が、どうして私にとって「運命の」年になったかについては、次のサザンクロスの回で説明します。が、その前に、この年最初の巨大ロボットアニメであるエルガイムから行きましょう。

 こいつについては、リアルタイムでは第1話を見て切りました。この理由が、自分でもまったく定かではないんです。なぜなら、ダンバインのようにロボのデザインやキャラデザが肌に合わなかったということは、まったく無かったからです。こいつについても、後年CSの再放送で全話視聴した……はずです。自信が無いのは、それなのに印象が非常に薄いから。一応、ザブングルを見返す前に見てるはずなんですよ。ザブングルにギャブレット・ギャブレイって女性キャラが出てきて驚いたおぼえがあるんで。ただ、リアルタイム時でも本作のライバルキャラであるギャブレット・ギャブレー(男性)の名前は二次資料で読んで知ってたからなあ。

 なお、渡邊わたなべ由自ゆうじが書いた小説版とかも読んでいません。そのかわりリアルタイム当時からアニメ誌などの二次資料では結構読んでいて、それでストーリーラインとかは知っていました。また、スパロボは「第四次S」から始めたのでエルガイムはレギュラーです。結構使っています。なので、スパロボの印象が一番強いということになっています。このあたり、ダンバインとよく似ています。

 似て非なるのは、再放送で見たあとの感想なんです。正直に言って、ダンバインほど面白くなかった。だから、記憶が薄いんだと思います。

 これが謎なんですよ。スタッフで言えば、明らかに「好き」なメンバーが揃ってるんです。永野ながのまもるについては、キャラデザは明らかに湖川友兼より好みで、ロボも決して嫌いじゃない。渡邊由自に至っては、小説家に転向したあとのソノラマ文庫の初期作『魔聖界ロード』シリーズ、『クレイジー・リー』シリーズと、その続編の『ダーティ・プリンス』シリーズあたりは全部買ってたという、どちらかというとファンな方。なのに、なぜかエルガイムは「嫌いじゃないのに面白くない」んです。不思議不思議。

 ロボで言えば、むしろ同時代的に見ても、のちにスパロボで見ても、カッコ良いんですよ。スポンサーが完全にバンダイになって、「ハイコンプリートモデル」という超合金とは別の、どっちかというと「最初から完成しているプラモ」みたいなコンセプトの玩具が出てたんですが、これがカッコ良かった。また、プラモのできもかなり良かったんです。バスターランチャーとかを接続する線がゴム製とかで、かなりリアルだったという。そう、見てなかったのに弟がプラモ買ってたんですよ。それだけでも、カッコ良かったことがわかるんです。

 やっぱり、エルガイムで何が斬新だったかって、ロボに「内骨格」を持たせた点でしょう。基本的に、それまでのロボって完全に「外骨格」系なんです。外部装甲がそのまま機体を支える骨格を担っていた。バルキリーでさえも、この枠から外れてないんです。

 ところが、エルガイムは「ムーバル・フレーム」という内骨格の上に装甲をかぶせるというコンセプトのデザインなんです。なので、装甲が開く。これが、画期的かつ斬新だったんですね。このコンセプトは、次作にしてガンダムの続編である『Zガンダム』でも「ムーバブル・フレーム」(英語のスペルは同じで、より英語的な読み方に修正された)として踏襲されました。

 また、リアルロボとしても画期的なことがありました。バスターランチャーの装備です。かなり重火力のビーム砲で、事実上必殺武器として使用されています。つまり、リアルロボなのに必殺技があるんですよ。

 これ、前作ダンバインでも「オーラ切り」みたいな必殺技はありましたが、これは乗ってる人間のオーラちからに依存するんで、文字通り「必殺技」でロボ側の機能装備という感じではありませんでした。

 それに対して、バスターランチャーは作中の優秀なロボなら搭載可能な武器だったんです。このため、スパロボに参戦していても、かなり火力的に優秀で、遠距離攻撃力は非常に高かったという。この点、ガンダム系の機体はスパロボだとバスターランチャーと同系統の重火力ビームを搭載している『Zガンダム』以降の機体以外は、攻撃力面でどうしても非力だったという。

 そして、ヘビーメタル(以下HMと略記)と呼ばれる本作のロボの特徴としては、明確に等級があるということです。古代文明の遺産である「オリジナル」と、それをかなり忠実にコピーした「A級」というのがあって、これは作中でも「貴重」かつ「高性能」扱いでした。それに対して「B級」という量産機があるんです。

 ただ、Wikiを読んだところ、その下にさらに「マシンナリィ」というのもあると書いてあったんですが、記憶に無いんですよね。

 主人公機のエルガイムや、乗り換え主人公機のエルガイムMK-Ⅱは「A級」という設定になっており、作中設定でも「強い」ということが明らかになっているという。この設定によって、主人公機であるエルガイムなどは「B級」以下の雑魚が相手なら無双してもOKなんですよ。そして、敵として「A級」の高性能HMが出てきたら苦戦してもいいという。

 つまりリアルロボでありながら、作中で敵にメリハリをつけることができ、雑魚相手ならスーパー系の活躍をさせられるという。ガンダムだと超高性能機ということで実現していた無双を、無理なく演じさせられるんですね。これは上手い設定だと思いました。

 といったところで、時間切れ。次回に続きます。しかし、本作についてはキャラやストーリーだけで二千字書く自信は無いぞ……どうしよう?(爆)
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