燃えよ、ロボ魂!!

結城藍人

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第51話 六神合体ゴッドマーズ その3 うらぎり者ロゼ!編

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 なんと予想以上に書くことが多くて3回目に突入してしまったゴッドマーズ語りでございます。今回のサブタイトルは、第22話のサブタイをいただきました。ヒロイン語り回なので。

 本作のメインヒロイン「ロゼ」については、前に書いた2015年5月19日の活動報告で熱くかたってしまったので、そちらをコピペして、修正と追記をしています。

 このロゼなのですが、最初は悪役として登場します。だって、どう考えてもタケルの兄であるマーグを洗脳している張本人としか思えない登場の仕方をしてるんですもの。初登場の時は「ああ、こいつを殺してマーグが正気に戻るんだな」と思ったモンです。実際、設定上は洗脳を強化してたみたいですし。

 それが、話が進むにつれて「あれ、これもしかしてミーアやカザリーン(美形悪役に惚れている女副官)のポジション?」と変わり、さらにはマーグが死んでも生き残った時点で「ああ『イセリナ、恋のあと』(美形悪役の恋人が復讐戦を挑んで返り討ちにあう)をやるのね」と思っていたのですが……。

 一発死しないで何度もタケルに戦いを挑んでいるうちに、実はギシン星に征服された植民星の出身だっただの、ギシン星に対してレジスタンスをやっている妹が出てくるだの、どんどん設定が積み重なっていき、とうとう第一部のヒロインポジションに上り詰めてしまったという。

 で、第二部ではそもそもヒロインポジションのフローレが徹頭徹尾マーズとは「友情」「同志」でしかないという、ある意味それでいいのかというヒロインだったりします。名前もCSで再放送見るまでずーっと「フローラ」だと思ってたし。というか、この頃(2015年)に『コブラ』のムックを読んだらレディ役の榊原良子のインタビューがあって、フローレが初レギュラーでその次がレディだったという事が書かれていたのですが、そこですら「フローラ」と書かれていたという(笑)。でも、後の榊原良子のイメージと全然合ってない「けなげ」系キャラなんですよね。いやまあ、有名声優の中には『ガンダムW』のリリーナとクレヨンしんちゃんを演じ分けていたような人もいますが(笑)。閑話休題。

 そして第三部になると、完全にロゼの独壇場。第一部ではあんなに雑魚だったはず(何しろタケルとゴッドマーズにボロ負けしまくり)なのに、第三部じゃあマーグが憑依ひょういしたとはいえ、等身大でお助けキャラやって無双しまくりですよ。敵だったときより味方になったあとの方が強いという常識外れをやらかしてます。ポジションも最初っからヒロイン扱いで、最終決戦にも同行するし、最後もタケルと一緒に旅立つし。

 なお、藤川桂介のコバルト文庫小説版だとさらに凄くて、ナミダ少年に「新婚旅行だね」とまで言われる始末。

 普通ならヒロイン扱いになるはずのレギュラー女性キャラで、コスモクラッシャー隊員のミカが全然そういう扱いにならず、誘拐されたりするようなヒロイン業務はタケルの義母がやってしまったという状況で、結局ヒロインの座を奪ったのが途中出場で第二部にはいなかったロゼというすさまじさ。

 私の中では『地獄先生ぬーべー』のゆきめさん(単話ゲスト → 準レギュラーのかませヒロイン → レギュラーの準ヒロイン → 初期ヒロイン蹴落として主人公と相思相愛になる → 最終回で主人公と結婚)と並ぶ史上最強の下克上ヒロインです。

 そういうワケで、巨大ロボアニメのヒロインとしては、一二を争うほどのお気に入りキャラだったりします。

 元々が敵キャラだったので、強気かつ凜々りりしいタイプ。それでいて仕えるマーグに対しては健気けなげ。のちに恋愛感情を抱くタケルに対しても健気。タケルと戦い、敗れ、そこで見逃されて悩み、さらにはギシン星に抵抗しているレジスタンス戦士である妹との再会などを通して人間的にも成長していって、キャラとしての厚みがどんどん出てきたという。

 キャラデザ的にも、緑髪に青目というなかなか破格な扱い(昔のアニメキャラは塗りを少なくするため髪色と目の色は同じになることが多かった)にミニスカワンピースとなかなか魅力的でした。

 そして、声優は鵜飼「フラウ・ボゥ」るみ子!

 実は、このロゼの前に、一度ゲストキャラ役で鵜飼るみ子は出演しています。それがギシン星の女工作員役なんですが、これが一回で使い捨てにするには惜しいくらいの美少女キャラという(笑)。それで、CS再放送を見たときに「勿体ない使い方するなあ。声も良かったし、声優誰だろ?」と思ってキャスト見たら何と鵜飼るみ子だったんで「ああ、これロゼのテストケース、あるいは後日レギュラー起用する含みでのゲスト起用だったのか」と思い至りました(笑)。Wikiで確認したら第10話のバレンというキャラですね。

 このロゼ、ググってみると「評判が悪い」と出てきて驚いたのですが、よく読んで見ると「マーグが死んだ原因」として腐女子のお姉様方に嫌われていたんですね(笑)。

 前にバルディオスの回で書いたように、私の処女作『ブレバティ』のヒロインであるフィーアにはアフロディアが投影されてるんですが、それ以上にロゼの影響の方が大きかったりします。そのため、最初は敵として出てきた上に主人公にボコボコに叩きのめされる――もちろん、生身じゃなくて乗ってるロボがですよ(笑)――という。

 ああ、やっぱりヒロイン語りだけで3回目も終わってしまった。まだまだ書くこといっぱいあるのに。次回もゴッドマーズ、続きます。
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