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第三章
お前のおかげだ①
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遥斗先輩の絵が大きな展覧会で入賞した。
たまに芸能人が入選したと話題になるくらいの、私でも知っている展覧会。
入選ではなくて、新人賞というすごい賞で、それを叔父さんに言ったら、興奮していた。
「あの展覧会は入選は割とあることだが、新人賞はすごいな。しかも、初めてのエントリーだろ?」
「うん、出品料が高すぎて、今までエントリーできなかったんだって。それの補助が出るというので、今年初めて出品してみたって言ってた」
「本当に快挙なんだぞ? これまでの受賞歴もなかなかのものだが、これでさらに箔が付いたな」
私はサイトを作るときに聞いた先輩の受賞歴を叔父さんに伝えていた。手作りサイトのページも見てもらって、叔父さんも一定の評価をしているみたいだった。
「叔父さんのギャラリーに置けそう?」
「うーん、そうだな。青田買いには最適だが、そもそも遥斗くんはそれを望んでいるのか?」
「前に話したときには、相応しい絵があればって言ってた」
今まで言葉を濁すだけの叔父さんの初めての前向きの言葉に色めき立つ。
「一度、遥斗くんと直接話してもいいか? 絵も見たいし」
「もちろん! いつにする?」
「その前にちゃんと遥斗くんと話すんだぞ? あと誰か大人がいた方がいいな」
「わかってるよー。しっかり遥斗先輩の意見を聞いてみる。勝手に暴走しない。大人は……和田先生に頼んでみる!」
叔父さんの話をぴょんぴょんしながら、遥斗先輩に伝えた。
落ちつけと、腕の中に囲われた。
「それは有り難い話だが、お前、無理に売り込んでいないだろうな?」
「それは大丈夫です。叔父さんも商売人だから、今まで私がなにを言ってもはぐらかされていたし」
「つまり、売り込んでいたんだな?」
ハァと先輩が溜め息をつく。
「でも、先輩と話したいって言い出したのは叔父さんなんですよ?」
「それだったら、俺はぜひ話を聞きたい」
「大人も同席してって言ってたから、和田先生に頼もうと思うんです」
「優……それは俺から頼むから」
あ……、また私は余計なおせっかいをするところだった。
しょぼんとして反省していると、ふいに口づけられた。
「ありがとな、優。すごくうれしいよ」
うれしくて抱きつくと、ペリッと身体を剥がされた。
たまに芸能人が入選したと話題になるくらいの、私でも知っている展覧会。
入選ではなくて、新人賞というすごい賞で、それを叔父さんに言ったら、興奮していた。
「あの展覧会は入選は割とあることだが、新人賞はすごいな。しかも、初めてのエントリーだろ?」
「うん、出品料が高すぎて、今までエントリーできなかったんだって。それの補助が出るというので、今年初めて出品してみたって言ってた」
「本当に快挙なんだぞ? これまでの受賞歴もなかなかのものだが、これでさらに箔が付いたな」
私はサイトを作るときに聞いた先輩の受賞歴を叔父さんに伝えていた。手作りサイトのページも見てもらって、叔父さんも一定の評価をしているみたいだった。
「叔父さんのギャラリーに置けそう?」
「うーん、そうだな。青田買いには最適だが、そもそも遥斗くんはそれを望んでいるのか?」
「前に話したときには、相応しい絵があればって言ってた」
今まで言葉を濁すだけの叔父さんの初めての前向きの言葉に色めき立つ。
「一度、遥斗くんと直接話してもいいか? 絵も見たいし」
「もちろん! いつにする?」
「その前にちゃんと遥斗くんと話すんだぞ? あと誰か大人がいた方がいいな」
「わかってるよー。しっかり遥斗先輩の意見を聞いてみる。勝手に暴走しない。大人は……和田先生に頼んでみる!」
叔父さんの話をぴょんぴょんしながら、遥斗先輩に伝えた。
落ちつけと、腕の中に囲われた。
「それは有り難い話だが、お前、無理に売り込んでいないだろうな?」
「それは大丈夫です。叔父さんも商売人だから、今まで私がなにを言ってもはぐらかされていたし」
「つまり、売り込んでいたんだな?」
ハァと先輩が溜め息をつく。
「でも、先輩と話したいって言い出したのは叔父さんなんですよ?」
「それだったら、俺はぜひ話を聞きたい」
「大人も同席してって言ってたから、和田先生に頼もうと思うんです」
「優……それは俺から頼むから」
あ……、また私は余計なおせっかいをするところだった。
しょぼんとして反省していると、ふいに口づけられた。
「ありがとな、優。すごくうれしいよ」
うれしくて抱きつくと、ペリッと身体を剥がされた。
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