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第三章
幸せな時間①
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ルンルンとスキップしたいようなふわふわした気分で家に帰る。
自分の部屋でにやける顔を覆う。
遥斗先輩、好き。好き。好き!
抱きしめられちゃった……!
ジタバタ悶える。
泣いてた私を慰めようとしてくれただけだと思うけど、うれしい。うれしくて顔が緩むのが止められない。
先輩が優しかった。
しかも、明日も来ていいなんて!
明日はなにを持っていこうかなぁ。
意外と遥斗先輩って甘党だから、ホットケーキとか作っていこうかな?
ハチミツとフルーツを添えて。
自分では絶対作らないだろうし。
記事作りを手伝ってくれるというのも本当に助かる。
ひとりではいいのか悪いのか判断つかないし。
遥斗先輩は文章が上手なのは知っている。あの絵の紹介文はなかなか書けないと思う。
悩んでいた問題が一気に解決して、力が抜けて、バタンとベッドに倒れ込む。
本当によかったぁ。
菜摘ちゃんに感謝だなぁ。
翌日、部室に行くと焼きたてのホットケーキを出して、バターを乗っけて、遥斗先輩を急かして座らせる。
「あったかいうちに食べましょうよ!」
まだホカホカしているホットケーキの上でジュワ~とバターが溶けていって、おいしそう。
その上にメープルシロップを垂らす。
「いただきまーす」
「いただきます。ホットケーキなんてあまり食べたことないな」
「じゃあ、バターだけとか、メープルシロップかけてとか、フルーツと一緒にとかいろんな味わい方をしてみてください」
「あぁ」
先輩は素直にバターだけのものを一口食べて、気に入ったようで、顔が緩んだ。
次にメープルシロップをかけたものを口に入れると、目を細めた。
なんかかわいい……。
バナナやイチゴとも一緒に食べていたけど、やっぱりメープルシロップが一番気に入ったようで全体にメープルシロップをかけた。
先輩の好きなものが増えていって、うれしい。
最初は好き嫌いはないって言っていたのに、こんなに好きがわかるようになった。
私が見ているのに気づいて、先輩は照れてそっぽを向いた。
やっぱりかわいい……。
食後は、先輩にアドバイスをもらいながら、記事の文を考える。
サッカー部で聞いてきた話を書き出せと言われて、箇条書きにする。
なるほど、こうすると、話題が選びやすい。
「先輩、やっぱり頭いいんですねー」
「なんだそれ」
「森さんが、先輩は授業に出てないのに成績いいって言ってました」
「その森ってやつはちょいちょい出てくるな」
「野球部の人でお兄ちゃんの友達なんです」
「あぁ、野球部の……」
「知ってるんですか?」
「いや……」
先輩はあいまいな反応をした。
なんだろう?
そう思ったけど、文を書けと促されて画面に戻って考える。
唸りながらなんとか書いて、先輩に添削してもらって、記事が完成した。
「できた! 先輩、ありがとうございます!」
すごくいいものができた!……気がする。
明日、坂本先輩に見てもらおう。
気がつくと、もうお昼過ぎだった。
自分の部屋でにやける顔を覆う。
遥斗先輩、好き。好き。好き!
抱きしめられちゃった……!
ジタバタ悶える。
泣いてた私を慰めようとしてくれただけだと思うけど、うれしい。うれしくて顔が緩むのが止められない。
先輩が優しかった。
しかも、明日も来ていいなんて!
明日はなにを持っていこうかなぁ。
意外と遥斗先輩って甘党だから、ホットケーキとか作っていこうかな?
ハチミツとフルーツを添えて。
自分では絶対作らないだろうし。
記事作りを手伝ってくれるというのも本当に助かる。
ひとりではいいのか悪いのか判断つかないし。
遥斗先輩は文章が上手なのは知っている。あの絵の紹介文はなかなか書けないと思う。
悩んでいた問題が一気に解決して、力が抜けて、バタンとベッドに倒れ込む。
本当によかったぁ。
菜摘ちゃんに感謝だなぁ。
翌日、部室に行くと焼きたてのホットケーキを出して、バターを乗っけて、遥斗先輩を急かして座らせる。
「あったかいうちに食べましょうよ!」
まだホカホカしているホットケーキの上でジュワ~とバターが溶けていって、おいしそう。
その上にメープルシロップを垂らす。
「いただきまーす」
「いただきます。ホットケーキなんてあまり食べたことないな」
「じゃあ、バターだけとか、メープルシロップかけてとか、フルーツと一緒にとかいろんな味わい方をしてみてください」
「あぁ」
先輩は素直にバターだけのものを一口食べて、気に入ったようで、顔が緩んだ。
次にメープルシロップをかけたものを口に入れると、目を細めた。
なんかかわいい……。
バナナやイチゴとも一緒に食べていたけど、やっぱりメープルシロップが一番気に入ったようで全体にメープルシロップをかけた。
先輩の好きなものが増えていって、うれしい。
最初は好き嫌いはないって言っていたのに、こんなに好きがわかるようになった。
私が見ているのに気づいて、先輩は照れてそっぽを向いた。
やっぱりかわいい……。
食後は、先輩にアドバイスをもらいながら、記事の文を考える。
サッカー部で聞いてきた話を書き出せと言われて、箇条書きにする。
なるほど、こうすると、話題が選びやすい。
「先輩、やっぱり頭いいんですねー」
「なんだそれ」
「森さんが、先輩は授業に出てないのに成績いいって言ってました」
「その森ってやつはちょいちょい出てくるな」
「野球部の人でお兄ちゃんの友達なんです」
「あぁ、野球部の……」
「知ってるんですか?」
「いや……」
先輩はあいまいな反応をした。
なんだろう?
そう思ったけど、文を書けと促されて画面に戻って考える。
唸りながらなんとか書いて、先輩に添削してもらって、記事が完成した。
「できた! 先輩、ありがとうございます!」
すごくいいものができた!……気がする。
明日、坂本先輩に見てもらおう。
気がつくと、もうお昼過ぎだった。
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