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第一章 ― 優 ―
おせっかいは迷惑なものです①
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翌日は土曜日だったけど、私はいつもの時間に起きて、お弁当を作った。
いつもの重箱弁当ではなく、使い捨て容器に入れる。
「お母さん、古いポットってまだ捨ててない?」
「うん、物置にあるんじゃないかしら?」
「壊れてなかったよね? 古いだけで」
「そうね。古いからお湯が沸くのに時間がかかるから買い替えたの」
「じゃあ、部室に持っていっていい? このカップスープの素と」
「いいわよ」
ポットを探し出して洗って紙袋に入れる。
そして、食パンを切って、卵液に浸ける。フレンチトーストを作るのだ。
浸している間に、ベーコンとブロッコリーを炒めて、つけあわせを作る。
フライパンにバターをたっぷり敷いて、パンを焼くといい匂いが立ちこめた。
それをまた容器に入れると、自転車で学校に向かった。
トントン
「おはようございまーす!」
一応ノックして、ドアを開けると、いつも通り遥斗先輩が絵を描いていた。
でも、私が来るとは思っていなかったみたいで、振り向いて目を見開いていた。
「……どうしたんだ? 忘れ物か?」
「ふふっ、いろいろいいもの持ってきました!」
私は荷物を置くと、キョロキョロとコンセントを探した。
「ここ以外にコンセントってないですか?」
「こっちにあるが……」
パソコンと反対側を指して、遥斗先輩が教えてくれる。
あ、本当だ。
ポットをコンセントに繋いで、ポットに水を入れてお湯を沸かす。
お湯を沸かしている間に、隅っこに寄せてあった机と椅子を2個ずつ引っ張り出す。
「なにをするんだ?」と言いながら、遥斗先輩が手伝ってくれる。
机を向かい合わせに並べると、その上にランチョンマットを敷いた。
紙コップにスープの素を入れるとちょうどお湯が沸いた。スープを作って、紙皿の上にフレンチトーストとカリカリベーコンとブロッコリーを乗せると立派な朝食のできあがり。
「遥斗先輩、朝ご飯食べましょう」
そう言うと、先輩はゆっくり瞬いた。
「ほら、座ってください。温かいうちに食べましょ?」
家から熱々を持ってきたから、フレンチトーストからはまだ湯気が出ている。
先輩を強引に座らせて、「いただきまーす」と手を合わせる。
「あ、ハチミツも持ってきたから、よかったら使ってください」
私はフレンチトーストにたっぷりハチミツをかけて、頬張る。
「うー、我ながらおいしい!」
私に促されて、先輩もようやくフォークに手を伸ばす。
一口食べて「うまい」と言ってくれた。
「ハチミツをかけたフレンチトーストとベーコンを一緒に食べると、甘じょぱくって好きなんです」
先輩もハチミツをかけて、おすすめ通りベーコンと一緒に食べた。
「なるほどうまいな」
目を細めた先輩に、「でしょでしょ!」と微笑む。
共感が得られるとうれしい。
遥斗先輩がおいしいものでお腹いっぱいになってくれるとうれしい。
でも、先輩はぺろりと食べてしまった。
「足りなかったですか?」
心配になって聞くと、「いや、十分だ」と微笑んだ。
いつもの重箱弁当ではなく、使い捨て容器に入れる。
「お母さん、古いポットってまだ捨ててない?」
「うん、物置にあるんじゃないかしら?」
「壊れてなかったよね? 古いだけで」
「そうね。古いからお湯が沸くのに時間がかかるから買い替えたの」
「じゃあ、部室に持っていっていい? このカップスープの素と」
「いいわよ」
ポットを探し出して洗って紙袋に入れる。
そして、食パンを切って、卵液に浸ける。フレンチトーストを作るのだ。
浸している間に、ベーコンとブロッコリーを炒めて、つけあわせを作る。
フライパンにバターをたっぷり敷いて、パンを焼くといい匂いが立ちこめた。
それをまた容器に入れると、自転車で学校に向かった。
トントン
「おはようございまーす!」
一応ノックして、ドアを開けると、いつも通り遥斗先輩が絵を描いていた。
でも、私が来るとは思っていなかったみたいで、振り向いて目を見開いていた。
「……どうしたんだ? 忘れ物か?」
「ふふっ、いろいろいいもの持ってきました!」
私は荷物を置くと、キョロキョロとコンセントを探した。
「ここ以外にコンセントってないですか?」
「こっちにあるが……」
パソコンと反対側を指して、遥斗先輩が教えてくれる。
あ、本当だ。
ポットをコンセントに繋いで、ポットに水を入れてお湯を沸かす。
お湯を沸かしている間に、隅っこに寄せてあった机と椅子を2個ずつ引っ張り出す。
「なにをするんだ?」と言いながら、遥斗先輩が手伝ってくれる。
机を向かい合わせに並べると、その上にランチョンマットを敷いた。
紙コップにスープの素を入れるとちょうどお湯が沸いた。スープを作って、紙皿の上にフレンチトーストとカリカリベーコンとブロッコリーを乗せると立派な朝食のできあがり。
「遥斗先輩、朝ご飯食べましょう」
そう言うと、先輩はゆっくり瞬いた。
「ほら、座ってください。温かいうちに食べましょ?」
家から熱々を持ってきたから、フレンチトーストからはまだ湯気が出ている。
先輩を強引に座らせて、「いただきまーす」と手を合わせる。
「あ、ハチミツも持ってきたから、よかったら使ってください」
私はフレンチトーストにたっぷりハチミツをかけて、頬張る。
「うー、我ながらおいしい!」
私に促されて、先輩もようやくフォークに手を伸ばす。
一口食べて「うまい」と言ってくれた。
「ハチミツをかけたフレンチトーストとベーコンを一緒に食べると、甘じょぱくって好きなんです」
先輩もハチミツをかけて、おすすめ通りベーコンと一緒に食べた。
「なるほどうまいな」
目を細めた先輩に、「でしょでしょ!」と微笑む。
共感が得られるとうれしい。
遥斗先輩がおいしいものでお腹いっぱいになってくれるとうれしい。
でも、先輩はぺろりと食べてしまった。
「足りなかったですか?」
心配になって聞くと、「いや、十分だ」と微笑んだ。
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