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【番外編】
初めてのお給金
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サアラが働き始めてから一ヶ月経った。
今日は初めてお給金がもらえる日だ。
自分で稼いだお金で、レクルムにプレゼントを買おうと思って、サアラはウキウキしていた。
今日も張り切ってサアラは働く。
顔見知りのお客さんもできてきて、毎日が楽しかった。
もともと人懐こいたちだったサアラにとって、接客は向いていた。
「サアラちゃん」
まだ終わるにはだいぶ早い時間に、店主のセイレンがサアラを呼んだ。
「一ヶ月お疲れさま。お給金だよ」
「ありがとうございます!」
うれしそうに受け取るサアラに、セイレンは目を細め、彼女を褒めた。
「サアラちゃんがよく働いてくれるから、お客さんも増えて、助かるよ。パメラさんに頼まれて雇って正解だったね」
「パメラさんが?」
「そうだよ。知らなかったのかい?」
「はい。そうだったんですね。お礼を言っとかなきゃ」
そう言って、サアラは微笑んだが、なんだか胸がモヤモヤした。
(レクルムはパメラさんに相談してたんだ……)
考えてみたら、レクルムだって、この街に馴染みはいないのだから、取引相手のパメラに相談するのは自然なことだ。
そう思うのに、モヤモヤはサアラの心の中でくすぶり続けた。
「今日はもうあがっていいよ」
「え、いいんですか?」
「初めての給料を使いたいだろ?」
セイレンが片目をつぶると、サアラは飛び上がるようにお礼を言った。
「あ、ありがとうございます!」
モヤモヤのことは一旦忘れて、鼻歌でも歌いそうな勢いで、サアラは道を急いだ。
レクルムが迎えに来るまでに、買っておきたいものがあったのだ。
そこは、レクルムと通りかかった宝飾店。
サアラはお昼休みにたまに通っていたので、馴染みの道筋だ。
「こんにちは~」
「いらっしゃい。めずらしいね、この時間に来るなんて」
すっかり顔馴染みになった店主に挨拶して、店に入ると、いつもと違う時間に来たサアラに彼は驚いた顔をした。
「あの、取っておいてもらってたイヤーカフを買いたくて」
「お給金が出たんだね。よかったね」
「取り置きしてもらって、ありがとうございます」
「いやぁ、あんなに惚れ込んでもらえたら、職人冥利に尽きるよ」
店主が棚から箱を出して、商品を確認させてくれる。
サアラの瞳と同じ暁色の石が一粒嵌ったシンプルなイヤーカフ。
『やっと迎えに来てくれたんだね~』
『うれしい! もう棚の中は嫌よ?』
左右のイヤーカフがそれぞれに声をあげた。
サアラがこの店の露台に置いてあったペンダントを改めて見に来たら、女性ものだった。
がっかりする彼女にペンダントが教えてくれた。
『私と同じ石なら、中にもあるわよ』
そう言われて勇気を出して、中に入ってみたところ、このイヤーカフを発見したのだ。
サアラは一目で気に入ってしまって、買うならこれがいいと思った。
そして、売れてしまわないか心配で、毎日見に来ていたサアラに、店主が声をかけて、お金ができるまで、取っておいてくれたのだった。
支払いをして、きれいにラッピングしてもらうと、胸をときめかせながら、大事に箱を持って、サアラは店を出た。
(レクルムは喜んでくれるかなぁ)
彼が迎えに来る服屋に戻ろうとしたとき、道の先の方に、当の本人とパメラが並んで歩いてくるのを発見した。
二人は仲良く話し込んでいて、サアラに気づかない。
(なんかお似合いだな……)
サアラが唇を噛んだとき、レクルムが彼女に気がついて、ぱあっと輝くような笑みを浮かべた。
「サアラ!」
その笑顔を見て、サアラは自分を恥じ入った。
(焼きもちを焼くなんて……)
「もう終わったの? 今から迎えに行くところだったんだ。パメラ、またね」
サアラから目を離さず、おざなりに挨拶するレクルムにパメラは苦笑した。
「じゃあね、頼んだわよ」
「わかったよ」
レクルムはサアラに駆け寄ると、彼女の手を取った。
「ん? なにか買ったの?」
彼女の手にある紙袋を見て、レクルムは気軽に聞いた。
「あの、これは、えっと……」
こんな道の真ん中で渡すのもおかしいかなとサアラが躊躇すると、不思議そうにレクルムは首を傾げた。
「い、家に帰ってから……」
「うん、わかった。家に帰ろう」
二人きりになるのに異論のないレクルムはすぐ頷いて、いつもの街外れに向かった。
「あのね、今日お給金をもらったから、レクルムにプレゼントをしたくて……」
家に帰ると、サアラはもじもじと箱を差し出した。
レクルムは驚いて、マジマジとそれを見つめた。
今日はサアラを慰労しようといつもより豪華な夕食の準備をして、デザートも用意して、魔具を納入がてら、街に出たのだったが、まさか自分がプレゼントをもらえるとは思ってもみなかったのだ。
「これを僕に?」
「はい。気に入ってもらえるかどうかわからないけど……」
自分の瞳の色のイヤーカフなんて、独占欲が丸わかりで、急にサアラは不安になった。
「サアラがくれるもので気に入らないものがあるわけないよ! 開けていい?」
「うん、もちろん」
レクルムが丁寧に包装を剥がすのを、サアラはドキドキして見守った。
箱の蓋を開けると、朝焼け色に輝くイヤーカフが出てきた。
『ジャ~ン』
『どうどう? 綺麗でしょ?』
イヤーカフたちが騒ぐ。
どうやらお調子者のようだ。
そのおかげで、サアラの肩の力がふっと抜けた。
レクルムはイヤーカフを取り上げて、じっと見つめる。
「サアラの色だ……」
目を上げるとにっこり笑って、サアラを抱きしめた。
「ありがとう。うれしいよ」
(僕だけが独占欲でいっぱいなのかと思っていた)
サアラの気持ちがうれしくて、レクルムは顔がにやけるのが止められない。
「付けてくれる?」
「うん!」
レクルムがかがんでくれて、サアラはイヤーカフを彼の耳に付ける。
レクルムの整った顔がすごく近くて、自分の息がかかりそうで、ふっと息を詰めてしまった。
(この角度からレクルムを見ることってなかったかも)
しかも、人の耳を触るなんて、初めてのことで、サアラは頬を染めた。
もたつきながらも両方をはめて、サアラは一歩下がって、レクルムを見た。
黒髪に自分の色を宿したイヤーカフはよく似合っていた。
満足感が胸に広がって、サアラは自然と微笑んでいた。
「どう?」
「似合ってます!」
うれしそうなサアラがかわいくて、レクルムはまた彼女を抱きしめた。
「本当にありがとう」
『浮気をしないように、ちゃんと私たちが見張ってるからね!』
『まかせといて~』
幸せに浸っていると、イヤーカフがそんなことを言うので、サアラは慌てた。
今日は初めてお給金がもらえる日だ。
自分で稼いだお金で、レクルムにプレゼントを買おうと思って、サアラはウキウキしていた。
今日も張り切ってサアラは働く。
顔見知りのお客さんもできてきて、毎日が楽しかった。
もともと人懐こいたちだったサアラにとって、接客は向いていた。
「サアラちゃん」
まだ終わるにはだいぶ早い時間に、店主のセイレンがサアラを呼んだ。
「一ヶ月お疲れさま。お給金だよ」
「ありがとうございます!」
うれしそうに受け取るサアラに、セイレンは目を細め、彼女を褒めた。
「サアラちゃんがよく働いてくれるから、お客さんも増えて、助かるよ。パメラさんに頼まれて雇って正解だったね」
「パメラさんが?」
「そうだよ。知らなかったのかい?」
「はい。そうだったんですね。お礼を言っとかなきゃ」
そう言って、サアラは微笑んだが、なんだか胸がモヤモヤした。
(レクルムはパメラさんに相談してたんだ……)
考えてみたら、レクルムだって、この街に馴染みはいないのだから、取引相手のパメラに相談するのは自然なことだ。
そう思うのに、モヤモヤはサアラの心の中でくすぶり続けた。
「今日はもうあがっていいよ」
「え、いいんですか?」
「初めての給料を使いたいだろ?」
セイレンが片目をつぶると、サアラは飛び上がるようにお礼を言った。
「あ、ありがとうございます!」
モヤモヤのことは一旦忘れて、鼻歌でも歌いそうな勢いで、サアラは道を急いだ。
レクルムが迎えに来るまでに、買っておきたいものがあったのだ。
そこは、レクルムと通りかかった宝飾店。
サアラはお昼休みにたまに通っていたので、馴染みの道筋だ。
「こんにちは~」
「いらっしゃい。めずらしいね、この時間に来るなんて」
すっかり顔馴染みになった店主に挨拶して、店に入ると、いつもと違う時間に来たサアラに彼は驚いた顔をした。
「あの、取っておいてもらってたイヤーカフを買いたくて」
「お給金が出たんだね。よかったね」
「取り置きしてもらって、ありがとうございます」
「いやぁ、あんなに惚れ込んでもらえたら、職人冥利に尽きるよ」
店主が棚から箱を出して、商品を確認させてくれる。
サアラの瞳と同じ暁色の石が一粒嵌ったシンプルなイヤーカフ。
『やっと迎えに来てくれたんだね~』
『うれしい! もう棚の中は嫌よ?』
左右のイヤーカフがそれぞれに声をあげた。
サアラがこの店の露台に置いてあったペンダントを改めて見に来たら、女性ものだった。
がっかりする彼女にペンダントが教えてくれた。
『私と同じ石なら、中にもあるわよ』
そう言われて勇気を出して、中に入ってみたところ、このイヤーカフを発見したのだ。
サアラは一目で気に入ってしまって、買うならこれがいいと思った。
そして、売れてしまわないか心配で、毎日見に来ていたサアラに、店主が声をかけて、お金ができるまで、取っておいてくれたのだった。
支払いをして、きれいにラッピングしてもらうと、胸をときめかせながら、大事に箱を持って、サアラは店を出た。
(レクルムは喜んでくれるかなぁ)
彼が迎えに来る服屋に戻ろうとしたとき、道の先の方に、当の本人とパメラが並んで歩いてくるのを発見した。
二人は仲良く話し込んでいて、サアラに気づかない。
(なんかお似合いだな……)
サアラが唇を噛んだとき、レクルムが彼女に気がついて、ぱあっと輝くような笑みを浮かべた。
「サアラ!」
その笑顔を見て、サアラは自分を恥じ入った。
(焼きもちを焼くなんて……)
「もう終わったの? 今から迎えに行くところだったんだ。パメラ、またね」
サアラから目を離さず、おざなりに挨拶するレクルムにパメラは苦笑した。
「じゃあね、頼んだわよ」
「わかったよ」
レクルムはサアラに駆け寄ると、彼女の手を取った。
「ん? なにか買ったの?」
彼女の手にある紙袋を見て、レクルムは気軽に聞いた。
「あの、これは、えっと……」
こんな道の真ん中で渡すのもおかしいかなとサアラが躊躇すると、不思議そうにレクルムは首を傾げた。
「い、家に帰ってから……」
「うん、わかった。家に帰ろう」
二人きりになるのに異論のないレクルムはすぐ頷いて、いつもの街外れに向かった。
「あのね、今日お給金をもらったから、レクルムにプレゼントをしたくて……」
家に帰ると、サアラはもじもじと箱を差し出した。
レクルムは驚いて、マジマジとそれを見つめた。
今日はサアラを慰労しようといつもより豪華な夕食の準備をして、デザートも用意して、魔具を納入がてら、街に出たのだったが、まさか自分がプレゼントをもらえるとは思ってもみなかったのだ。
「これを僕に?」
「はい。気に入ってもらえるかどうかわからないけど……」
自分の瞳の色のイヤーカフなんて、独占欲が丸わかりで、急にサアラは不安になった。
「サアラがくれるもので気に入らないものがあるわけないよ! 開けていい?」
「うん、もちろん」
レクルムが丁寧に包装を剥がすのを、サアラはドキドキして見守った。
箱の蓋を開けると、朝焼け色に輝くイヤーカフが出てきた。
『ジャ~ン』
『どうどう? 綺麗でしょ?』
イヤーカフたちが騒ぐ。
どうやらお調子者のようだ。
そのおかげで、サアラの肩の力がふっと抜けた。
レクルムはイヤーカフを取り上げて、じっと見つめる。
「サアラの色だ……」
目を上げるとにっこり笑って、サアラを抱きしめた。
「ありがとう。うれしいよ」
(僕だけが独占欲でいっぱいなのかと思っていた)
サアラの気持ちがうれしくて、レクルムは顔がにやけるのが止められない。
「付けてくれる?」
「うん!」
レクルムがかがんでくれて、サアラはイヤーカフを彼の耳に付ける。
レクルムの整った顔がすごく近くて、自分の息がかかりそうで、ふっと息を詰めてしまった。
(この角度からレクルムを見ることってなかったかも)
しかも、人の耳を触るなんて、初めてのことで、サアラは頬を染めた。
もたつきながらも両方をはめて、サアラは一歩下がって、レクルムを見た。
黒髪に自分の色を宿したイヤーカフはよく似合っていた。
満足感が胸に広がって、サアラは自然と微笑んでいた。
「どう?」
「似合ってます!」
うれしそうなサアラがかわいくて、レクルムはまた彼女を抱きしめた。
「本当にありがとう」
『浮気をしないように、ちゃんと私たちが見張ってるからね!』
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