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彼女はいるの?
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「師匠ーっ! やっぱりムリですー!」
朝、工房に来るなり、ラフィーはガイラに訴えた。
「ムリって、なにが?」
昨夜は遅くまで実験をしていたのか、アンニュイな様子で、ガイラがラフィーを見る。彼女は工房の続き部屋に住んでいるので、寝ている以外は大概ここにいる。
朝日に照らされた鮮やかな赤毛、神秘的な黒目、ぽってりとした唇、その横のホクロ。頬杖をついて、物憂げな視線もガイラがすれば、色っぽい。
(私の周りには、なんでこうとびきり綺麗な人ばかりいるんだろう?)
次元が違いすぎて、普段は気に留めないラフィーだったけれど、ふいに劣等感に襲われる。
リュオはあんなに素敵で特級魔術師で、本来なら、ラフィーが気安く話しかけられる立場ではない。
近衛騎士であるクロードだって同じだ。
二人とも本当は「様」を付けて呼ばないといけないぐらいの人たちなのに、ガイラの弟子だからか、二人ともラフィーに畏まる必要はないから、名前で呼んでくれと言った。田舎から出てきたばかりの彼女はそういうものかと思って、素直に言われるままに呼んでいた。
それがどんなにおこがましいことかというのは、呼び慣れた頃に怖いお姉様方から教わった。
(うん、やっぱりリュオは手が届かない人だわ)
そう結論づけて、ラフィーは言った。
「惚れ薬を作るのはやっぱりムリです」
「なんで? 月見草はちゃんと採れたんでしょ?」
ラフィーの抱えた袋を見やって、ガイラは首を傾げる。
それに対して、ラフィーは首を振った。
「違うんです。月見草は採れましたが、やっぱり恋人がいる人に惚れ薬なんて、飲ませられません!」
「え、リュオに恋人はいないでしょ?」
「愛しい彼女がいるんです!」
ガイラに相手がリュオだと特定されても気づかずに、ラフィーは答えた。
でも、ガイラは不審顔だった。
「そんなわけないでしょ? 王宮の二大美男はフリーだというので有名なんだから、彼女ができたら、たちまち絶叫とともに噂が駆け巡るわ」
「でも、私、聞いたんです。『彼女といるときが一番幸せだ』って言ってるのを」
「ふ~ん、おかしいわね。そんなわけないと思うけど。せいぜいリュオの片想いなんじゃない?」
「そんな雰囲気じゃなかったです」
「それならなおさら惚れ薬で振り向かせればいいじゃない」
「そんなことできませんよ……」
俯くラフィーに、ガイラはちょっと考え込む様子を見せた。
「あら? 噂をすれば、その一が来たわ」
戸口に目をやったガイラはそう言って、顔をしかめた。
ラフィーが振り向くと、麗しの騎士がそこにいた。
「その一ってなんだい?」
クロードが首を傾げると、金糸のように輝く髪がサラリと揺れる。深く澄んだ碧い瞳、涼やかで端正な顔には甘い笑みが浮かんでいる。まるでキラキラとした粒子が舞うように、空気まで変わるほどの美男。
それなのに、女二人の反応は普通だった。
「いらっしゃい、クロード」
ラフィーがにこやかに挨拶をすると、クロードも艷やかに微笑んだまま、「おはよう、サリ、ラフィー」と返す。ガイラは興味なさそうにそっけなく頷き、調合に戻った。
そんな様子にお構いなく、クロードが近づいていく。
「もしかして、私の噂をしてくれてたのかい?」
うれしそうに言うクロードに、ガイラが面倒くさそうに答える。
「あんたの話じゃなくて、リュオのことよ」
ガイラの言葉に、クロードは形のよい片眉を上げる。
彼女の横に断りもなく座って、ガイラの頬にかかった髪を掬い、耳にかけた。指がスーッとその縁から耳朶を撫でていく。
「妬けるね」
そう言いつつ、婉然と微笑む。
見ているラフィーの方が恥ずかしくて赤くなるほど色気が滴り落ちているというのに、ガイラは平然としていた。
(これを見たら、クロードの取り巻きのお姉様方も私をやっかむのは見当外れだってわかるのに……)
クロードはいつも綺麗どころに囲まれているが、ここには必ず一人で来る。
前に、彼にくっついて女性たちが大挙して押し寄せたとき、ガイラの迷惑そうな顔を見て、クロードが「用のない人は出ていってくれないかな?」と言った。
その声は静かだったし、顔は微笑んでいるのに、妙な威圧感があり、彼がめずらしく激怒していることを誰もが感じた。思わず、ラフィーまで出ていきたくなったぐらいだった。
もちろん、女性たちは我先に出ていった。
それ以来、彼の取り巻きが工房に来ることはない。
リュオは反対にいつも誰も寄せつけないので、ファンは遠巻きに眺めて、ときどきラフィーに嫌味を投げつけるくらいだ。
それも、ラフィーが廊下でファンたちに取り囲まれて責め立てられていたところにリュオが行き遭わせてからは、ほとんどなくなった。
リュオは状況を一目見ると、無言でツカツカと歩いてきたかと思ったら、ラフィーの腕を掴んで、女性たちの輪から連れ出した。
そして、チラリと凍えるような視線で振り返るだけで、ファンたちは縮み上がって、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
こうして、工房とラフィーはアンタッチャブルなものとして認識されたが、逆に真実が覆い隠されて、クロードとリュオとラフィーの三角関係がしばしば取り沙汰される。
(本当に迷惑な話だわ。私たちには恋愛要素なんて、まるでないのに)
ラフィーは溜め息をつく。
「それで、リュオがどうしたの?」
ガイラの髪を弄びながら、クロードが聞く。
「リュオに彼女ができたなんて話ないわよね?」
「う~ん、興味ないけど、そんな話は聞いてはないね。なんなら、本人に聞いたら?」
クロードが目線を戸口にやると、ちょうど入ってきたリュオがいた。
三人の視線がいきなり集まって、リュオは少し不機嫌そうに銀の瞳を眇めた。
「なに?」
そうした表情も、整いすぎて冷たくも見える眉目秀麗な顔には良いアクセントでしかなく、ラフィーはポーッと見惚れた。
クロードが笑顔を絶やさない健康的なハンサムだとしたら、色白で怜悧な容姿のリュオは無愛想で繊細な美青年だった。まさに、太陽と月である。
「あぁ、リュオ、あなた……」
「師匠!」
ガイラが聞こうとしていることに気づいて、意識を飛ばしていたラフィーは慌てて遮った。
いきなり彼女の有無を聞くなんて、怪しすぎるから。
「あら、だって、こういうのは本人に聞いた方がスッキリするじゃない?」
「しないです!」
「だから、なに!?」
楽しげに言うガイラと否定するラフィーに、リュオは苛ついた声をあげる。
「リュオには関係ない話よ!」
思わず、言い捨てるように叫んでしまったラフィーに、リュオがムッとする。
「あっそう! 僕には言えない話ってことか!」
「そうよ。全然関係ないから!」
(言えるわけないじゃない! 私がリュオに彼女がいるかどうかを気にしてるなんて!)
蒸し返して欲しくなくて、ラフィーは言い切った。
「ふん。いいさ。僕だって、興味はない。……魔力回復薬と体力回復薬をくれ」
昨夜の分を取り戻すために、今日も激務になるのを見越して、リュオは体力回復薬も所望した。
自分に付き合うために、彼を忙しくさせてしまったのを察したラフィーは申し訳なく思い、彼に告げる。
「もう素材採取に付き合ってもらうことはないから」
ジロリとリュオが彼女を見た。
「僕はお払い箱ってわけか。クロードにでも付き合ってもらうのか?」
「違うよ! もう作るのは止めるの」
「止める?」
中途半端が嫌いなリュオが口許を歪める。
その表情に切なくなりながら、ラフィーが答えようとすると、ガイラが口を挟んだ。
「ラフィー、使うかどうかは別にして、あれを完成させないと錬金術師として及第点はあげられないわね」
「そんな、師匠!?」
とんでもないことを言い出したガイラの顔を、驚いてラフィーが見た。
ガイラはニヤニヤ笑っているが、本気で言っているのはわかった。というより、彼女は言い出したら聞かない。
「頑張って、素材を集めなさい」
無情にも決定事項だと言外に匂わせて、ガイラは笑った。
蒼白になったラフィーを見て、リュオが言う。
「あんたが泣いて頼むなら、素材採取に付き合ってやってもいいよ」
「頼むわけないじゃない!」
これ以上、リュオに迷惑をかけられないとラフィーは思う。しかも、彼に使いたい惚れ薬のためなんて。
「あとで泣いても知らないよ?」
不機嫌に顔をしかめて、リュオは用意された魔力回復薬と体力回復薬を掴むと、出ていった。
ふふっと忍び笑いを漏らしたガイラに、「楽しそうだね、サリ」とクロードがささやく。
「えぇ、楽しいわよ? 甘酸っぱくて」
「あなたが楽しいと、私も楽しい」
そう言って、クロードは誰もが見惚れるような笑みを浮かべた。
残念ながら、ここにいる二人には効かなかったが。
朝、工房に来るなり、ラフィーはガイラに訴えた。
「ムリって、なにが?」
昨夜は遅くまで実験をしていたのか、アンニュイな様子で、ガイラがラフィーを見る。彼女は工房の続き部屋に住んでいるので、寝ている以外は大概ここにいる。
朝日に照らされた鮮やかな赤毛、神秘的な黒目、ぽってりとした唇、その横のホクロ。頬杖をついて、物憂げな視線もガイラがすれば、色っぽい。
(私の周りには、なんでこうとびきり綺麗な人ばかりいるんだろう?)
次元が違いすぎて、普段は気に留めないラフィーだったけれど、ふいに劣等感に襲われる。
リュオはあんなに素敵で特級魔術師で、本来なら、ラフィーが気安く話しかけられる立場ではない。
近衛騎士であるクロードだって同じだ。
二人とも本当は「様」を付けて呼ばないといけないぐらいの人たちなのに、ガイラの弟子だからか、二人ともラフィーに畏まる必要はないから、名前で呼んでくれと言った。田舎から出てきたばかりの彼女はそういうものかと思って、素直に言われるままに呼んでいた。
それがどんなにおこがましいことかというのは、呼び慣れた頃に怖いお姉様方から教わった。
(うん、やっぱりリュオは手が届かない人だわ)
そう結論づけて、ラフィーは言った。
「惚れ薬を作るのはやっぱりムリです」
「なんで? 月見草はちゃんと採れたんでしょ?」
ラフィーの抱えた袋を見やって、ガイラは首を傾げる。
それに対して、ラフィーは首を振った。
「違うんです。月見草は採れましたが、やっぱり恋人がいる人に惚れ薬なんて、飲ませられません!」
「え、リュオに恋人はいないでしょ?」
「愛しい彼女がいるんです!」
ガイラに相手がリュオだと特定されても気づかずに、ラフィーは答えた。
でも、ガイラは不審顔だった。
「そんなわけないでしょ? 王宮の二大美男はフリーだというので有名なんだから、彼女ができたら、たちまち絶叫とともに噂が駆け巡るわ」
「でも、私、聞いたんです。『彼女といるときが一番幸せだ』って言ってるのを」
「ふ~ん、おかしいわね。そんなわけないと思うけど。せいぜいリュオの片想いなんじゃない?」
「そんな雰囲気じゃなかったです」
「それならなおさら惚れ薬で振り向かせればいいじゃない」
「そんなことできませんよ……」
俯くラフィーに、ガイラはちょっと考え込む様子を見せた。
「あら? 噂をすれば、その一が来たわ」
戸口に目をやったガイラはそう言って、顔をしかめた。
ラフィーが振り向くと、麗しの騎士がそこにいた。
「その一ってなんだい?」
クロードが首を傾げると、金糸のように輝く髪がサラリと揺れる。深く澄んだ碧い瞳、涼やかで端正な顔には甘い笑みが浮かんでいる。まるでキラキラとした粒子が舞うように、空気まで変わるほどの美男。
それなのに、女二人の反応は普通だった。
「いらっしゃい、クロード」
ラフィーがにこやかに挨拶をすると、クロードも艷やかに微笑んだまま、「おはよう、サリ、ラフィー」と返す。ガイラは興味なさそうにそっけなく頷き、調合に戻った。
そんな様子にお構いなく、クロードが近づいていく。
「もしかして、私の噂をしてくれてたのかい?」
うれしそうに言うクロードに、ガイラが面倒くさそうに答える。
「あんたの話じゃなくて、リュオのことよ」
ガイラの言葉に、クロードは形のよい片眉を上げる。
彼女の横に断りもなく座って、ガイラの頬にかかった髪を掬い、耳にかけた。指がスーッとその縁から耳朶を撫でていく。
「妬けるね」
そう言いつつ、婉然と微笑む。
見ているラフィーの方が恥ずかしくて赤くなるほど色気が滴り落ちているというのに、ガイラは平然としていた。
(これを見たら、クロードの取り巻きのお姉様方も私をやっかむのは見当外れだってわかるのに……)
クロードはいつも綺麗どころに囲まれているが、ここには必ず一人で来る。
前に、彼にくっついて女性たちが大挙して押し寄せたとき、ガイラの迷惑そうな顔を見て、クロードが「用のない人は出ていってくれないかな?」と言った。
その声は静かだったし、顔は微笑んでいるのに、妙な威圧感があり、彼がめずらしく激怒していることを誰もが感じた。思わず、ラフィーまで出ていきたくなったぐらいだった。
もちろん、女性たちは我先に出ていった。
それ以来、彼の取り巻きが工房に来ることはない。
リュオは反対にいつも誰も寄せつけないので、ファンは遠巻きに眺めて、ときどきラフィーに嫌味を投げつけるくらいだ。
それも、ラフィーが廊下でファンたちに取り囲まれて責め立てられていたところにリュオが行き遭わせてからは、ほとんどなくなった。
リュオは状況を一目見ると、無言でツカツカと歩いてきたかと思ったら、ラフィーの腕を掴んで、女性たちの輪から連れ出した。
そして、チラリと凍えるような視線で振り返るだけで、ファンたちは縮み上がって、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
こうして、工房とラフィーはアンタッチャブルなものとして認識されたが、逆に真実が覆い隠されて、クロードとリュオとラフィーの三角関係がしばしば取り沙汰される。
(本当に迷惑な話だわ。私たちには恋愛要素なんて、まるでないのに)
ラフィーは溜め息をつく。
「それで、リュオがどうしたの?」
ガイラの髪を弄びながら、クロードが聞く。
「リュオに彼女ができたなんて話ないわよね?」
「う~ん、興味ないけど、そんな話は聞いてはないね。なんなら、本人に聞いたら?」
クロードが目線を戸口にやると、ちょうど入ってきたリュオがいた。
三人の視線がいきなり集まって、リュオは少し不機嫌そうに銀の瞳を眇めた。
「なに?」
そうした表情も、整いすぎて冷たくも見える眉目秀麗な顔には良いアクセントでしかなく、ラフィーはポーッと見惚れた。
クロードが笑顔を絶やさない健康的なハンサムだとしたら、色白で怜悧な容姿のリュオは無愛想で繊細な美青年だった。まさに、太陽と月である。
「あぁ、リュオ、あなた……」
「師匠!」
ガイラが聞こうとしていることに気づいて、意識を飛ばしていたラフィーは慌てて遮った。
いきなり彼女の有無を聞くなんて、怪しすぎるから。
「あら、だって、こういうのは本人に聞いた方がスッキリするじゃない?」
「しないです!」
「だから、なに!?」
楽しげに言うガイラと否定するラフィーに、リュオは苛ついた声をあげる。
「リュオには関係ない話よ!」
思わず、言い捨てるように叫んでしまったラフィーに、リュオがムッとする。
「あっそう! 僕には言えない話ってことか!」
「そうよ。全然関係ないから!」
(言えるわけないじゃない! 私がリュオに彼女がいるかどうかを気にしてるなんて!)
蒸し返して欲しくなくて、ラフィーは言い切った。
「ふん。いいさ。僕だって、興味はない。……魔力回復薬と体力回復薬をくれ」
昨夜の分を取り戻すために、今日も激務になるのを見越して、リュオは体力回復薬も所望した。
自分に付き合うために、彼を忙しくさせてしまったのを察したラフィーは申し訳なく思い、彼に告げる。
「もう素材採取に付き合ってもらうことはないから」
ジロリとリュオが彼女を見た。
「僕はお払い箱ってわけか。クロードにでも付き合ってもらうのか?」
「違うよ! もう作るのは止めるの」
「止める?」
中途半端が嫌いなリュオが口許を歪める。
その表情に切なくなりながら、ラフィーが答えようとすると、ガイラが口を挟んだ。
「ラフィー、使うかどうかは別にして、あれを完成させないと錬金術師として及第点はあげられないわね」
「そんな、師匠!?」
とんでもないことを言い出したガイラの顔を、驚いてラフィーが見た。
ガイラはニヤニヤ笑っているが、本気で言っているのはわかった。というより、彼女は言い出したら聞かない。
「頑張って、素材を集めなさい」
無情にも決定事項だと言外に匂わせて、ガイラは笑った。
蒼白になったラフィーを見て、リュオが言う。
「あんたが泣いて頼むなら、素材採取に付き合ってやってもいいよ」
「頼むわけないじゃない!」
これ以上、リュオに迷惑をかけられないとラフィーは思う。しかも、彼に使いたい惚れ薬のためなんて。
「あとで泣いても知らないよ?」
不機嫌に顔をしかめて、リュオは用意された魔力回復薬と体力回復薬を掴むと、出ていった。
ふふっと忍び笑いを漏らしたガイラに、「楽しそうだね、サリ」とクロードがささやく。
「えぇ、楽しいわよ? 甘酸っぱくて」
「あなたが楽しいと、私も楽しい」
そう言って、クロードは誰もが見惚れるような笑みを浮かべた。
残念ながら、ここにいる二人には効かなかったが。
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