騎士団長の幼なじみ

入海月子

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愛される喜び①

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「全部入ったから」
「全部? さっき『最後まで入った』って言ったのに」
「さっきは君の最後まで。今は俺の全部が入った」
「そうだったんだ」

 どうりで苦しいはず。彼のもので内臓が押し上げられているようだった。
 でも、全部受け入れられたのはうれしくて、ぎゅーっとラディアンに抱きつく。
 彼は私の髪の毛をなでて、「ありがとう。うれしいよ」とささやいた。
  
 気持ちいいより圧迫感のほうが強かったけど、体をこすりつけるように動かれると、甘いしびれが広がって背中が反る。
 ラディアンは身をかがめて、彼に向って突き出した姿勢になった私の胸の先端をパクンと食んだ。
 舌で転がされて、快感が膨らむ。
 お腹の苦しさも快感に変換されていく。
 おかしくなるほどの快楽を与えられて、私は喘ぎ続けた。
 
 何度絶頂しただろう?
 後ろから穿たれ、また前に戻り、彼を受け入れ続けた。
 ラディアンの熱情に翻弄されて、そのうち意識を失った。


 *****


 ふと、目が覚めた。
 見覚えのない天井を見上げ、ぼんやりする。

(あら、私、どうしたのかしら?)

 身動きしようとしたら、全身がだるくて起き上がれない。

「マール! 目が覚めたのか!」

 なぜか騎士団の正装をしているラディアンがベッドに駆け寄ってきた。
 白地に濃紺のラインが入った華麗な衣装は、ラディアンの精悍さを引き立たせて、かっこいいにもほどがある。
 私はうっとりと見つめた。
 なのに、私を抱き起こしてくれた彼は心配そうに私を見て、「どうか嫌わないでくれ、マール。君がかわいすぎて、止められなかったんだ」とすがった。

「嫌いになるわけないわ。ラディアン、好きよ?」

 笑って答えると、ほっとした顔のラディアンに抱きしめられた。
 
(そっか、私は昨日ラディアンに……)

 昨夜のことを思い出して、顔を赤らめる。
 本当に私のことが好きらしいラディアンを見て、途方もない喜びが湧き上がる。
 私を放したラディアンは、私の手を取り、跪いた。

「マール、愛してる。俺と結婚してくれないか?」
 
 言葉とともに手のひらに小さな箱が置かれた。
 その中には青い宝石がきらめく指輪が入っていた。
 それは婚約指輪のようだった。
 胸がいっぱいになる。

「ラディアン、私も愛してるわ。喜んで……あっ、でも、ダンリケ侯爵が……」
「それは大丈夫だと言っただろ? お願いだ。はいと言ってくれ」
「もちろん、はい!」
「……小さくてかわいい俺のマール。ようやく俺のものだ……!」

 ラディアンが熱く抱きしめてくれる。そうされると、小さい私は彼に全身を包みこまれる。
 
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