繋がれた絆はどこまでも

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次期当主の正式な発表は、メイソンが魔法学園を卒業したと同時と言われていた。
卒業式まであと数日。
その数日を迎えられれば、メイソンが次期当主となる。
正式に発表したからには本当の次期当主が見つかりました、などと発表しないだろうし、例え発表後に見つかったとしても、役目から逃げ出した者に次期当主など、させるわけがないだろう。


「あれ、こんな山奥に人がいるなんて珍しいなぁ」


今日も今日とて人と接することなく、姿を眩ませながら山奥を歩いていると近くから人の声が聞こえ、ライトは立ち止まった。
追手か？
刺客か？
どっちだ、とライトが警戒していると斜め前から見覚えのある服を着用している青年が現れた。
青年は紺色のジャケットと同色のスラックス、青みがかったネクタイに学校の紋章が入った鞄を手に持っており、警戒心剥き出しの状態でライトを見ていた。


その視線から逃れるように視線を移動させれば、見覚えのあるものが目に入った。
確かあの紋章は、メイソンが通っている魔法学校のものだ。
そんな学園の生徒がこんな山奥にいるのか、とライトは気になった。