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設計の段階で可笑しいとは思っていた。
何で敷地内に建物が3つあるのかと。
「……メンバー全員の家を建てているとか、何でもありですね」
「本当だよねぇ。陽太君ってやることなすことが豪快というか何というか」
目の前にはある程度出来上がっている建物と、俺のことではそれを眺めている長嶋君の姿があった。
「地方でロケがあるっていうのに、限界ギリギリまで嶋貫君のいる大学で出待ちしたりね?」
普段される側なのにする側に回ることか面白いよね?と笑いながら長嶋君は言っているが、何処が棘を感じるのは気のせいか。
「………それは悪いことをさせてしまいましたね」
「ううん。陽太君が勝手にやったことだから気にしないで」
そうは言うけれど、やっぱり言葉の端々が突き刺さって来ているのだが。
「………3人のうち2人がさ、男の恋人がいるってグループはなかなかいないと思うんだけど、人を好きになることで人一倍輝いていけるメンバーが集まってるんだって俺は思ってる。そんなグループにしてくれた嶋貫君には感謝しているんだよ?」
かと思えば、優しい口調でそんなことを言ってくる長嶋君に俺は首を横に振った。
「俺は何もしていませんよ。長嶋君と宇佐美さんが俺の家で胸の内を言い合えたのは、お二人が頑張ったことで俺は場所を提供しただけです。荒巻さんが輝いているのは、元々ですよ」
初めて見たときから、荒巻さんは輝いていたし。
「貴匡さんは優月さんのおかげで輝いていると思うので、俺は本当に何もしてませんし」
「本当にそうかな。同じ問いかけをしてみたら違う反応が返ってくると俺は思うね」
自信満々に言った長嶋君は、俺の肩をトンっと叩き、後ろからやってきた宇佐美さんのもとへと去っていった。
何で敷地内に建物が3つあるのかと。
「……メンバー全員の家を建てているとか、何でもありですね」
「本当だよねぇ。陽太君ってやることなすことが豪快というか何というか」
目の前にはある程度出来上がっている建物と、俺のことではそれを眺めている長嶋君の姿があった。
「地方でロケがあるっていうのに、限界ギリギリまで嶋貫君のいる大学で出待ちしたりね?」
普段される側なのにする側に回ることか面白いよね?と笑いながら長嶋君は言っているが、何処が棘を感じるのは気のせいか。
「………それは悪いことをさせてしまいましたね」
「ううん。陽太君が勝手にやったことだから気にしないで」
そうは言うけれど、やっぱり言葉の端々が突き刺さって来ているのだが。
「………3人のうち2人がさ、男の恋人がいるってグループはなかなかいないと思うんだけど、人を好きになることで人一倍輝いていけるメンバーが集まってるんだって俺は思ってる。そんなグループにしてくれた嶋貫君には感謝しているんだよ?」
かと思えば、優しい口調でそんなことを言ってくる長嶋君に俺は首を横に振った。
「俺は何もしていませんよ。長嶋君と宇佐美さんが俺の家で胸の内を言い合えたのは、お二人が頑張ったことで俺は場所を提供しただけです。荒巻さんが輝いているのは、元々ですよ」
初めて見たときから、荒巻さんは輝いていたし。
「貴匡さんは優月さんのおかげで輝いていると思うので、俺は本当に何もしてませんし」
「本当にそうかな。同じ問いかけをしてみたら違う反応が返ってくると俺は思うね」
自信満々に言った長嶋君は、俺の肩をトンっと叩き、後ろからやってきた宇佐美さんのもとへと去っていった。
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