ブレスレットが運んできたもの

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食べるものといえど、この家にあるものを勝手に食べるわけにはいかない。
家主はあくまであの二人で俺は居候の身だ。
俺が利用を許されているのは、唯一与えられている部屋だけ。
廊下や階段は通り道だから仕方ないとして、その他の部屋には本来、立ち入ることすら許可がなければ許されることではない。


「普通はそうだな」


「まるで自分は普通じゃないような言い方だな」


「普通じゃないからな」


クォーツにそう言い返せば、何故か目を見開いた後、口角を上に上げた。


「へぇ」


「クォーツ君の相手は良いですから、さっさと食べましょうよ。このままだと空腹で倒れてしまいますよ」


急いでください、と背中をラリマーに叩かれるが今だ嘗て空腹で倒れたことはない。
が、今の状況からして食べるまでラリマーがうるさそうだから今日は食べることにしよう。


「仕方ない、今日は大人しく食べます。が、この家の中には食べるものはないから買いに行くぞ」