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実はこの店に来た理由は別にあったりする。
ブローチだけであれば、エディスやノエリア王子と共に来たのだが、別の用事があったので、エディスたちには理由をつけて城から出して貰っていたりする。
「あのさ、これを見てどう思うか聞きたいんだが……」
そう言ってジュリーに差し出したのは、紫色の花が挟まっている押し花と瓶に入った黄色の小さな花、そして最後に『プローンズ』と書かれた香水だ。
実はあのあと、ルネ王子から私宛に次から次へと城にプレゼントが届くようになった。
特に手紙などもなく、物だけが届く有り様で、エディスは首を傾け、ノエリア王子は微妙な表情を浮かべていた。
これがどんな意味を持つものなのか、そもそも物に意味があるのかどうか知りたくて持ってきたのだ。
「ふーん」
ジュリーは物に触れずにそれを順に目で追った後に、口角を片方だけ器用に上げて笑った。
「あんた、告白されてるな」
「は?」
言われた意味が分からず、ジュリーの顔を覗き込めば、ジュリーはまず押し花を掴み上げた。
「『わたしは貴女しか見ていない』『わたしには貴女しかいない』『一途な恋』って花言葉の花が押し花とされているだろ」
そのつぎは、黄色の瓶に入った花を見た。
「『間違いをおかさない』『目をそらしてはならない』『誠実な思い』って花だろ」
そして最後の香水。
「『貴女のそばにいるのは私しかいない』、『わたしを思い出して欲しい』って意味の香水。どうだ?これを聞いて送り主はあんたに告白をしていると私は思うが?」
ブローチだけであれば、エディスやノエリア王子と共に来たのだが、別の用事があったので、エディスたちには理由をつけて城から出して貰っていたりする。
「あのさ、これを見てどう思うか聞きたいんだが……」
そう言ってジュリーに差し出したのは、紫色の花が挟まっている押し花と瓶に入った黄色の小さな花、そして最後に『プローンズ』と書かれた香水だ。
実はあのあと、ルネ王子から私宛に次から次へと城にプレゼントが届くようになった。
特に手紙などもなく、物だけが届く有り様で、エディスは首を傾け、ノエリア王子は微妙な表情を浮かべていた。
これがどんな意味を持つものなのか、そもそも物に意味があるのかどうか知りたくて持ってきたのだ。
「ふーん」
ジュリーは物に触れずにそれを順に目で追った後に、口角を片方だけ器用に上げて笑った。
「あんた、告白されてるな」
「は?」
言われた意味が分からず、ジュリーの顔を覗き込めば、ジュリーはまず押し花を掴み上げた。
「『わたしは貴女しか見ていない』『わたしには貴女しかいない』『一途な恋』って花言葉の花が押し花とされているだろ」
そのつぎは、黄色の瓶に入った花を見た。
「『間違いをおかさない』『目をそらしてはならない』『誠実な思い』って花だろ」
そして最後の香水。
「『貴女のそばにいるのは私しかいない』、『わたしを思い出して欲しい』って意味の香水。どうだ?これを聞いて送り主はあんたに告白をしていると私は思うが?」
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