オレに触らないでくれ

mahiro

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話し掛けても良いですか?

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宮永はというと、オレが知る中では初めて宗方とクラスが別れた。
一年のときは学校に居るときは宗方とほとんど一緒にいて、放課後はオレや日夏、葵や璃生と一緒にいたが、二年になった今では昼休みと帰り道しか宗方と一緒に歩いている所を見かけなくなった。
それ以外の時間は葵たちと一緒に居ることがほとんどで、ありがたいことにオレもその中に入っていたりする。
だからといって何か進展があるはずもなく、相変わらず業務連絡的なやり取りしか出来てない。
そんなこんなで新生活が始まった頃に、日夏が今まで幸輝が通っていた空手道場に通いたいと唐突に言い出した。
何故通いたいのか聞いても詳しい理由は教えてくれなかったが、頻りに強くなりたいの!と訴えるので、何か負けられない何かと戦っているのだろうかと頭を悩ましたりもした。
結局、悩んだ所で答えが分からないし、日夏がやりたいのならやりたいだけやらせてあげようと、両親とも相談して通わせることにした。
道場の先生たちも日夏のことを知っていたし、日夏も何度も見ていたから抵抗なく入ることが出来た。
まぁ、最初は怖くて触れなかったみたいで苦しんでいたけれど、それも徐々に克服して触れることに対して恐怖心を感じにくくなっていたと思う。
オレにも触れるようになったし。
良かった良かった。
それと引き換えに宮永と会う時間が極端に減った。
ほぼ毎日のように会っていたのに、日夏が道場に通い始めたことと、宮永が進学のために塾に通い始めたこともあって土曜日にしか会えなくなっていた。
二人とも寂しがるかと思ったらそうでもなく、仲の良い友達と接するかのような応対に見える。
最近はリハビリというより、ただの談話をしてるようにしか見えなくなってるもんな。
日夏はオレに触れられるようになったし、急に触れなければ特に問題ない。
宮永もオレと同じ空間にいても問題ないし、触らなければ通常のやり取りが可能だ。
このままで良いのかと宮永に問いたいが、問うた所でオレの傷を更に広げることになるだけだから聞かない。
そっと二人のやり取りは見守りながら、学校生活とバイトを頑張っていた所。


バイト帰りによく宮永と見かけるようになりました。
何故バイト先の本屋の前に居るのかと思って宮永をよくよく見てみれば、背中には黒のリュックを背負い、手には何かの参考書があった。
付箋などが沢山ついていることから、ここで買ったものではなく持ち歩いていたものだと分かる。

え、ここはオレから話し掛けて良いのか?
でも急に話し掛けたら驚かれるよな?
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