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どうせなら劇の中の王子様じゃなくて、マドンナのための王子様になるべきだろう。
知らなかったと喚く前に知らせておかないとと思って伝えたわけだが、案の定、しょぼくれてるし。
「……浜砂、どうにかしてくれないかなぁ」
「いやいやいや、無理でしょ」
この間まで中学生だった男の子に何を頼もうとしているんだ、この男は。
いくら浜砂が実年齢より落ち着いて見えても、私たちより年下なわけである。
大会の日付変更や文化祭の日付変更など出来るわけがない。
「大会の日にちを変えるとか無理?」
「無理。文化祭の日にちを変えるのも無理だから!」
「うぉおおおお………!」
頭をかかえこみ雄叫びを上げる横で、平松の形態の画面が光ってることに気付いて拾い上げて見ると、何処かに通話中の画面になっていた。
間違って画面触ったか何かしたか?と更に画面を覗き込んで見るとそこには、
『浜砂』の文字が。
「?!」
悲鳴を上げそうになり、両手で口を抑えた。
え?
何で通話中になってんの?
え?
いつからこの状態なわけ?
『平松さん、煩いです』
そこから聞こえてきた平坦な声に、思わず肩が大きく揺れてしまった。
電話越しの浜砂の声だ、始めて聞いた…じゃなくて。
私、浜砂に聞かれて困るような会話していないよな。
劇の話をしていただけで、変なこと言ったりしてないよな?
知らなかったと喚く前に知らせておかないとと思って伝えたわけだが、案の定、しょぼくれてるし。
「……浜砂、どうにかしてくれないかなぁ」
「いやいやいや、無理でしょ」
この間まで中学生だった男の子に何を頼もうとしているんだ、この男は。
いくら浜砂が実年齢より落ち着いて見えても、私たちより年下なわけである。
大会の日付変更や文化祭の日付変更など出来るわけがない。
「大会の日にちを変えるとか無理?」
「無理。文化祭の日にちを変えるのも無理だから!」
「うぉおおおお………!」
頭をかかえこみ雄叫びを上げる横で、平松の形態の画面が光ってることに気付いて拾い上げて見ると、何処かに通話中の画面になっていた。
間違って画面触ったか何かしたか?と更に画面を覗き込んで見るとそこには、
『浜砂』の文字が。
「?!」
悲鳴を上げそうになり、両手で口を抑えた。
え?
何で通話中になってんの?
え?
いつからこの状態なわけ?
『平松さん、煩いです』
そこから聞こえてきた平坦な声に、思わず肩が大きく揺れてしまった。
電話越しの浜砂の声だ、始めて聞いた…じゃなくて。
私、浜砂に聞かれて困るような会話していないよな。
劇の話をしていただけで、変なこと言ったりしてないよな?
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