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選抜クラスと普通科。
この二つに分かれているこの高校は、建物も別々であるが、制服も別々、体育館も別。
本当に同じ学校なのかと思うくらい、同じものはないし、同じ学校の生徒なのに他のコースへの立ち入りは基本的に禁止されている。
それでも平松が普通科に来る本当の理由は、私に会いたいからではない。
「………平松、そんなに落ち込むなら話しかけに行きなよ」
家に帰ると、隣の豪邸に住んでいる平松が私の部屋の角に大きな身体を縮ませて座っていた。
一年生の頃から今に至るまで、私のクラスにいるマドンナに会いに行き、私を構うように見せつつガッツリマドンナを見に来ていたりする。
きっかけがあれば話しかけたい、と平松は思っているようだが、残念ながら今のところそんな機会はあるわけもなく。
「いきなり話しかけたら警戒される!」
だろうな。
普通科で選抜クラスの生徒と話すとか、目をつけられるリスクが高すぎるから。
それをしっかりと勘づいていたらしい平松はどうしたら良いのかと毎日頭を悩ませているわけだ。
どうせならそれに巻き込まれている私のことも考えてほしいのだけど。
浜砂と二人で教室を出て行った後のクラスメイトの反応を平松は知ってるのか?
と言いたい所だが、そんなことをしたら折角スポーツ以外で心を動かした平松のことを応援したい気持ちもあり言えていない。
教えるつもりもないけれど、もし、あのマドンナが同じ立場になってしまうのであれば伝えておく必要はあるだろう。
「そんな平松君にお知らせです。普通科だけ今年も文化祭をやることが決定しました!」
「お!今回何やんの?!」
俯いていた顔を上げ、瞳を輝かせる平松に眉をひそめたくなった。
「私のクラスはシンデレラもどきをやるんだけど…残念ながら選抜クラスは大会と日付が重なっているため参加できません!」
「んなぁあああ…!」
両手で頭を抱えて唸りだす平松に、去年もだっただろうと心の中でツッコミを入れた。
この二つに分かれているこの高校は、建物も別々であるが、制服も別々、体育館も別。
本当に同じ学校なのかと思うくらい、同じものはないし、同じ学校の生徒なのに他のコースへの立ち入りは基本的に禁止されている。
それでも平松が普通科に来る本当の理由は、私に会いたいからではない。
「………平松、そんなに落ち込むなら話しかけに行きなよ」
家に帰ると、隣の豪邸に住んでいる平松が私の部屋の角に大きな身体を縮ませて座っていた。
一年生の頃から今に至るまで、私のクラスにいるマドンナに会いに行き、私を構うように見せつつガッツリマドンナを見に来ていたりする。
きっかけがあれば話しかけたい、と平松は思っているようだが、残念ながら今のところそんな機会はあるわけもなく。
「いきなり話しかけたら警戒される!」
だろうな。
普通科で選抜クラスの生徒と話すとか、目をつけられるリスクが高すぎるから。
それをしっかりと勘づいていたらしい平松はどうしたら良いのかと毎日頭を悩ませているわけだ。
どうせならそれに巻き込まれている私のことも考えてほしいのだけど。
浜砂と二人で教室を出て行った後のクラスメイトの反応を平松は知ってるのか?
と言いたい所だが、そんなことをしたら折角スポーツ以外で心を動かした平松のことを応援したい気持ちもあり言えていない。
教えるつもりもないけれど、もし、あのマドンナが同じ立場になってしまうのであれば伝えておく必要はあるだろう。
「そんな平松君にお知らせです。普通科だけ今年も文化祭をやることが決定しました!」
「お!今回何やんの?!」
俯いていた顔を上げ、瞳を輝かせる平松に眉をひそめたくなった。
「私のクラスはシンデレラもどきをやるんだけど…残念ながら選抜クラスは大会と日付が重なっているため参加できません!」
「んなぁあああ…!」
両手で頭を抱えて唸りだす平松に、去年もだっただろうと心の中でツッコミを入れた。
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