新しい道を歩み始めた貴方へ

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「アナクレトは高校の頃にセヴランの記憶を消したあと、マナ石を破壊したらしい」


「え、そんな早くですか」


俺が泣き止むのを待ってくれたロジェは、俺が落ち着いた頃合いを見てそう言った。


「あぁ。本気でセヴランからルイ君の記憶を消したかったんだろう」


そうまでしてセヴランのことが好きだったのか。
だからって、何をしてもいいのかと思うけれど、そんなこと言ってる余裕が当時はなかったのだろうか。


「方法なんていくらでもあっただろうに、何で好きな人に手を出したのか俺にはさっぱり分からないな」


「俺にも分かりません。でも、セヴランはまだ記憶を戻す方法があります」


たとえ正確な記憶とは言えずとも、そのときの記憶は俺が持っていて伝えることが出来るからな。


「そうだね。ルイ君がいる限りセヴランは大丈夫だ。まぁ、ルイ君だってひとりじゃないから大丈夫だ。俺やエリック、フィリッポさんだって力になるし、ビセンテだって力を貸してくれる。このままアナクレトの思うようにはさせないから」