新しい道を歩み始めた貴方へ

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「イッポリートさんが知らないのは分かるけど、周りにいる仲間の方は知ってるんじゃ？」


エリックの問い掛けにロジェは首を左右にふった。


「イッポリートに常に付き添っていたらしいし、正装の話は仲間から聞いていなかったらしい」


それは敢えて伝えなかったのか、いつ戻ってくるかも分からない相手に伝える必要性を感じなかったのかどっちなのだろうな。


「いちいち正装がどうのって話、聞かないよな。俺だったら絶対に聞かねぇ」


フィリッポはそう言うなり、頬の傷に触れては舌打ちをしていた。
きっと動かすだけでも痛いのだろう。


「1ヶ月前に組織が動いたというのは、それのことだったということですね。でも、何がきっかけでそんな話が出たのでしょうか。トップが思い付いた、とかですか？」



「いんや、その可能性は低いぜ。あのお人は思いつきでものを言ったり、組織を動かしたりはしない。何かきっかけがあるはずだ」


「フィリッポさんの言う通り、今のトップはそういうお人だ。１ヶ月前にトップを動かす何かが絶対にあった筈だ」


１ヶ月前………。
一体、１ヶ月前に何が起きたんだ。