新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro

文字の大きさ
上 下
38 / 138

38

しおりを挟む
「ファイルは基本的に憲兵たちの上層部が記載しているが、憲兵以外も関わってるって知ってたか?」


憲兵以外。
国に関わる重要な人たちとか?


「うん。それくらいなら僕でも知ってるよ」


「そうだな」


エリックとロジェが何を今更、というようにそう言えば、フィリッポは面白くなさげに言った。


「何だよ、知ってたのかよ。面白くねぇ奴ら」


「え?まさか、ファイルのことってそれだけ?」


「そうだが?」


平然と答えるフィリッポに頭を抱えるロジェとエリックが、『改めて言うからもっと有力な情報かと思った』と小声で呟いたのを近くにいた俺は耳にしてしまった。
2人としてはそれくらいの、と思うかもしれないが、俺としては初めて知る情報だ。
あのファイルは憲兵の上層部だけでなく、他の人たちも関わっているということは、俺はもしかしたら憲兵ではなく、その他の人物によってファイルに名前が載った可能性があるってことだ。
だとすると、そのファイルに関わっている人物を知ることが出来れば人物の特定に繋がる可能性だってある。


「やることが増えてきたな。このメンバーだけで動き回るには限界も出てきそうだし、メンバーをそろそろ増やすか」


「メンバーの追加………ですか?」


ロジェとフィリッポとエリックだけではなく、その他にも調査員がいるのか?


「イッポリートはどうだ?」


フィリッポの問いかけにロジェは首を振った。


「イッポリート単独ならまだしも組織が絡むようなことがあれば、リスクが高すぎる。家を守る、家族を守るって部分でイッポリートに動いて貰う分は助かるし、お願いしたいところだけど、それ以上はまずい」


あぁ、だから、ロジェは俺のことを依頼主と説明しなかったのか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

心からの愛してる

マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

この愛のすべて

高嗣水清太
BL
 「妊娠しています」  そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。  俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。 ※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。  両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)

かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。 はい? 自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが? しかも、男なんですが? BL初挑戦! ヌルイです。 王子目線追加しました。 沢山の方に読んでいただき、感謝します!! 6月3日、BL部門日間1位になりました。 ありがとうございます!!!

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

聖賢者は悪女に誑かされた婚約者の王太子に婚約を破棄され追放されました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

誓いのような、そんな囁き

涼雅
BL
浮気なんてものとは程遠い存在のはずだった 俺とお前の関係でそんなこと、ありはしないと思っていた それはもう過去のこと。 今はもう違うんだ

処理中です...