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希望となる国
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次の日、私は王宮の図書室へ向かった。
「シルビア様、今日はどんなご用ですか?」
入り口で、司書が尋ねてきた。
「ちょっと、サラ先生からの宿題で、周辺諸国の事を知りたくて」
サラ先生は私の礼儀作法や勉強を教えてくれる先生なのです。
「なるほど、地理的なものですか?それとも文化や習慣などがお知りになりたいですか?」
「両方ね」
「では10番通路と13通路あたりを探してみてください。」
「ありがとう」私は司書にお礼を言ってエマリアを見た。
「エマリア、お昼まではここにいるつもりだから、その間は自由にして、ルイスたちがいてくれるし大丈夫よ。」
図書室に付いてきてくれたのは侍女エマリアと護衛のルイスとケインの3人だ。
ルイスたちは護衛だから、休んでとは言えないけど、エマリアはいろいろ雑用も多いから、ただじっとさせとくのは気の毒だ。
「分かりました。ちょっと用事を片付けて戻って参ります。」
エマリアは私の意図を汲み取ってくれた。
私は早速、通路を進みいくつかの本を手に取り、奥のテーブルに持っていく。
まずはどの国に行くか、考えないと…どうしようか…
そうだ!この前構築した魔法を使ってみよう。
前世でよくあった占いを元に、考えたものだ。
この世界の占いは吉兆を調べるもので今年の天候や農作物の出来等に使うのが主だ。
それよりは自分自身のことを占えるように、それも星占いや恋愛占いの様なものより、もっと自分に取って1番のいい道に導くようなものにした。
前世だと、統計学や霊能力などが関係してそうだけど、こっちは魔法がある、私の聖光魔法の「祝福」と「サーチ」を組み込み作った独自の占いだ。
チラッとルイスたちの様子を伺うと私の邪魔にならないように、通路の向こうに、分かれて立っていた。
「よし!」
私は机にあったメモ用紙をちぎり魔法を注いだ。
そしてフッと息を吹きかける。
ちぎった紙の破片はヒラヒラと舞いながらあちこちゆらゆらと移動する。
決して落ちていかずゆらゆらと移動しながら広げた地図の、ある場所の上で止まり、スーと下に落ちた。
そこは北の港町から右上に上がった別の大陸にある大きな国だった。
「グリーズエア…」
別の大陸だから、情報が少ない。
取り敢えずグリーズエア王国に関する本を探す。
何冊か探し出したときにエマリアが戻ってきたので、その本を部屋に持ち帰るために司書に声をかけた。
借りた本はルイスたちが持ってくれた。
そこへ文官を連れてフレデリックお兄様がやってきた。
「やあシルビア、お前も図書室に居たんだね。」
「お兄様、お仕事ですか?」
「うん、今度の収穫祭の式典に関してね。ここ10年位の記録を見直そうと思ったんだ」
「今年はとても豊作だったそうですものね。盛大なお祭りになるのですか?」
「ああ僕らが小さい時は夜会の前に盛大な花火を打ち上げていたらしいんだよね。それを小耳に挟んだから、今年の収穫祭の目玉にしたいと思ってさ」
「なんとなく覚えています。花火を見た記憶がありますもの…いつからなくなったのでしょう?」
「あの、多分正妃さまが亡くなられた次の年からですよ。」
言いにくそうに、図書室の司書の方が教えてくれました。
「そうか、母上が亡くなった次の年はお祭り事は全て自粛していたものな。でもその後もずっとやっていないのはなぜだ?」
「この件に詳しいのは魔法省の特別顧問のルカルク様だと、思いますけど…
確か、あの花火はイザベラ様がメインで打ち上げに協力していたと記憶していますよ。」
「シルビア様、今日はどんなご用ですか?」
入り口で、司書が尋ねてきた。
「ちょっと、サラ先生からの宿題で、周辺諸国の事を知りたくて」
サラ先生は私の礼儀作法や勉強を教えてくれる先生なのです。
「なるほど、地理的なものですか?それとも文化や習慣などがお知りになりたいですか?」
「両方ね」
「では10番通路と13通路あたりを探してみてください。」
「ありがとう」私は司書にお礼を言ってエマリアを見た。
「エマリア、お昼まではここにいるつもりだから、その間は自由にして、ルイスたちがいてくれるし大丈夫よ。」
図書室に付いてきてくれたのは侍女エマリアと護衛のルイスとケインの3人だ。
ルイスたちは護衛だから、休んでとは言えないけど、エマリアはいろいろ雑用も多いから、ただじっとさせとくのは気の毒だ。
「分かりました。ちょっと用事を片付けて戻って参ります。」
エマリアは私の意図を汲み取ってくれた。
私は早速、通路を進みいくつかの本を手に取り、奥のテーブルに持っていく。
まずはどの国に行くか、考えないと…どうしようか…
そうだ!この前構築した魔法を使ってみよう。
前世でよくあった占いを元に、考えたものだ。
この世界の占いは吉兆を調べるもので今年の天候や農作物の出来等に使うのが主だ。
それよりは自分自身のことを占えるように、それも星占いや恋愛占いの様なものより、もっと自分に取って1番のいい道に導くようなものにした。
前世だと、統計学や霊能力などが関係してそうだけど、こっちは魔法がある、私の聖光魔法の「祝福」と「サーチ」を組み込み作った独自の占いだ。
チラッとルイスたちの様子を伺うと私の邪魔にならないように、通路の向こうに、分かれて立っていた。
「よし!」
私は机にあったメモ用紙をちぎり魔法を注いだ。
そしてフッと息を吹きかける。
ちぎった紙の破片はヒラヒラと舞いながらあちこちゆらゆらと移動する。
決して落ちていかずゆらゆらと移動しながら広げた地図の、ある場所の上で止まり、スーと下に落ちた。
そこは北の港町から右上に上がった別の大陸にある大きな国だった。
「グリーズエア…」
別の大陸だから、情報が少ない。
取り敢えずグリーズエア王国に関する本を探す。
何冊か探し出したときにエマリアが戻ってきたので、その本を部屋に持ち帰るために司書に声をかけた。
借りた本はルイスたちが持ってくれた。
そこへ文官を連れてフレデリックお兄様がやってきた。
「やあシルビア、お前も図書室に居たんだね。」
「お兄様、お仕事ですか?」
「うん、今度の収穫祭の式典に関してね。ここ10年位の記録を見直そうと思ったんだ」
「今年はとても豊作だったそうですものね。盛大なお祭りになるのですか?」
「ああ僕らが小さい時は夜会の前に盛大な花火を打ち上げていたらしいんだよね。それを小耳に挟んだから、今年の収穫祭の目玉にしたいと思ってさ」
「なんとなく覚えています。花火を見た記憶がありますもの…いつからなくなったのでしょう?」
「あの、多分正妃さまが亡くなられた次の年からですよ。」
言いにくそうに、図書室の司書の方が教えてくれました。
「そうか、母上が亡くなった次の年はお祭り事は全て自粛していたものな。でもその後もずっとやっていないのはなぜだ?」
「この件に詳しいのは魔法省の特別顧問のルカルク様だと、思いますけど…
確か、あの花火はイザベラ様がメインで打ち上げに協力していたと記憶していますよ。」
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