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レイチェルの章

マカレーナ教会

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私はお父様と教会にやって来ました。
教会はマカレーナ教会といいます。
女神マカレーナの名前がつけられています。

「おや? アッシュベリー公爵様 レイチェル様 どうされました?」

司祭さまがお声をかけてくださいました。

「司祭様、大司教様はおられますかな? 約束はしていないのだが…」

「ええ 今日はご予定はないはずなので、今伺って参ります
こちらでお待ちください」

そう言ってお部屋に案内してくださいました。

しばらくすると、大司教様がやって来ました。
年齢はお父様より少し年上くらいですが、いつも穏やかで優しくお話を聞いて下さいます。
私も小さな頃から大司教様とお話するのが大好きでした。

「お久しぶりですね アッシュベリー公爵 レイチェル様
今日はどうされましたか?」

お父様が今回の件を大司教様に説明します。

大司教様の顔がだんだん驚きでいっぱいになってきました。
そうですよね、まさか王子がそんな罰当たりな事を仕出かすとは思っていないですよね…
驚かせてすいません。

「いやはや にわかには信じられないような事ですな…」

「こちらは 私が調べさせた報告書です。
私の所の調査要員はもともと王家の影をする程の者たちですので、間違いはないと思います」

我がアッシュベリー公爵家は王家を支える為に王家の諜報を担う者を育てる手伝いもしているのです。

そう言った家の娘を出し抜けると思う方がおかしいですよね。
でも、ニコラス様の事だからきっと覚えてはいないでしょうね…

報告書を、読み終わった大司教様は苦虫を噛み潰したような顔をされています。

そうですよねお父様はオブラートに包んで説明してましたが、報告書の方はひどい内容ですものね。
私が悪い訳ではないけど、いたたまれない気持ちになってきます。


「まさか、これ程とは…」
言葉もないような大司教様

「大司教様、このような訳でレイチェルとの婚約破棄の申し出をしたいのです
たにとぞ、ご許可を頂きたい」
お父様と私は頭を下げました。


「分かりました これはいくらなんでもレイチェル様がお可哀想です」

大司教様も同意してくださいました。


私達は定められた用紙に私とニコラス殿下の名前を記し女神像の前に差し出しました。




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