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ハドソン領 領都
孤児院と屋台販売
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何とかロナリー院長の許可を得られたので、" 屋台販売の下準備と子どもたちに仕事の手順や計算を教える為 "という理由で強引に明日から屋台販売の日まで孤児院に宿泊許可をもぎ取った。
勿論、宿泊費は前払いで渡し済み。ついでに孤児院に滞在中は孤児院の手伝いをする事も申し出ている。
これにはクリスがちょっとばかり不満そうにしていたのは、子どもたちの相手をして疲弊していたからみたい。
子どもの相手をするのは慣れていないと予想以上に疲れるからねぇ。
私がロナリー院長たちと話している間、クリスは男の子と女の子たちの間で引っ張りだこだったらしい。
男の子たちは闘いごっこのような感じだったらしいけれど、女の子たちはお姫様ごっこの相手をクリスにして貰いたがったそうで、意外にこれがクリスの精神をゴリゴリと削っていたのだとか。
まぁ、何となくその様子が目に浮かんで笑ってしまったら頭を乱暴にグシャグシャッとされてしまった。ひどい八つ当たりだよね。
今日の話し合いは終わったので孤児院を出ると必要な物の買い出しに出掛ける事に。
屋台で売る料理はまだハッキリとは決めていないので、試作用で色々と買い込んだ。
それ以外にも工房や雑貨など店を回って少し依頼をしたり材料を購入して宿屋へ戻った。
宿屋では部屋で夕飯の支度をしながら屋台で売る料理を何にするかを考える事にした。
今日、訪問して思った事は手伝いの許可は貰えたけれど、私たちがこの街に滞在した後に結局元に戻ってしまうのでは、という懸念がある事。
私としては子どもたちに手伝って貰うなら、孤児院名義で屋台販売が出来るような状態にしたい。
一度きりのお手伝いで終わるならただの" 施し "になってしまう。
だけどロナリー院長に全くの危機感が無いからねぇ。他の人が頑張ったところで日々の生活に追われて子どもたちの教育や卒院して行った子どもたちのその後を気にかける余裕は無いと思う。
そうなるとそう遠くない将来にあの孤児院は閉鎖となる気がするんだよね。気がするというか、たぶん確実にそうなる。
そうなって困るのはやっぱり子どもたちなんだよ。もう一つの孤児院に入れれば良いけれど、そればかりはどうなるか分からないからねぇ。
そうならない為にも孤児院名義で屋台販売が出来るような足掛かりになれば良いなぁ、と思っている。
そういう諸々を考えると何を売れば良いのか、とちょっと悩んでしまっている。
勿論、エトリナ商会として屋台販売で赤字を出す訳にもいかないので、最初の一週間は登録したレシピの中から一品、販売しようと思っている。
そしてもう一品。クレア孤児院が継続して屋台販売、若しくは孤児院の敷地で売れる何かを販売出来たら、と考えている。
だけどそれは私が勝手に考えている事なんだよね。ロナリー院長が快く賛成してくれるような何かで、尚且つ、材料費があまり高くなくて手に入り安いもので出来る料理って何があるんだろう?
しかも子どもたちでも出来るような何かって何がある?
そんな事を考えたところで今日の夕飯の完成だ。
と言っても今日は昨日作ったチキンカレーだ。宣言通りの二日目カレーである。
でもただのチキンカレーじゃない。ボア肉をカツにしてチキンカレーに乗せてある。
本当はチキンカレーよりも普通のカレーに乗せたかったんだけれどね。
まぁ、クリスは肉があれば満足する人だから問題ないでしょ。
「ん、この匂いは昨日のチキンカレーってやつだな。おぉっ!カツも乗っている!」
扉をノックして入って来たクリスはチキンカレーの匂いに嬉しそうにテーブルまでやって来て、ボアカツがチキンカレーの上に乗っているのを見て更に嬉しそうにして椅子を引いて座った。
コロンッ。
クリスが座ったと同時に何か軽い物が床の上に落ちた音がした。
「クリス、何か落ちたよ?
ん?コレどうしたの?」
床に落ちた意外なそれを拾いながらクリスに尋ねる。
「あぁ、孤児院の裏庭に何本か木があったんだよ。自生なのか植えたのかは知らないが。
よく分からないけど、小さい子たちがせっせと俺に持って来てたんだよ。」
へぇ~、裏庭にねぇ。
んっ?
それって使えるんじゃない?
子どもたち全員で協力出来るし作るのもそんなに難しくない。
それにちょっと売り方を工夫すればこの孤児院の名物になるかもっ!
良しっ、一品目は決まりだね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでお読み下さりありがとうございます。
お気に入り登録及びエールでの応援もありがとうございます。
勿論、宿泊費は前払いで渡し済み。ついでに孤児院に滞在中は孤児院の手伝いをする事も申し出ている。
これにはクリスがちょっとばかり不満そうにしていたのは、子どもたちの相手をして疲弊していたからみたい。
子どもの相手をするのは慣れていないと予想以上に疲れるからねぇ。
私がロナリー院長たちと話している間、クリスは男の子と女の子たちの間で引っ張りだこだったらしい。
男の子たちは闘いごっこのような感じだったらしいけれど、女の子たちはお姫様ごっこの相手をクリスにして貰いたがったそうで、意外にこれがクリスの精神をゴリゴリと削っていたのだとか。
まぁ、何となくその様子が目に浮かんで笑ってしまったら頭を乱暴にグシャグシャッとされてしまった。ひどい八つ当たりだよね。
今日の話し合いは終わったので孤児院を出ると必要な物の買い出しに出掛ける事に。
屋台で売る料理はまだハッキリとは決めていないので、試作用で色々と買い込んだ。
それ以外にも工房や雑貨など店を回って少し依頼をしたり材料を購入して宿屋へ戻った。
宿屋では部屋で夕飯の支度をしながら屋台で売る料理を何にするかを考える事にした。
今日、訪問して思った事は手伝いの許可は貰えたけれど、私たちがこの街に滞在した後に結局元に戻ってしまうのでは、という懸念がある事。
私としては子どもたちに手伝って貰うなら、孤児院名義で屋台販売が出来るような状態にしたい。
一度きりのお手伝いで終わるならただの" 施し "になってしまう。
だけどロナリー院長に全くの危機感が無いからねぇ。他の人が頑張ったところで日々の生活に追われて子どもたちの教育や卒院して行った子どもたちのその後を気にかける余裕は無いと思う。
そうなるとそう遠くない将来にあの孤児院は閉鎖となる気がするんだよね。気がするというか、たぶん確実にそうなる。
そうなって困るのはやっぱり子どもたちなんだよ。もう一つの孤児院に入れれば良いけれど、そればかりはどうなるか分からないからねぇ。
そうならない為にも孤児院名義で屋台販売が出来るような足掛かりになれば良いなぁ、と思っている。
そういう諸々を考えると何を売れば良いのか、とちょっと悩んでしまっている。
勿論、エトリナ商会として屋台販売で赤字を出す訳にもいかないので、最初の一週間は登録したレシピの中から一品、販売しようと思っている。
そしてもう一品。クレア孤児院が継続して屋台販売、若しくは孤児院の敷地で売れる何かを販売出来たら、と考えている。
だけどそれは私が勝手に考えている事なんだよね。ロナリー院長が快く賛成してくれるような何かで、尚且つ、材料費があまり高くなくて手に入り安いもので出来る料理って何があるんだろう?
しかも子どもたちでも出来るような何かって何がある?
そんな事を考えたところで今日の夕飯の完成だ。
と言っても今日は昨日作ったチキンカレーだ。宣言通りの二日目カレーである。
でもただのチキンカレーじゃない。ボア肉をカツにしてチキンカレーに乗せてある。
本当はチキンカレーよりも普通のカレーに乗せたかったんだけれどね。
まぁ、クリスは肉があれば満足する人だから問題ないでしょ。
「ん、この匂いは昨日のチキンカレーってやつだな。おぉっ!カツも乗っている!」
扉をノックして入って来たクリスはチキンカレーの匂いに嬉しそうにテーブルまでやって来て、ボアカツがチキンカレーの上に乗っているのを見て更に嬉しそうにして椅子を引いて座った。
コロンッ。
クリスが座ったと同時に何か軽い物が床の上に落ちた音がした。
「クリス、何か落ちたよ?
ん?コレどうしたの?」
床に落ちた意外なそれを拾いながらクリスに尋ねる。
「あぁ、孤児院の裏庭に何本か木があったんだよ。自生なのか植えたのかは知らないが。
よく分からないけど、小さい子たちがせっせと俺に持って来てたんだよ。」
へぇ~、裏庭にねぇ。
んっ?
それって使えるんじゃない?
子どもたち全員で協力出来るし作るのもそんなに難しくない。
それにちょっと売り方を工夫すればこの孤児院の名物になるかもっ!
良しっ、一品目は決まりだね!
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