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イケアの街と面倒事
消えた彼女の娘 side クリスフォード
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「ティ、ティアナ様がっ!行方不明になりました!!」
俺とロイドが話し合っている執務室に扉を開ける大きな音とともに叫びながら入ってきたのは、ピレネー子爵夫人の侍女アーニャだった。彼女は今日もティアナと一緒に屋台を手伝いに行っていた。
ティアナが行方不明?
何の冗談かと思ったが、彼女の様子が本当の事だと告げている。
瞬間的に怒りが湧いた。
俺はローズマリーと契約しティアナの専属侍従として雇われてからずっとティアナを守って来た。
いや、守ってきた、と言ったら少し語弊があるかも知れない。あの屋敷に居た時はその立場から表立って庇う事は出来なかった。
コスト侯爵家に本当はティアナの護衛として雇われている事を知られない為だった。命の危険に陥らせない事、側に居続ける事を前提に少しの手助けと身の回りの世話をしていただけだ。
だから、ティアナがあの屋敷を出た時に、例え今までのティアナとは別人だったとしても、今度こそ本当の意味で彼女との契約を守ろうと思っていた。
それなのに!
何故、ティアナの側に居なかったんだ、俺は!
ティアナの為だ、とか思って少し脅されたくらいで、貴族の下らないお家騒動に巻き込まれてティアナの側を離れてしまった。
勿論、もう彼女との契約は切れている。それは分かっているしティアナも護衛として俺を必要としている訳ではない事も知っている。
でも、ティアナを守れなかった俺は心のどこかで後悔していたんだ。
俺はローズマリーとの約束を守れなかったんじゃないのか?
だから彼女が守りたかったティアナは居なくなってしまったんじゃないか、と。
今更ながらに自分に腹が立つ。そしてこんな事に巻き込んだロイドにもティアナを攫った誰かにも。
激しく怒りながらゲストルームに行き、まだ眠っていた男爵をベッドから蹴り落とした。
「ふぉっ?い、一体何だ?此処はどこだ?」
「寝惚けてんじゃねぇっ!!
ティアナが居なくなった。お前、何か知っているのか!」
キョトンとして床に座り込んだアホを怒鳴りつける。ベッドから蹴落とした弾みで書類も床に散らばっている。その紙に視線を移すと、、、。
「ティアナさん?彼女がどうしたんだ?一体、君は何を怒っている?」
あぁ、コイツは何も知らない。
「後でコイツとよく話し合え!」
床に落ちた紙を拾い、遅れてやって来たロイドにそれを押し付けた。
「セバスさん、直ぐに別邸と男爵領に人をやってゴロツキどもがどうしているか、確認を取って下さい。
それと部下たちも全員こっちに引き上げさせてくれ。」
俺がそう言うとセバスさんは僅かだが目を見開き、頷いて近く居た使用人に何か指示を出していた。
あぁ、最悪だ。
ロイドの勘を鵜呑みにし過ぎてロイドの思い込みに疑問を持たなかった。
一方から聞いた話が正しいかどうかなんて判断出来る訳じゃないのに。
雑な計画だと気付いていたのに、面倒事に巻き込まれただけ、と依頼された事以外を考えようとしなかった俺の所為だ。
直ぐにでもティアナを探しに行きたかった。けれど目的も、誰が、というのもハッキリと分かっていない状況で屋敷を離れる訳にはいかなかった。
内心苛々としながら屋敷で情報が集まるのを待っていると、夕方、ティアナの目撃者が見つかった事と一緒に居た相手が判明した。
そして夜になってイケア領の騎士団団長と副団長が、ある夫婦を連れて屋敷にやって来た。
執務室には体付きのがっしりした中年男性が、不安げな表情を浮かべたふっくらとした女性の肩に手を置いて立っていた。
「彼女たちはティアナ嬢の料理レシピを購入した食堂の店主と料理人だそうだ。」
ロイドの言葉に二人が無言で頷く。
「我々はピレネー子爵様の依頼で二人をここまで連れて来ました。子爵様にお話は伺っております。」
礼儀正しく挨拶をした騎士たちは、騎士団長がトーマス、副団長がジェイムスと名乗った。
「屋台の行列に並んでいた者が、ティアナ嬢が商業ギルドがある方向を見て誰かを見つけたようだった、と言っていました。
また、他の者はその方向に向かったティアナ嬢を見ています。」
ジェイムスがロイドに向かって報告をする。
「その小道では別の者がギルドに向かう小道を早足で歩いていく女性の後を、追いかけているティアナ嬢を見ていました。
その女性の特徴を聞いて更に聞き込みをしたところ、そこに居る『まんぷく亭』の女主人によく似ていた、という話を聞きこちらまでご同行願いました。」
事情を知らされずに連れて来られたらしい二人はジェイムスの言葉に一人は驚きに目を見開き、もう一人は、、、。
「な、何なの、一体。急に店にやってきて『ちょっと来い』だなんて!夜の営業ができなくなっちまったじゃない!」
その女は怒りながら早口で捲し立てていたが、その怒り方は何か不自然だった。隣の男は黙って立ったまま戸惑っているようだ。
「まんぷく亭の店主のリサ、だったかな。君は今日、ティアナ嬢に会ったのかい?」
ロイドがあくまで丁寧に、笑みを浮かべながら女に質問をする。
「し、知らないわっ。確かに昼過ぎぐらいに用事があって市場の方には行ったけど。」
女は凄い勢いで否定をしたが、段々と声が小さくなっていく。
「あぁ、店の買い出しとか色々あるでしょうからね。」
「そ、そうよっ!ちょっと必要な物があったから。でも店から離れたのは数分の事よっ。」
「そうですか、ダニエルさん?」
「・・・・俺は厨房に入っている、いました、のでリサが店を離れていたかどうかは知りません。
雇っている女の子なら知っていると思います。」
イケアの領主に問われてダニエルと呼ばれた男が一瞬の沈黙の後に言った。領主相手に丁寧な言葉遣いをしようとしているが、隣のリサと呼ばれた女はそんな事に気を回す余裕が無いほどに焦っている。
どう見ても怪しいのはこの場に居る全員が分かっていたし目撃証言もそれなりに集まっているらしい。やはりティアナの容姿は人目につくようだった。
しかし、こんな会話は時間の無駄だ。早くティアナを見つけないと。
「オイっ、ティアナは昼から行方不明だ。知っている事を話せ。」
突然横から口を挟んだ俺に女は酷く動揺した。
「っ!あの子、あのまま帰って来てないの!?」
俺とロイドが話し合っている執務室に扉を開ける大きな音とともに叫びながら入ってきたのは、ピレネー子爵夫人の侍女アーニャだった。彼女は今日もティアナと一緒に屋台を手伝いに行っていた。
ティアナが行方不明?
何の冗談かと思ったが、彼女の様子が本当の事だと告げている。
瞬間的に怒りが湧いた。
俺はローズマリーと契約しティアナの専属侍従として雇われてからずっとティアナを守って来た。
いや、守ってきた、と言ったら少し語弊があるかも知れない。あの屋敷に居た時はその立場から表立って庇う事は出来なかった。
コスト侯爵家に本当はティアナの護衛として雇われている事を知られない為だった。命の危険に陥らせない事、側に居続ける事を前提に少しの手助けと身の回りの世話をしていただけだ。
だから、ティアナがあの屋敷を出た時に、例え今までのティアナとは別人だったとしても、今度こそ本当の意味で彼女との契約を守ろうと思っていた。
それなのに!
何故、ティアナの側に居なかったんだ、俺は!
ティアナの為だ、とか思って少し脅されたくらいで、貴族の下らないお家騒動に巻き込まれてティアナの側を離れてしまった。
勿論、もう彼女との契約は切れている。それは分かっているしティアナも護衛として俺を必要としている訳ではない事も知っている。
でも、ティアナを守れなかった俺は心のどこかで後悔していたんだ。
俺はローズマリーとの約束を守れなかったんじゃないのか?
だから彼女が守りたかったティアナは居なくなってしまったんじゃないか、と。
今更ながらに自分に腹が立つ。そしてこんな事に巻き込んだロイドにもティアナを攫った誰かにも。
激しく怒りながらゲストルームに行き、まだ眠っていた男爵をベッドから蹴り落とした。
「ふぉっ?い、一体何だ?此処はどこだ?」
「寝惚けてんじゃねぇっ!!
ティアナが居なくなった。お前、何か知っているのか!」
キョトンとして床に座り込んだアホを怒鳴りつける。ベッドから蹴落とした弾みで書類も床に散らばっている。その紙に視線を移すと、、、。
「ティアナさん?彼女がどうしたんだ?一体、君は何を怒っている?」
あぁ、コイツは何も知らない。
「後でコイツとよく話し合え!」
床に落ちた紙を拾い、遅れてやって来たロイドにそれを押し付けた。
「セバスさん、直ぐに別邸と男爵領に人をやってゴロツキどもがどうしているか、確認を取って下さい。
それと部下たちも全員こっちに引き上げさせてくれ。」
俺がそう言うとセバスさんは僅かだが目を見開き、頷いて近く居た使用人に何か指示を出していた。
あぁ、最悪だ。
ロイドの勘を鵜呑みにし過ぎてロイドの思い込みに疑問を持たなかった。
一方から聞いた話が正しいかどうかなんて判断出来る訳じゃないのに。
雑な計画だと気付いていたのに、面倒事に巻き込まれただけ、と依頼された事以外を考えようとしなかった俺の所為だ。
直ぐにでもティアナを探しに行きたかった。けれど目的も、誰が、というのもハッキリと分かっていない状況で屋敷を離れる訳にはいかなかった。
内心苛々としながら屋敷で情報が集まるのを待っていると、夕方、ティアナの目撃者が見つかった事と一緒に居た相手が判明した。
そして夜になってイケア領の騎士団団長と副団長が、ある夫婦を連れて屋敷にやって来た。
執務室には体付きのがっしりした中年男性が、不安げな表情を浮かべたふっくらとした女性の肩に手を置いて立っていた。
「彼女たちはティアナ嬢の料理レシピを購入した食堂の店主と料理人だそうだ。」
ロイドの言葉に二人が無言で頷く。
「我々はピレネー子爵様の依頼で二人をここまで連れて来ました。子爵様にお話は伺っております。」
礼儀正しく挨拶をした騎士たちは、騎士団長がトーマス、副団長がジェイムスと名乗った。
「屋台の行列に並んでいた者が、ティアナ嬢が商業ギルドがある方向を見て誰かを見つけたようだった、と言っていました。
また、他の者はその方向に向かったティアナ嬢を見ています。」
ジェイムスがロイドに向かって報告をする。
「その小道では別の者がギルドに向かう小道を早足で歩いていく女性の後を、追いかけているティアナ嬢を見ていました。
その女性の特徴を聞いて更に聞き込みをしたところ、そこに居る『まんぷく亭』の女主人によく似ていた、という話を聞きこちらまでご同行願いました。」
事情を知らされずに連れて来られたらしい二人はジェイムスの言葉に一人は驚きに目を見開き、もう一人は、、、。
「な、何なの、一体。急に店にやってきて『ちょっと来い』だなんて!夜の営業ができなくなっちまったじゃない!」
その女は怒りながら早口で捲し立てていたが、その怒り方は何か不自然だった。隣の男は黙って立ったまま戸惑っているようだ。
「まんぷく亭の店主のリサ、だったかな。君は今日、ティアナ嬢に会ったのかい?」
ロイドがあくまで丁寧に、笑みを浮かべながら女に質問をする。
「し、知らないわっ。確かに昼過ぎぐらいに用事があって市場の方には行ったけど。」
女は凄い勢いで否定をしたが、段々と声が小さくなっていく。
「あぁ、店の買い出しとか色々あるでしょうからね。」
「そ、そうよっ!ちょっと必要な物があったから。でも店から離れたのは数分の事よっ。」
「そうですか、ダニエルさん?」
「・・・・俺は厨房に入っている、いました、のでリサが店を離れていたかどうかは知りません。
雇っている女の子なら知っていると思います。」
イケアの領主に問われてダニエルと呼ばれた男が一瞬の沈黙の後に言った。領主相手に丁寧な言葉遣いをしようとしているが、隣のリサと呼ばれた女はそんな事に気を回す余裕が無いほどに焦っている。
どう見ても怪しいのはこの場に居る全員が分かっていたし目撃証言もそれなりに集まっているらしい。やはりティアナの容姿は人目につくようだった。
しかし、こんな会話は時間の無駄だ。早くティアナを見つけないと。
「オイっ、ティアナは昼から行方不明だ。知っている事を話せ。」
突然横から口を挟んだ俺に女は酷く動揺した。
「っ!あの子、あのまま帰って来てないの!?」
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