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イケアの街と面倒事
私が攫われた理由(ワケ)
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「成る程。君は私の事を知っている事が有利になるとでも思ったのかい?」
あ、ギルド長の顔付きが変わったんだけど!悪い方に!
ラリーさん、さっきから何でこんな態度なのかな。自分の方に意識を集中させようとしてる?でもこの人数じゃ無理だよ。逃げられないよ。
「いや?でもさ、アンタが報酬を払う気がないのは確認できたし?
なら取引は不成立かなぁ、と思って。」
い、いよいよヤバくない?
身バレしてて相手の素性も知っていて『じゃ、これで!』とか言って帰れる訳ないよねぇ?
それを察してて、何でこの人は此処に残ってたの?
私一人置いて逃げても良かったんじゃない?
「あー!!あのっ、何でカントのギルド長が私を?
知ってます?私、カントで商会の登録をしたんですよー。
マジで!何で攫ったのか、ぐらい教えて下さいっ!!」
この不穏な空気を何とかしたくて大声を出してみる。
「あぁ、そうらしいね。そのままカントで料理レシピの登録をしてくれてたら、こんな大事にしなくても済んだんだけどねぇ。
まぁ、ちゃんと手は打ってあるから問題ないが。
ルードの奴がいい隠れ蓑になってくれるだろう。」
うぇっ!?
料理レシピぃ?
ルードぉ?
「それってコーギー男爵の事ですか?
何で男爵が関係あるんですか?
それに料理レシピなんてどこで登録したって同じじゃないですか。」
碌な話ではないのは分かっているから、聞かない方がいいんだろうけど聞かずにはいられない。
「あぁ、ピレネー子爵家に彼が押しかけたから面識があるんだったね。
まぁ、長い事、良い友だち付き合いをさせて貰っていたよ。
勿論、料理レシピはどこで登録しても同じさ。けど、カントでしてくれた方が私にとっては有益なんだよ。」
良い友だち付き合い、、、、絶対、あの男爵はカモられてたね!
こんな嫌ったらしい言い方する人の『良い友だち付き合い』なんて、自分に都合の良い付き合いしかしてないよね。
けど、カントで登録した方が自分には有益って、、、横領?でも、それじゃ私だけの話じゃ無いよねぇ。
「もしかして、ティアナの料理レシピを横取りしようとしてる、とか?」
ラリーさんっ!それ正解じゃない?
え、でもそれならレシピだけ必要なんじゃないの?
あっ!ちょっと待って!!
さっき、ちょび髭がなんか言ってた!
閉じ込めておくには勿体無い、だとか何とか・・・。
「えっ、私、監禁されちゃうの?」
思わずポロっと言っちゃったよね。隣でラリーさんが『あ~あ。』って顔しているよ。
「監禁だなんて、君には良い環境で、仕事に専念してもらいたいだけだよ。
衣食住が約束されていて、何にも邪魔されない最高の環境だよ。」
いや、事前の打診も無しに無理矢理に連れ去る時点で最高の環境な訳ないから!
「そう思うなら、普通にピレネー子爵家を通して打診してくれれば良かったじゃないですか。
別に貴方に衣食住を用意して頂かなくても、自分で用意出来ますから。」
「ふふふ、君は案外、気が強い子なんだねぇ。私はそういうタイプも嫌いじゃないがね。
だが、もう此処に居る時点でそれは決定事項なんだよ。」
お前の好みのタイプなんてどうでもいいわっ!
「あ、悪いけどさ。俺との取引が不成立ならコイツも一緒に帰らせてもらうし。」
そう言いながらラリーさんは屈んで私の腰に手を回して立たせてくれた。ずっと上から見下ろされて話をするのはなんか不快だったんだよね。後ろの男の人たちの視線も嫌な感じだったし。
「それを了承するとでも?」
ちょび髭が眉をピクリと動かしながらサッと手で合図すると、後ろの男たちがズイっと一歩前に出てきた。屈強な体格の男の人が5人。そんなに広く無いこの部屋だと、それだけで圧迫感を感じるよ。
「まぁ、了承する訳無いよね。でもどうせこんな連中を態々連れて来たって事は、俺を生かす気は無いって事だよね。でも、俺、死にたくないんだけど?」
ラリーさんはそう言いながら、後ろ手に縛られている私の手に何かを握らせた。
って、まさかナイフとか?
ちょっと待ってよ、ラリーさんっ!
後ろ手に縛られている私にナイフを持たせてどうしろ、と?
平静を装っているけどラリーさんも相当テンぱってるとみた!
無理だからね?私、一般人だからそんな器用な事出来ないしさりげなくラリーさんが切ってくれた方が安全だからね。
視線をラリーさんに向けるけど、いつ、襲いかかってくるか分からない男たちの方に集中していて私の視線には気づいていない。
あれ?
そう言えば、私、魔法が使えるじゃん!
魔法でこの危機を脱出すれば良いんじゃない?
・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
え、ちょっと待って。
手を使わないで魔法を使うのってどうすればいいんだっけ?
あ、ギルド長の顔付きが変わったんだけど!悪い方に!
ラリーさん、さっきから何でこんな態度なのかな。自分の方に意識を集中させようとしてる?でもこの人数じゃ無理だよ。逃げられないよ。
「いや?でもさ、アンタが報酬を払う気がないのは確認できたし?
なら取引は不成立かなぁ、と思って。」
い、いよいよヤバくない?
身バレしてて相手の素性も知っていて『じゃ、これで!』とか言って帰れる訳ないよねぇ?
それを察してて、何でこの人は此処に残ってたの?
私一人置いて逃げても良かったんじゃない?
「あー!!あのっ、何でカントのギルド長が私を?
知ってます?私、カントで商会の登録をしたんですよー。
マジで!何で攫ったのか、ぐらい教えて下さいっ!!」
この不穏な空気を何とかしたくて大声を出してみる。
「あぁ、そうらしいね。そのままカントで料理レシピの登録をしてくれてたら、こんな大事にしなくても済んだんだけどねぇ。
まぁ、ちゃんと手は打ってあるから問題ないが。
ルードの奴がいい隠れ蓑になってくれるだろう。」
うぇっ!?
料理レシピぃ?
ルードぉ?
「それってコーギー男爵の事ですか?
何で男爵が関係あるんですか?
それに料理レシピなんてどこで登録したって同じじゃないですか。」
碌な話ではないのは分かっているから、聞かない方がいいんだろうけど聞かずにはいられない。
「あぁ、ピレネー子爵家に彼が押しかけたから面識があるんだったね。
まぁ、長い事、良い友だち付き合いをさせて貰っていたよ。
勿論、料理レシピはどこで登録しても同じさ。けど、カントでしてくれた方が私にとっては有益なんだよ。」
良い友だち付き合い、、、、絶対、あの男爵はカモられてたね!
こんな嫌ったらしい言い方する人の『良い友だち付き合い』なんて、自分に都合の良い付き合いしかしてないよね。
けど、カントで登録した方が自分には有益って、、、横領?でも、それじゃ私だけの話じゃ無いよねぇ。
「もしかして、ティアナの料理レシピを横取りしようとしてる、とか?」
ラリーさんっ!それ正解じゃない?
え、でもそれならレシピだけ必要なんじゃないの?
あっ!ちょっと待って!!
さっき、ちょび髭がなんか言ってた!
閉じ込めておくには勿体無い、だとか何とか・・・。
「えっ、私、監禁されちゃうの?」
思わずポロっと言っちゃったよね。隣でラリーさんが『あ~あ。』って顔しているよ。
「監禁だなんて、君には良い環境で、仕事に専念してもらいたいだけだよ。
衣食住が約束されていて、何にも邪魔されない最高の環境だよ。」
いや、事前の打診も無しに無理矢理に連れ去る時点で最高の環境な訳ないから!
「そう思うなら、普通にピレネー子爵家を通して打診してくれれば良かったじゃないですか。
別に貴方に衣食住を用意して頂かなくても、自分で用意出来ますから。」
「ふふふ、君は案外、気が強い子なんだねぇ。私はそういうタイプも嫌いじゃないがね。
だが、もう此処に居る時点でそれは決定事項なんだよ。」
お前の好みのタイプなんてどうでもいいわっ!
「あ、悪いけどさ。俺との取引が不成立ならコイツも一緒に帰らせてもらうし。」
そう言いながらラリーさんは屈んで私の腰に手を回して立たせてくれた。ずっと上から見下ろされて話をするのはなんか不快だったんだよね。後ろの男の人たちの視線も嫌な感じだったし。
「それを了承するとでも?」
ちょび髭が眉をピクリと動かしながらサッと手で合図すると、後ろの男たちがズイっと一歩前に出てきた。屈強な体格の男の人が5人。そんなに広く無いこの部屋だと、それだけで圧迫感を感じるよ。
「まぁ、了承する訳無いよね。でもどうせこんな連中を態々連れて来たって事は、俺を生かす気は無いって事だよね。でも、俺、死にたくないんだけど?」
ラリーさんはそう言いながら、後ろ手に縛られている私の手に何かを握らせた。
って、まさかナイフとか?
ちょっと待ってよ、ラリーさんっ!
後ろ手に縛られている私にナイフを持たせてどうしろ、と?
平静を装っているけどラリーさんも相当テンぱってるとみた!
無理だからね?私、一般人だからそんな器用な事出来ないしさりげなくラリーさんが切ってくれた方が安全だからね。
視線をラリーさんに向けるけど、いつ、襲いかかってくるか分からない男たちの方に集中していて私の視線には気づいていない。
あれ?
そう言えば、私、魔法が使えるじゃん!
魔法でこの危機を脱出すれば良いんじゃない?
・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
え、ちょっと待って。
手を使わないで魔法を使うのってどうすればいいんだっけ?
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