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イケアの街と面倒事
イケアの商業ギルドに訪問
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「また会える日を楽しみにしているよ。」
ラルフレッドさんは翌日、爽やかな笑顔と、意味ありげな視線を私に向けて帰って行った。
器用に表情を作るわね、と思ったんだけど、何かが気に入らないらしいクリスは、無表情なのに、顔に何か言葉を貼り付けているような感じで、こちらも器用だなと思ってしまった。
そしてまた会える日がこんなに近い日だとは思っていなかった!
その日の内にロイドさんから、昨夜渡した書類を商業ギルドに提出した、と報告があった。
『仕事がはっやーい。』と思ったら『翌日に最終許可の為の調理審査がある』と言われて驚いた。
え、書類審査ってそんなに早く承認されるの?
と思っていたら
「今回は特別だよ。」
とロイドさんがこれまた意味ありげに言って、胡散臭い笑顔で笑っていた。
え、まさか、たかが料理レシピの登録をするだけなのに裏取引でもしたの?
そんな疑問は翌日、商業ギルドに訪問して審査員さんたちの顔ぶれの中に見知った顔を見つけて解決した。
「今日は宜しくね、ティアナ嬢。」
キラキラ笑顔のラルレッドさんは、先日のピレネー家の晩餐への招待が、実は書類審査の為の実食も兼ねていた、と教えてくれた。
ラルレッドさんてば、イケアの商業ギルドのギルド長なんですって。
まじかー。通りで書類を読みながら、随分と細かく質問されると思った。
ギルド長権限で書類審査と実食で承認されるらしいけれど、レシピの不備の有無の確認と不正が無いように、と調理審査も形式上行われるんだって。
結局、レシピ申請したのは、調味料として『マヨネーズ』『トマトケチャップソース』『ホワイトソース』『タルタルソース』『オーロラソース』の5種類。
料理として『シチュー』『グラタン』『ポテトマヨサラダ』『フライドポテト(細切り・くし型)』『芋けんぴ』『ポテトチップス』の6種類。
調味料と料理は食材も含めて関連していたり、同じ食材を使っている物も多かったので、そんなに手間も時間も掛からないかな、と思ったけれど、一応、アーニャさんに助手としてついてきてもらった。
アーニャさん、マヨネーズを凄いスピードで作り上げてくれてビックリ。電動調理器具無しの手作業だと結構大変なのに、と思っていたら『鍛えてますから。』とボソリと、小声で言われた。
鍛えているって何を、何の為に、とツッコミたかったけれど、ちょっとドヤ顔になっているアーニャさんが可愛くてクスリと笑ってしまった。
料理番組を参考に、必要な食材と分量などを並べて、野菜などは1つを見本でカットして、次に用意したカット済みの物を出して、調理する様にしたらちょっと驚かれた。
調理工程じゃないからいいか、と思っていたけれど、今までは全て切るところから始められていたらしい。
『これは良いですね!』と、他の審査員が喜んでいた。
下準備の野菜のカットに時間を取られる料理もあるから、審査するのに時間が掛かっていて、1日で行う調理審査も数人ぐらいしか出来ない事も多かったんだって。
しかも前の審査が押して後の審査がその日に出来ない事もあったらしい。
その点、私の書類には料理の調理時間の目安もしっかり書いてあったし、図解・絵図も記入されていて、調理工程も分かりやすかった、と喜ばれた。
登録申請用の書類、割とアバウトだったからねぇ。
必要食材欄と料理名欄があるだけで、ほぼ白紙な感じの書類用紙だったもの。
帳票の見直しと記入例の作成をします、と審査員さんが張り切っていた。
うん、提出する方も見る方も楽になるなら良い事だよね。
そうして調理過程を確認してもらって審査員さんたちに実食してもらったら、どれも好評で『文句なく承認です!』のお墨付きを貰った。
その間、ラルフレッドさんは終始ニコニコして私を見ていた。
あれかな?自分の権限で承認したレシピに間違いは無かった、という満足感かしら。
レシピの販売価格は調味料は月に銅貨5枚、フライドポテトとポテトチップスと芋けんぴは銅貨8枚、シチューとグラタンは銀貨1枚に決めて販売する事になった。
フライドポテトやポテトチップスは需要も多そうだし、作るのも簡単でレシピを見なくても作りやすい簡単な料理だ。
だから、ある程度売れて、認知もされるようになったら、販売価格を下げるか、無料でもいいかな、と思っている。
料理に関しては、冒険者ギルド内にある酒場や宿屋を中心に売り込もうと思っていたけれど、それ以外に『商業ギルド周辺の食堂にも声をかけるから是非売り込んでくれ!』と審査員さんたちに熱心に言われてしまった。
どうやら昼食や仕事帰りに食べたかったらしく、口利きしてくれるなら有難い、と私も喜んでその話を受けた。
市場での出店申請もロイドさんが役場に申請してくれていたようで、明日からー週間、屋台販売の区画も確保済みなのだそうだ。
当然のように食材の発注も、ピレネー家御用達の店に連絡済み、との事。
何、この至れり尽くせりの用意周到さ。何か怖いんですけど。
『明日からって、ちょっと急過ぎない?』と思わないでも無かったけれど、親方たちで予行演習をしておいて良かったよ、本当に。
こんなトントン拍子に話が進みすぎて、ちょっと心配になるけれど、審査が終わった後は、明日からの準備をする為にすぐに邸に戻った。
ラルフレッドさんは翌日、爽やかな笑顔と、意味ありげな視線を私に向けて帰って行った。
器用に表情を作るわね、と思ったんだけど、何かが気に入らないらしいクリスは、無表情なのに、顔に何か言葉を貼り付けているような感じで、こちらも器用だなと思ってしまった。
そしてまた会える日がこんなに近い日だとは思っていなかった!
その日の内にロイドさんから、昨夜渡した書類を商業ギルドに提出した、と報告があった。
『仕事がはっやーい。』と思ったら『翌日に最終許可の為の調理審査がある』と言われて驚いた。
え、書類審査ってそんなに早く承認されるの?
と思っていたら
「今回は特別だよ。」
とロイドさんがこれまた意味ありげに言って、胡散臭い笑顔で笑っていた。
え、まさか、たかが料理レシピの登録をするだけなのに裏取引でもしたの?
そんな疑問は翌日、商業ギルドに訪問して審査員さんたちの顔ぶれの中に見知った顔を見つけて解決した。
「今日は宜しくね、ティアナ嬢。」
キラキラ笑顔のラルレッドさんは、先日のピレネー家の晩餐への招待が、実は書類審査の為の実食も兼ねていた、と教えてくれた。
ラルレッドさんてば、イケアの商業ギルドのギルド長なんですって。
まじかー。通りで書類を読みながら、随分と細かく質問されると思った。
ギルド長権限で書類審査と実食で承認されるらしいけれど、レシピの不備の有無の確認と不正が無いように、と調理審査も形式上行われるんだって。
結局、レシピ申請したのは、調味料として『マヨネーズ』『トマトケチャップソース』『ホワイトソース』『タルタルソース』『オーロラソース』の5種類。
料理として『シチュー』『グラタン』『ポテトマヨサラダ』『フライドポテト(細切り・くし型)』『芋けんぴ』『ポテトチップス』の6種類。
調味料と料理は食材も含めて関連していたり、同じ食材を使っている物も多かったので、そんなに手間も時間も掛からないかな、と思ったけれど、一応、アーニャさんに助手としてついてきてもらった。
アーニャさん、マヨネーズを凄いスピードで作り上げてくれてビックリ。電動調理器具無しの手作業だと結構大変なのに、と思っていたら『鍛えてますから。』とボソリと、小声で言われた。
鍛えているって何を、何の為に、とツッコミたかったけれど、ちょっとドヤ顔になっているアーニャさんが可愛くてクスリと笑ってしまった。
料理番組を参考に、必要な食材と分量などを並べて、野菜などは1つを見本でカットして、次に用意したカット済みの物を出して、調理する様にしたらちょっと驚かれた。
調理工程じゃないからいいか、と思っていたけれど、今までは全て切るところから始められていたらしい。
『これは良いですね!』と、他の審査員が喜んでいた。
下準備の野菜のカットに時間を取られる料理もあるから、審査するのに時間が掛かっていて、1日で行う調理審査も数人ぐらいしか出来ない事も多かったんだって。
しかも前の審査が押して後の審査がその日に出来ない事もあったらしい。
その点、私の書類には料理の調理時間の目安もしっかり書いてあったし、図解・絵図も記入されていて、調理工程も分かりやすかった、と喜ばれた。
登録申請用の書類、割とアバウトだったからねぇ。
必要食材欄と料理名欄があるだけで、ほぼ白紙な感じの書類用紙だったもの。
帳票の見直しと記入例の作成をします、と審査員さんが張り切っていた。
うん、提出する方も見る方も楽になるなら良い事だよね。
そうして調理過程を確認してもらって審査員さんたちに実食してもらったら、どれも好評で『文句なく承認です!』のお墨付きを貰った。
その間、ラルフレッドさんは終始ニコニコして私を見ていた。
あれかな?自分の権限で承認したレシピに間違いは無かった、という満足感かしら。
レシピの販売価格は調味料は月に銅貨5枚、フライドポテトとポテトチップスと芋けんぴは銅貨8枚、シチューとグラタンは銀貨1枚に決めて販売する事になった。
フライドポテトやポテトチップスは需要も多そうだし、作るのも簡単でレシピを見なくても作りやすい簡単な料理だ。
だから、ある程度売れて、認知もされるようになったら、販売価格を下げるか、無料でもいいかな、と思っている。
料理に関しては、冒険者ギルド内にある酒場や宿屋を中心に売り込もうと思っていたけれど、それ以外に『商業ギルド周辺の食堂にも声をかけるから是非売り込んでくれ!』と審査員さんたちに熱心に言われてしまった。
どうやら昼食や仕事帰りに食べたかったらしく、口利きしてくれるなら有難い、と私も喜んでその話を受けた。
市場での出店申請もロイドさんが役場に申請してくれていたようで、明日からー週間、屋台販売の区画も確保済みなのだそうだ。
当然のように食材の発注も、ピレネー家御用達の店に連絡済み、との事。
何、この至れり尽くせりの用意周到さ。何か怖いんですけど。
『明日からって、ちょっと急過ぎない?』と思わないでも無かったけれど、親方たちで予行演習をしておいて良かったよ、本当に。
こんなトントン拍子に話が進みすぎて、ちょっと心配になるけれど、審査が終わった後は、明日からの準備をする為にすぐに邸に戻った。
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