32 / 288
南の街、イケアに向けて
村の子どもたちと話をしよう
しおりを挟む
「見れば分かるだろっ!川が綺麗なだけの何にも無い村だから、若いやつは成人になると村から出て働きに行っちまう。
親父たち大人だって街に出稼ぎに行ったり朝から夜遅くまで森に入ってる。隣の村にも働きに出てる人も居るんだ。昼間居るのは年寄りと女子どもだけなんだよっ!」
「トール、怖~いっ。」
「トールったら何怒ってるの?」
「あのね、トールは村長さんの子どもなんだよー。」
トールと呼ばれた男の子の投げやりな言葉と温度差のある女の子たちの言葉。トールは若い人たちがどんどん居なくなるこの村でどうにかしたくて頑張っていたんだろうなぁ。
でも思うようにならなくて、その気持ちを周りには分かってもらえなくて余計にやるせない気持ちになってるのかもなぁ。
「川が綺麗って誇れる事だと思うよ。」
私はトールに向かって話しかける。
この世界ではそれは結構普通の事なのかも知れないな。でも環境破壊や自然が汚染されてから慌ててなんとかしなくては、なんて大騒ぎしている世界もあるんだよ。
「川が綺麗でも何の役にも立ちゃしねぇよ。」
ソッポを向くトール。きっと当たり前すぎて気付かないんだろうなぁ。
「川が綺麗なら魚はたくさんいるんじゃない?綺麗な川で泳ぐ魚って美味しそう。」
昔、食べた鮎の塩焼きの味を思い出して言ったら
「そうそう!あの川で取れる魚は美味しいよ!毎日食べてたって飽きないもんっ。」
いつの間にか冒険者の所から戻ってきた赤髪の男の子が笑って答えた。そうだよねぇ、取れたての新鮮な魚ってだけで何もしなくても美味しいよね。
「じゃ、それを立ち寄った馬車のお客さんに出すと良いかもね。木の枝に刺してちょっと塩振ったのを乗り合い馬車が停まる近くで焼けば良い匂いに釣られて冒険者や男の人は食べたくなるんじゃない?」
「・・・そんな簡単に売れるかよっ。」
ちょっと考えながらそれでも否定的な言葉を吐くトールは彼なりに努力してダメだった経験がたくさんあるのかも知れない。
「うん、商売って簡単じゃないよね。でも川で魚を取ってくるならお金も掛からないし君たちでも出来るでしょ?罠を仕掛けておけばずっと川にいなくてもいいしさ。」
この世界に鰻っているのかな?確か鰻を捕る仕掛けって編んだ籠だか壺みたいなのを川に沈めてなかった?あれは御伽噺の話の中だけ?
でも石とか竹を使った仕掛けで魚を捕る方法もあったよね。この世界でもやっていそうな気がするけど。
「うん、俺、魚釣り得意~。」
「俺の方がケンよりも得意だよっ。」
男の子3人がわちゃわちゃと言い合っている姿は可愛いなぁ。やっぱり女の子たちに比べると相応というか精神的に幼いよね。
「あぁ、私、焼きりんごも好きだなぁ。魚を人前で齧り付くのはちょっと恥ずかしいかも知れないけれど、果物なら甘い匂いに釣られて食べたくなるかも。」
バターを乗せた焼きりんごを想像して顔がニヤける。
「りんごなんてこの村の周りじゃ取れないよ。木苺が春に取れるくらいだよね~。」
女の子たちが顔を見合わせながら笑って言っている。ホラ、やっぱり何かあるじゃない。森が近くにあるなら色々あると思うんだよね。植物も動物も。
「あら、木苺もいいじゃない!ジャムにしても良いし焼き菓子なんかに混ぜてもいいかも。果物自体に甘味もあるだろうからねぇ。
それに綺麗な川って水も冷たそうだし川の水でキンキンに冷やした木苺って美味しいんじゃない?
あ、冷やすと野菜もきっと美味しいよね。キュリやトマトを川で冷やして胡瓜は細い棒に刺して出したら食べやすくて良いかもよ?」
うん、お祭りで冷えた胡瓜って意外によく売れるよね。トマトは種の汁が飛び出たりするから女性向けではないかも知れないけど。
「野菜かぁ。俺んち野菜はじゃがいもと大根しか作ってないしなぁ。」
ケンと呼ばれていた男の子がつまんなそうに言う。
「あらっ、じゃがいもってみんな大好きな野菜じゃない。じゃがいもを蒸してバターをのせて熱々の内に食べたら美味しいじゃない。バターが無かったら塩だって美味しいし。」
これも祭りの屋台の定番だよね。この世界ではそういう食べ方をしないのかな?
「蒸すって何だ?」
あれ、この世界蒸す調理法って無いのかな?よくわからない。勉強不足だわ。
「蒸すって、うーん、お母さんたちに聞いて知らなかったらじゃがいもを4等分ぐらいに切って茹でて作ってもいいよ。」
「そうか、茹でて出してもいいのか。」
ケンがちょっと嬉しそうな顔で呟く。
「あ、料理とか火を使うのは誰か大人に見てもらって練習してからじゃないとダメだよ。あと、よく洗ってから出すとか生焼けにならないように気をつけてね。」
火傷とか怪我しても困るし食中毒とかも怖いからね。
「お姉ちゃん、何かすげぇなぁ。いろんな事が出来る気がしてきたっ!」
黒髪の男の子が目をキラキラさせて私を見てくる。純真無垢な瞳は眩しいっ!なんか過大評価されてそう。
「でも魚も野菜もいつも手に入るとは限らないんじゃないか?」
他の子たちと違ってトールの瞳には他の子たちには無い真剣さが感じられた。
「うん、そうだね。でもたくさん考えたら解決策も他の案もあるんじゃない?」
「他の案?」
「そう、1つの売れる物に頼ると何かあった時に困るよね。だから売れる物をたくさん考えて準備すればいいんじゃない?」
この子にとって馬車のお客相手に稼ぐ事は子どものお小遣い稼ぎでは無いんだろうな。
「例えば、私は初めて南の街に向けて旅をしてるんだけど、馬車に乗っているうちにだんだんと暑いなぁ、って思っていたの。カントに居た時よりも汗ばむ感じがしてる。馬車の中なんて特にね。
だから、ほら、あそこに座っているお婆さんが使っている扇かな?ああいうのがあるとちょっと涼しくなって体も楽になるなぁ、って思うよ。」
「アン婆ちゃんが使ってるの、森に落ちてるボーボー鳥の抜けた羽で作ってるやつだぜぇ。」
何でもない事だというように男の子が隣の子を見ながら言った。
ボーボー鳥?何かちょっと実物を見てみたくなるんだけど!
「そうそう。この前、ジムと俺でたくさん拾ってきたんだよな。どっちの羽が綺麗か競争したんだ~。」
ケンがジムと呼んだ黒髪の男の子を指差してニカっと笑う。
「確かに綺麗な羽だねぇ。あんな感じで作って売ったらいいんじゃない?小さな子どもが馬車に乗ってたら羽のままでも欲しがりそうな綺麗な羽だもん。」
そう言ったらケンもジムも「えっ?あれが売れるの?」って顔見合わせてる。いや、意外とそういうモノって観光地で売っていたんだよ。貝殻とかさ、石や砂だって売り物になるぐらいだし。
「馬車のお客さんが冒険者や一般の人でも、男か女かでも欲しい物って違うと思う。
そういうの関係なく誰でも欲しいと思う物だってあると思うよ。
だから相手が何を欲しがっているかよく考えて観察して売り子をすると良いと思う。」
そう言ってトールを見た。この先、トールが村をどうしていきたいか、どうやって村をよくしていけるのか、少しでも考える助けになれば良い。
『どうせ何もない村』だなんて他人にも、ましてや自分でも言わなくて済むように。
「因みに私は板張りの座席に3時間座りっぱなしでお尻が痛いの。この先、宿屋に着くまでずっと続くと思うと本当に辛いっ。
あのお婆さんが使っているクッションがあれば痛くなくなるかも。誰かお家に余っているクッション無いかな?もし有ったら売ってくれると助かるなぁ~。」
お尻を摩りながら言うと、子どもたちはハッとした顔になって家のある方向に駆け出して行った。残ったのは私とトールの2人だけになった。
親父たち大人だって街に出稼ぎに行ったり朝から夜遅くまで森に入ってる。隣の村にも働きに出てる人も居るんだ。昼間居るのは年寄りと女子どもだけなんだよっ!」
「トール、怖~いっ。」
「トールったら何怒ってるの?」
「あのね、トールは村長さんの子どもなんだよー。」
トールと呼ばれた男の子の投げやりな言葉と温度差のある女の子たちの言葉。トールは若い人たちがどんどん居なくなるこの村でどうにかしたくて頑張っていたんだろうなぁ。
でも思うようにならなくて、その気持ちを周りには分かってもらえなくて余計にやるせない気持ちになってるのかもなぁ。
「川が綺麗って誇れる事だと思うよ。」
私はトールに向かって話しかける。
この世界ではそれは結構普通の事なのかも知れないな。でも環境破壊や自然が汚染されてから慌ててなんとかしなくては、なんて大騒ぎしている世界もあるんだよ。
「川が綺麗でも何の役にも立ちゃしねぇよ。」
ソッポを向くトール。きっと当たり前すぎて気付かないんだろうなぁ。
「川が綺麗なら魚はたくさんいるんじゃない?綺麗な川で泳ぐ魚って美味しそう。」
昔、食べた鮎の塩焼きの味を思い出して言ったら
「そうそう!あの川で取れる魚は美味しいよ!毎日食べてたって飽きないもんっ。」
いつの間にか冒険者の所から戻ってきた赤髪の男の子が笑って答えた。そうだよねぇ、取れたての新鮮な魚ってだけで何もしなくても美味しいよね。
「じゃ、それを立ち寄った馬車のお客さんに出すと良いかもね。木の枝に刺してちょっと塩振ったのを乗り合い馬車が停まる近くで焼けば良い匂いに釣られて冒険者や男の人は食べたくなるんじゃない?」
「・・・そんな簡単に売れるかよっ。」
ちょっと考えながらそれでも否定的な言葉を吐くトールは彼なりに努力してダメだった経験がたくさんあるのかも知れない。
「うん、商売って簡単じゃないよね。でも川で魚を取ってくるならお金も掛からないし君たちでも出来るでしょ?罠を仕掛けておけばずっと川にいなくてもいいしさ。」
この世界に鰻っているのかな?確か鰻を捕る仕掛けって編んだ籠だか壺みたいなのを川に沈めてなかった?あれは御伽噺の話の中だけ?
でも石とか竹を使った仕掛けで魚を捕る方法もあったよね。この世界でもやっていそうな気がするけど。
「うん、俺、魚釣り得意~。」
「俺の方がケンよりも得意だよっ。」
男の子3人がわちゃわちゃと言い合っている姿は可愛いなぁ。やっぱり女の子たちに比べると相応というか精神的に幼いよね。
「あぁ、私、焼きりんごも好きだなぁ。魚を人前で齧り付くのはちょっと恥ずかしいかも知れないけれど、果物なら甘い匂いに釣られて食べたくなるかも。」
バターを乗せた焼きりんごを想像して顔がニヤける。
「りんごなんてこの村の周りじゃ取れないよ。木苺が春に取れるくらいだよね~。」
女の子たちが顔を見合わせながら笑って言っている。ホラ、やっぱり何かあるじゃない。森が近くにあるなら色々あると思うんだよね。植物も動物も。
「あら、木苺もいいじゃない!ジャムにしても良いし焼き菓子なんかに混ぜてもいいかも。果物自体に甘味もあるだろうからねぇ。
それに綺麗な川って水も冷たそうだし川の水でキンキンに冷やした木苺って美味しいんじゃない?
あ、冷やすと野菜もきっと美味しいよね。キュリやトマトを川で冷やして胡瓜は細い棒に刺して出したら食べやすくて良いかもよ?」
うん、お祭りで冷えた胡瓜って意外によく売れるよね。トマトは種の汁が飛び出たりするから女性向けではないかも知れないけど。
「野菜かぁ。俺んち野菜はじゃがいもと大根しか作ってないしなぁ。」
ケンと呼ばれていた男の子がつまんなそうに言う。
「あらっ、じゃがいもってみんな大好きな野菜じゃない。じゃがいもを蒸してバターをのせて熱々の内に食べたら美味しいじゃない。バターが無かったら塩だって美味しいし。」
これも祭りの屋台の定番だよね。この世界ではそういう食べ方をしないのかな?
「蒸すって何だ?」
あれ、この世界蒸す調理法って無いのかな?よくわからない。勉強不足だわ。
「蒸すって、うーん、お母さんたちに聞いて知らなかったらじゃがいもを4等分ぐらいに切って茹でて作ってもいいよ。」
「そうか、茹でて出してもいいのか。」
ケンがちょっと嬉しそうな顔で呟く。
「あ、料理とか火を使うのは誰か大人に見てもらって練習してからじゃないとダメだよ。あと、よく洗ってから出すとか生焼けにならないように気をつけてね。」
火傷とか怪我しても困るし食中毒とかも怖いからね。
「お姉ちゃん、何かすげぇなぁ。いろんな事が出来る気がしてきたっ!」
黒髪の男の子が目をキラキラさせて私を見てくる。純真無垢な瞳は眩しいっ!なんか過大評価されてそう。
「でも魚も野菜もいつも手に入るとは限らないんじゃないか?」
他の子たちと違ってトールの瞳には他の子たちには無い真剣さが感じられた。
「うん、そうだね。でもたくさん考えたら解決策も他の案もあるんじゃない?」
「他の案?」
「そう、1つの売れる物に頼ると何かあった時に困るよね。だから売れる物をたくさん考えて準備すればいいんじゃない?」
この子にとって馬車のお客相手に稼ぐ事は子どものお小遣い稼ぎでは無いんだろうな。
「例えば、私は初めて南の街に向けて旅をしてるんだけど、馬車に乗っているうちにだんだんと暑いなぁ、って思っていたの。カントに居た時よりも汗ばむ感じがしてる。馬車の中なんて特にね。
だから、ほら、あそこに座っているお婆さんが使っている扇かな?ああいうのがあるとちょっと涼しくなって体も楽になるなぁ、って思うよ。」
「アン婆ちゃんが使ってるの、森に落ちてるボーボー鳥の抜けた羽で作ってるやつだぜぇ。」
何でもない事だというように男の子が隣の子を見ながら言った。
ボーボー鳥?何かちょっと実物を見てみたくなるんだけど!
「そうそう。この前、ジムと俺でたくさん拾ってきたんだよな。どっちの羽が綺麗か競争したんだ~。」
ケンがジムと呼んだ黒髪の男の子を指差してニカっと笑う。
「確かに綺麗な羽だねぇ。あんな感じで作って売ったらいいんじゃない?小さな子どもが馬車に乗ってたら羽のままでも欲しがりそうな綺麗な羽だもん。」
そう言ったらケンもジムも「えっ?あれが売れるの?」って顔見合わせてる。いや、意外とそういうモノって観光地で売っていたんだよ。貝殻とかさ、石や砂だって売り物になるぐらいだし。
「馬車のお客さんが冒険者や一般の人でも、男か女かでも欲しい物って違うと思う。
そういうの関係なく誰でも欲しいと思う物だってあると思うよ。
だから相手が何を欲しがっているかよく考えて観察して売り子をすると良いと思う。」
そう言ってトールを見た。この先、トールが村をどうしていきたいか、どうやって村をよくしていけるのか、少しでも考える助けになれば良い。
『どうせ何もない村』だなんて他人にも、ましてや自分でも言わなくて済むように。
「因みに私は板張りの座席に3時間座りっぱなしでお尻が痛いの。この先、宿屋に着くまでずっと続くと思うと本当に辛いっ。
あのお婆さんが使っているクッションがあれば痛くなくなるかも。誰かお家に余っているクッション無いかな?もし有ったら売ってくれると助かるなぁ~。」
お尻を摩りながら言うと、子どもたちはハッとした顔になって家のある方向に駆け出して行った。残ったのは私とトールの2人だけになった。
107
お気に入りに追加
744
あなたにおすすめの小説
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
【完結】7年待った婚約者に「年増とは結婚できない」と婚約破棄されましたが、結果的に若いツバメと縁が結ばれたので平気です
岡崎 剛柔
恋愛
「伯爵令嬢マリアンヌ・ランドルフ。今日この場にて、この僕――グルドン・シルフィードは君との婚約を破棄する。理由は君が25歳の年増になったからだ」
私は7年間も諸外国の旅行に行っていたグルドンにそう言われて婚約破棄された。
しかも貴族たちを大勢集めたパーティーの中で。
しかも私を年増呼ばわり。
はあ?
あなたが勝手に旅行に出て帰って来なかったから、私はこの年までずっと結婚できずにいたんですけど!
などと私の怒りが爆発しようだったとき、グルドンは新たな人間と婚約すると言い出した。
その新たな婚約者は何とタキシードを着た、6、7歳ぐらいの貴族子息で……。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる