26 / 49
ガーナの街にて
生活魔法が使えるのかも知れない。
しおりを挟む
私は生活魔法が使えるのかも知れない。
そう思ったらちょっと気分が高揚してきたのを感じる。
私には関係無い、と思っていても、やっぱり魔法って子どもの頃に一度は憧れるものだよね。
もし生活魔法を無意識に使っていたとしたら、『クリーン』が使えていたって事かな?
なんで『クリーン』じゃなくて、『綺麗になれ~』という言葉で
ー 声に出してさえいなかったけど ー 綺麗になったのかは不明ではあるけれど、黒いモヤが消えたのは事実だ。
まぁ、どうして魔素らしき黒いモヤが『クリーン』で消えるのかもよく分からないけど、見た目も埃や汚れっぽいしカビっぽいし、『汚い判定』をされた感じ?
兎に角、もう少し魔法の事について知りたいな。
明日、ジョージ君が買い物や冒険者登録に付き合ってくれる予定だから、その時に魔法についての本を探してみよう。
寝る前に試しに『クリーン』と声に出しながら胸に手を当てて、自分の体が綺麗になるように念じてみた。
別に何も変わらないような、、、。
「使い慣れない言葉だからかな?それじゃ、いつもの様に、綺麗になれ~。」
もう一度、胸に手を当てて念じて見れば、さっきと違って体がさっぱりしたのと何だか心まで軽くなったような爽快感があった。
「おぉ~!なんか綺麗になった気がする!やっぱり使い慣れた言葉の方がしっくりくるからかなぁ。」
心も体も軽くなってその夜はぐっすりとよく眠れた。
「えっ?魔法に関する本?」
翌日、約束通り私の用事に付き合ってくれる事になったジョージ君に魔法の本が買える店は無いのか、尋ねてみた。
「うん、今まで気付かなかったけど、私、生活魔法が使えるみたいなの。でもそういう知識が全く無いし習った事も無いから、先ずは教科書みたいな本を読もうかと思ったの。」
私がそう言うとジョージ君は少し首を傾げて考える素振りをした。
「俺、持っているから使い古しで良ければあげるよ。」
「えっ?という事はジョージ君も魔法が使えるの?」
「うん。だから俺、学校に通っているんだ。三日月亭を継ぐつもりだけど、水魔法と生活魔法がそこそこ使えるから、母さんがキチンと学校で教わっとけ、って。」
学校に行ってるって、皆が通う中学校とかをイメージしていたけど、魔法を学べる学校に行っていたのかぁ。流石、ルーナさん。ジョージ君の将来を考えての事なんだろうね。
「そっかぁ~。凄いね、ジョージ君。でも本を貰ってしまっていいの?」
「うん、もう使ってないから。魔法の本て学校に入学する時に買う場合が多いんだけど、安くないしそんなに売っていないんだよ。だから先輩が使わなくなった本を買う子も多いんだ。」
本て貴重なのかな。というか紙自体が貴重?先輩から買ったりするって大学の時みたいだな。大学で使う教科書や指定図書って取り扱いが少ない本が多くて値段も高かったんだよね。
1冊3000円以上の本も結構あって、先輩から譲り受けたり学祭の時に開催されるフリマで探す事が多かったっけ。
「ありがとう。でも本て貴重みたいだから読ませてもらうだけでいいよ。ノートを持っているから重要な所はメモるから。あ、でも読み終わったら少し魔法の練習に付き合って欲しいな。この街に居る間だけでいいから。」
「ノート?メモ、る?よく分かんないけど、読むだけでいいなら帰ったら貸すし練習にも付き合うよ。食堂を手伝って貰ってるしリオの作ってくれたサンドイッチも美味しかったから。
クラスの連中に凄く羨ましがられて結構食われた。代金を支払うから作ってくれって頼まれたぐらいだよ。」
この世界ではノートって言わないのかな。メモる、という言い方はしないか。
「あんな簡単なお弁当で良ければいくらでも作るよ。
というか、食堂の新メニューの宣伝用にメンチカツサンドやハンバーガーとか作ってみる?
それでジョージ君が学校で友だちに配れば食堂のお客さんが増えるかもよ?」
学校に持って行くのは半分以下の大きさにして沢山配れるようにしたらいいんじゃないかな。
ジョージ君が注文を取って持っていくでも良いけど学校で商売してもいいのか分からないもんね。金銭トラブルになっても困るしね。
「あー、うん。2、3日、多めに弁当持って行って宣伝してみようかな。リオの考えてくれた料理は本当に美味しいから友だちにも食べて欲しいし。
あ、勿論、作ってくれた料理も美味しいかった。」
ポソっと照れながら言うジョージ君はちょっと年相応に見えた。
そう思ったらちょっと気分が高揚してきたのを感じる。
私には関係無い、と思っていても、やっぱり魔法って子どもの頃に一度は憧れるものだよね。
もし生活魔法を無意識に使っていたとしたら、『クリーン』が使えていたって事かな?
なんで『クリーン』じゃなくて、『綺麗になれ~』という言葉で
ー 声に出してさえいなかったけど ー 綺麗になったのかは不明ではあるけれど、黒いモヤが消えたのは事実だ。
まぁ、どうして魔素らしき黒いモヤが『クリーン』で消えるのかもよく分からないけど、見た目も埃や汚れっぽいしカビっぽいし、『汚い判定』をされた感じ?
兎に角、もう少し魔法の事について知りたいな。
明日、ジョージ君が買い物や冒険者登録に付き合ってくれる予定だから、その時に魔法についての本を探してみよう。
寝る前に試しに『クリーン』と声に出しながら胸に手を当てて、自分の体が綺麗になるように念じてみた。
別に何も変わらないような、、、。
「使い慣れない言葉だからかな?それじゃ、いつもの様に、綺麗になれ~。」
もう一度、胸に手を当てて念じて見れば、さっきと違って体がさっぱりしたのと何だか心まで軽くなったような爽快感があった。
「おぉ~!なんか綺麗になった気がする!やっぱり使い慣れた言葉の方がしっくりくるからかなぁ。」
心も体も軽くなってその夜はぐっすりとよく眠れた。
「えっ?魔法に関する本?」
翌日、約束通り私の用事に付き合ってくれる事になったジョージ君に魔法の本が買える店は無いのか、尋ねてみた。
「うん、今まで気付かなかったけど、私、生活魔法が使えるみたいなの。でもそういう知識が全く無いし習った事も無いから、先ずは教科書みたいな本を読もうかと思ったの。」
私がそう言うとジョージ君は少し首を傾げて考える素振りをした。
「俺、持っているから使い古しで良ければあげるよ。」
「えっ?という事はジョージ君も魔法が使えるの?」
「うん。だから俺、学校に通っているんだ。三日月亭を継ぐつもりだけど、水魔法と生活魔法がそこそこ使えるから、母さんがキチンと学校で教わっとけ、って。」
学校に行ってるって、皆が通う中学校とかをイメージしていたけど、魔法を学べる学校に行っていたのかぁ。流石、ルーナさん。ジョージ君の将来を考えての事なんだろうね。
「そっかぁ~。凄いね、ジョージ君。でも本を貰ってしまっていいの?」
「うん、もう使ってないから。魔法の本て学校に入学する時に買う場合が多いんだけど、安くないしそんなに売っていないんだよ。だから先輩が使わなくなった本を買う子も多いんだ。」
本て貴重なのかな。というか紙自体が貴重?先輩から買ったりするって大学の時みたいだな。大学で使う教科書や指定図書って取り扱いが少ない本が多くて値段も高かったんだよね。
1冊3000円以上の本も結構あって、先輩から譲り受けたり学祭の時に開催されるフリマで探す事が多かったっけ。
「ありがとう。でも本て貴重みたいだから読ませてもらうだけでいいよ。ノートを持っているから重要な所はメモるから。あ、でも読み終わったら少し魔法の練習に付き合って欲しいな。この街に居る間だけでいいから。」
「ノート?メモ、る?よく分かんないけど、読むだけでいいなら帰ったら貸すし練習にも付き合うよ。食堂を手伝って貰ってるしリオの作ってくれたサンドイッチも美味しかったから。
クラスの連中に凄く羨ましがられて結構食われた。代金を支払うから作ってくれって頼まれたぐらいだよ。」
この世界ではノートって言わないのかな。メモる、という言い方はしないか。
「あんな簡単なお弁当で良ければいくらでも作るよ。
というか、食堂の新メニューの宣伝用にメンチカツサンドやハンバーガーとか作ってみる?
それでジョージ君が学校で友だちに配れば食堂のお客さんが増えるかもよ?」
学校に持って行くのは半分以下の大きさにして沢山配れるようにしたらいいんじゃないかな。
ジョージ君が注文を取って持っていくでも良いけど学校で商売してもいいのか分からないもんね。金銭トラブルになっても困るしね。
「あー、うん。2、3日、多めに弁当持って行って宣伝してみようかな。リオの考えてくれた料理は本当に美味しいから友だちにも食べて欲しいし。
あ、勿論、作ってくれた料理も美味しいかった。」
ポソっと照れながら言うジョージ君はちょっと年相応に見えた。
6
お気に入りに追加
171
あなたにおすすめの小説
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜
撫羽
ファンタジー
ある邸で秘密の会議が開かれていた。
そこに出席している3歳児、王弟殿下の一人息子。実は前世を覚えていた。しかもやり直しの生だった!?
どうしてちびっ子が秘密の会議に出席するような事になっているのか? 何があったのか?
それは生後半年の頃に遡る。
『ばぶぁッ!』と元気な声で目覚めた赤ん坊。
おかしいぞ。確かに俺は刺されて死んだ筈だ。
なのに、目が覚めたら見覚えのある部屋だった。両親が心配そうに見ている。
しかも若い。え? どうなってんだ?
体を起こすと、嫌でも目に入る自分のポヨンとした赤ちゃん体型。マジかよ!?
神がいるなら、0歳児スタートはやめてほしかった。
何故だか分からないけど、人生をやり直す事になった。実は将来、大賢者に選ばれ魔族討伐に出る筈だ。だが、それは避けないといけない。
何故ならそこで、俺は殺されたからだ。
ならば、大賢者に選ばれなければいいじゃん!と、小さな使い魔と一緒に奮闘する。
でも、それなら魔族の問題はどうするんだ?
それも解決してやろうではないか!
小さな胸を張って、根拠もないのに自信満々だ。
今回は初めての0歳児スタートです。
小さな賢者が自分の家族と、大好きな婚約者を守る為に奮闘します。
今度こそ、殺されずに生き残れるのか!?
とは言うものの、全然ハードな内容ではありません。
今回も癒しをお届けできればと思います。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
オレはスキル【殺虫スプレー】で虫系モンスターを相手に無双する
竹井ゴールド
ファンタジー
スキル授与の日、【殺虫スプレー】という訳の分からないスキルを授与された貧乏男爵の令息アラン・ザクであるオレは前世の大園耕作の記憶を思い出す。
その後、「ウチは貧乏なんだ。有益なスキルでもない三男をウチに置いておく余裕はない。籍はこちらで抜いておく。今後は平民として生きるように」と口減らしの為に死んだ母親の実家の商家へと養子に出されるが、それは前世の記憶を得たオレからすれば渡りに船だった。
貧乏男爵家なんぞに未来はない。
この【殺虫スプレー】で、いや、あえてここはかっこよくファンタジー風に言い直そう。
【虫系モンスター専用即死近距離噴射ガス】と。
これを使って成り上がってやる。
そう心に決めてオレは母方の実家へと向かうフリをして貧乏男爵家から旅立ったのだった。
(完結)私の夫を奪う姉
青空一夏
恋愛
私(ポージ)は爵位はないが、王宮に勤める文官(セオドア)の妻だ。姉(メイヴ)は老男爵に嫁ぎ最近、未亡人になったばかりだ。暇な姉は度々、私を呼び出すが、私の夫を一人で寄越すように言ったことから不倫が始まる。私は・・・・・・
すっきり?ざまぁあり。短いゆるふわ設定なお話のつもりです。
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
身体強化って、何気にチートじゃないですか!?
ルーグイウル
ファンタジー
病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。
そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?
これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。
初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる