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聖女召喚は成功した、、、ハズ?
旅立ち
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今日はアサド村を出発する日だ。
昨日はリンデルさんの食堂の手伝いから戻ってきたエミリーちゃんにアサド村を出て旅に出る事を話すと泣かれた。
たった3日、一緒に過ごしただけなのに、こんな風に泣いて別れを惜しんでくれるエミリーちゃんの気持ちが嬉しくて私も貰い泣きしてしまった。
そんな私たちをメアリーさんは『旅立ちは明日だよ。気が早いね。』と笑っていた。
けれど今朝、支度を終えて荷物を抱えて1階に降りてきた私をぎゅっと抱きしめてくれたメアリーさんの目は真っ赤だった。ジャックさんも『またおいで。』と頭をポンポンと撫でてくれた。
馬車の運賃は隣の街までは銅貨3枚。昨夜、宿屋の仕事を手伝ってくれたから、とメアリーさんに銀貨5枚も頂いてしまった。手伝いは泊めて貰った対価だと遠慮したけれど
「リオのお陰で宿屋が綺麗になったし、食堂も新しい料理を教えて貰って売り上げが増えたんだからこっちが貰いすぎなぐらいだよ。」
と言ってくれたので有り難く頂く事にした。
「絶対またこの村に遊びに来てよ。絶対だよ!」
「勿論、また来るよ。手紙も出すから。」
昨日あんなに泣いたのにまた大泣きしているエミリーちゃんが可愛いくてぎゅっと抱きしめた。エミリーちゃんの方が10cm以上背が高いので抱きしめた筈が私の方が抱きしめられている状態になってしまった。
メアリーさん一家に見守られて馬車乗り場まで行けば乗客はまだ誰も居なかった。大荷物を抱える私に御者さんは少しビックリしていた。
「無事に街まで行けます様に。」
と手を2拍して目を瞑って拝んだ後、目を開けばメアリーさんとエミリーちゃんがキョトンとした顔をしていた。
日本じゃ神頼みはこんな感じだったんだけれどこの世界ではどうなんだろうね。両手を合わせて指を絡める感じ?
魔王さんの話は聞いたけれど神様の話は聞かなかったなぁ。魔王が居るんだったら神様も普通にいそうだよね。神様にお願いしたら元の世界に戻してくれないかなぁ。
「いい?街に着いたらすぐに私が教えた宿屋に行ってこの手紙を見せるんだよ。よーく頼んでおいたから。
それから人通りの少ない道は歩いちゃダメよ。それと荷物から目を離さないようにね。」
メアリーさんが子どもに言い聞かすように言う。
おかしいなぁ、10歳しか違わないんだけどまるでお母さんの様だね。でも心配してくれる気持ちがすごく嬉しい。
ジャックさんがそっと渡してくれた紙袋にはコロッケパンが2つ入っていた。コロッケを作った時にこういう食べ方もあるって話をしたのをちゃんと覚えていてくれたんだ。これも宿屋の名物になると良いな。
「メアリーさん、ジャックさん、エミリーちゃん。色々ありがとうございました。それじゃあ、行ってきます。」
馬車の出発時間になってメアリーさんたちに別れの言葉を言おうとして、けれど『さようなら』は寂しくて『行ってきます』と言った。
またエミリーちゃんがブワっと泣き出して涙を堪えるのが大変だった。
本当にありがとう。
また絶対会おうね。
馬車が走り出した途端に私も涙が溢れて仕方なかったよ。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
[ ヨルムンド王国 通貨 ]
小銅貨 1枚 10円
銅貨 1枚 100円
銀貨 1枚 1000円
金貨 1枚 100000円(銀貨100枚)
白金貨 1枚 1000000円
金貨1~2枚で平民4人が1年間暮らせる。
屋台の食べ物は小銅貨数枚が一般的。
食堂などは銅貨数枚ぐらい。
昨日はリンデルさんの食堂の手伝いから戻ってきたエミリーちゃんにアサド村を出て旅に出る事を話すと泣かれた。
たった3日、一緒に過ごしただけなのに、こんな風に泣いて別れを惜しんでくれるエミリーちゃんの気持ちが嬉しくて私も貰い泣きしてしまった。
そんな私たちをメアリーさんは『旅立ちは明日だよ。気が早いね。』と笑っていた。
けれど今朝、支度を終えて荷物を抱えて1階に降りてきた私をぎゅっと抱きしめてくれたメアリーさんの目は真っ赤だった。ジャックさんも『またおいで。』と頭をポンポンと撫でてくれた。
馬車の運賃は隣の街までは銅貨3枚。昨夜、宿屋の仕事を手伝ってくれたから、とメアリーさんに銀貨5枚も頂いてしまった。手伝いは泊めて貰った対価だと遠慮したけれど
「リオのお陰で宿屋が綺麗になったし、食堂も新しい料理を教えて貰って売り上げが増えたんだからこっちが貰いすぎなぐらいだよ。」
と言ってくれたので有り難く頂く事にした。
「絶対またこの村に遊びに来てよ。絶対だよ!」
「勿論、また来るよ。手紙も出すから。」
昨日あんなに泣いたのにまた大泣きしているエミリーちゃんが可愛いくてぎゅっと抱きしめた。エミリーちゃんの方が10cm以上背が高いので抱きしめた筈が私の方が抱きしめられている状態になってしまった。
メアリーさん一家に見守られて馬車乗り場まで行けば乗客はまだ誰も居なかった。大荷物を抱える私に御者さんは少しビックリしていた。
「無事に街まで行けます様に。」
と手を2拍して目を瞑って拝んだ後、目を開けばメアリーさんとエミリーちゃんがキョトンとした顔をしていた。
日本じゃ神頼みはこんな感じだったんだけれどこの世界ではどうなんだろうね。両手を合わせて指を絡める感じ?
魔王さんの話は聞いたけれど神様の話は聞かなかったなぁ。魔王が居るんだったら神様も普通にいそうだよね。神様にお願いしたら元の世界に戻してくれないかなぁ。
「いい?街に着いたらすぐに私が教えた宿屋に行ってこの手紙を見せるんだよ。よーく頼んでおいたから。
それから人通りの少ない道は歩いちゃダメよ。それと荷物から目を離さないようにね。」
メアリーさんが子どもに言い聞かすように言う。
おかしいなぁ、10歳しか違わないんだけどまるでお母さんの様だね。でも心配してくれる気持ちがすごく嬉しい。
ジャックさんがそっと渡してくれた紙袋にはコロッケパンが2つ入っていた。コロッケを作った時にこういう食べ方もあるって話をしたのをちゃんと覚えていてくれたんだ。これも宿屋の名物になると良いな。
「メアリーさん、ジャックさん、エミリーちゃん。色々ありがとうございました。それじゃあ、行ってきます。」
馬車の出発時間になってメアリーさんたちに別れの言葉を言おうとして、けれど『さようなら』は寂しくて『行ってきます』と言った。
またエミリーちゃんがブワっと泣き出して涙を堪えるのが大変だった。
本当にありがとう。
また絶対会おうね。
馬車が走り出した途端に私も涙が溢れて仕方なかったよ。
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[ ヨルムンド王国 通貨 ]
小銅貨 1枚 10円
銅貨 1枚 100円
銀貨 1枚 1000円
金貨 1枚 100000円(銀貨100枚)
白金貨 1枚 1000000円
金貨1~2枚で平民4人が1年間暮らせる。
屋台の食べ物は小銅貨数枚が一般的。
食堂などは銅貨数枚ぐらい。
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